2021年3月26日(金)第16週「お母ちゃんて呼んでみ」
あらすじ
天海家に身を隠していた百合子と小暮が、千代と一平に別れを告げてからしばらく経ったころ。二人が樺太を経てソ連への亡命に成功したことが新聞に報じられました。そのニュースは世間を賑わせました。
そんなある日、千代と一平は寛治に語って聞かせました。自分たちがどのような道を歩んで来たかを。千代は、父に捨てられさらに父に身売りされそうになった過去を語りました。一平は、役者だった父との関係を語りました。
続けて千代と一平は、考え抜いた末に二人で出した結論を寛治に告げました。寛治のことが心配だ。この家で一緒に住まないかと。父親に裏切られ深く傷ついていた寛治に対して、千代と一平は寛治を裏切らないことを約束しました。
その数日後、一平は小暮を思いながら新しい台本を書き上げました。そして迎えた『人生双六』の公演初日。千代と一緒に暮らすことになった寛治も舞台に立ち、その芝居は喝采を浴びました。その数年後、日米は開戦するのでした。
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予習レビュー
百合子さんと小暮くんの二人にすべてを持って行かれた火曜日、水曜日、木曜日。
百合子さんと小暮くんの二人が天海家を去り、ようやく今週のお題であるはずの千代ちゃんと寛治くんが向き合う場面。
今週のサブタイトルになっている「お母ちゃんて呼んでみ」が、おそらく今回の千代ちゃんのセリフとして登場するものと思われます。
さて、寛治くんは遠い親戚が引き取られることになりました。
しかし遠い親戚が寛治くんを歓迎するとは思えない。
一方で千代ちゃんは寛治の孤独を察します。
寛治くんが遠い親戚に引き取られたところで、寛治くんの孤独はますます増幅するばかり。
千代ちゃんはそんな風に考えるのではないかと思います。
そして、千代ちゃんは寛治くんの「お母ちゃん」になることを決意します。
コメントへの返信 by 朝蔵
立派に大阪のおかあはん(よるは去ったさん)
千代ちゃんが「大阪のおかあはん」になるための一週間だったようですね。
千代と一平くんの心の強さ(二代目魁光さん)
寛治くんにもその心の強さを身につけてもらいたいですね。
新しい家族になった二人に見習いながら。
「人生、下り坂最高!」(二代目魁光さん)
素敵な言葉をご紹介くださりありがとうございます。
演技でここまで歳の差を感じさせない(二代目魁光さん)
『べっぴんさん』ではたしか義理の母親と息子の実年齢が逆転してましたね。
心の闇はそう簡単に溶けるとはおもえない(還暦のたつおさん)
放送期間が短縮されていなければ、寛治くんの心の闇のその後がもう少し語られたかもしれません。
心躍る春の最中(秋桜おばさん)
本来なら朝ドラもクライマックスに向けて明るい展開をする季節です。
つらいものがあります。
一平と千さんは笑っていなくて(オペラ座の怪人さん)
この二人の表情が次週以降のことを暗示していました。
感想
「お母ちゃんて呼んでみ」
寛治くんの心の闇が解決されたかどうかは定かではありませんが、ひとまず寛治くんは自分の居場所を手に入れることができました。
千代ちゃんと一平くんは、ありのままの寛治くんを受け入れました。
千代ちゃんから「お母ちゃん」と呼べと求められることももうないでしょう。
寛治くんはまた、鶴亀家庭劇の中にも自分の居場所を見出したようです。
舞台の袖で、鶴亀家庭劇の座員たちから芝居の出来栄えを讃えられていたらしい寛治くんの嬉しそうな姿が目に焼き付いて離れません。
舞台の上ではありましたが、千代ちゃんに「お母ちゃん」と言ったことも嬉しかった。
今週はここで終わりかなと思っていたらまさかの時代スキップ。
次週からいよいよ戦局が悪化する時代に突入。
切なすぎるエピソードが次から次へと描かれる一週間になるかと思います。
追伸:再放送の『澪つくし』はようやく暗いトンネルを抜け出しました。
百合子さんと小暮くん
話が前後しますが、百合子さんと小暮くんが亡命に成功。
その先には、日本国内にいた時よりも苦難の連続となるはずですが、そのあたりのことはドラマの中でスルーしてほしい。
二人のことを思うとつら過ぎます。
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小暮と高城は、千代の家をどのようにして知ったのかが気になったのですが、もしかして15週のエピソードが繋がっているのかも。
京都の撮影所で別れて以来、千代と小暮、千代と高城は接点を持っていなかったことは素直に読み取れる。
千代の所に転がり込もうと考えたところで、千代がどこにいるのかはわからない。
だからと言って鶴亀に連絡を取って教えてもらうことなどできたものではない(特に高城は)。
しかし、演劇の道に戻っていた二人、小暮ならば雑誌に載った鶴亀家庭劇の記事を読んで、千代が道頓堀で活動していることを知っていただろう。
千代の所に行こうという考えは高城のものと想像される。
それを聞かされて思い出される小暮の記憶。
ならばと高城が岡安に顔を出し、千代の居場所を教えてもらったという理屈が成り立つ。
雑誌の取材、ドラマの展開に無駄ではなかったのね。
それにしても、特高の来訪を受けた後、一平を呼び出した大山社長の嗅覚、恐るべし!!
いくら千代ちゃんと一平君が辛かった過去を語ったところで、そう簡単には寛治君の屈折した心に響くとは思えませんが…。
おそらく、千代ちゃんが寛治君にヨシヲ君の話しをした事が、今後の伏線になるのでしょう…。
それにしても、最後に寛治君が家庭劇に入って丸く納まった体になっていますが…。
寛治君、舞台をブチ壊しにしてないですか…。
千之助さん辺り、素人同然の寛治君を舞台に上げる事を許したのでしょうか…。
15歳でいきなり赤の他人の家に世話になり、親代わりとは言え、「お母ちゃん」などと
言えるわけもない。でも、芝居のセリフでなら言える。あれは設定としてアドリブだったのかな。
ちょっと驚いた顔の千代ちゃんでした。
うちの父親が、病死した兄の子どもを養子にしたとき、まだ小学校入ったばかりの子に、
「お父さんと呼べ」と迫った時、「一晩考えさせてくれ」と言って、翌日からお父さんと
呼ぶ様になったという話を聞いたことがあります。
かんじ君の養子の件は、
他の方にお任せするとして、
今日の最後、
「日本万歳!」と浮かれている中で、
千代ちゃんは笑っていたけど、
一平と千さんは笑っていなくて、
やっぱ、この2人は、
分かっているんでせうなあ。
(/_\;) (/_\;) (/_\;)
(-A-) (-A-) (-A-) ← ざっくぅ
おしまい
百合子さんと木暮さんの逃避行は成功。
その後のことはわかりませんが。
寛治くんの凍りついた心も千代ちゃん夫婦の愛情で溶け始め、これで大団円…と思ったのもつかの間、辛い戦争時代に突入ですね。
エールの時も、暗黒の時代に見ている方も辛い毎日でした。
桜も満開、心躍る春の最中、来週は心が暗くなる展開なんでしょうか(;_;)
回想シーン無しの語りのみで今までの人生を振り返る千代と一平。しみじみとした良いシーンです。だけど寛治にはいまいちピンと来ていないような。寛治の涙は、一時だけのものかなあ。新作は一平から寛治へのメッセージでもあったのですね。だけど十数年にわたって築かれた心の闇はそう簡単に溶けるとはおもえないけど。ついに「エール」でも描かれた大変な時代へと突入しました。はたしてどうなる。
思っちゃったからしょうがないコーナー
30歳の千代役、杉咲花さん。23歳。
15歳の寛治くん役、前田旺志郎さん。20歳。
わずか歳の差は3歳。
演技でここまで歳の差を感じさせない説得力のお芝居ができるのは流石です。
前作「エール」の母、二階堂ふみさんと娘、古川琴音さんも歳の差は2歳。
本当に凄いものです。
「人生、下り坂最高!」
プレミアム放送後の「こころ旅」での火野正平さんの名言です。
「おちょやん」の登場人物たちはほぼ全員が辛い人生の下り坂を経験しています。
さらに共通するのはその下り坂を経験して、役者としても人間としても成長していることです。
ただ駆け上がるだけではなく下り坂で艱難辛苦を経験することも人間としてまた必要なことですね。
そこから目を背けたテルヲもそうですが、ソ連に入ってしまった高城さんと小暮くんも成長するきっかけとして捉えられなかったのは非常に残念です。
おかげでこれからが一気にハードモードになるでしょう…。
ここまでの人生超絶ハードモードを経験したら大抵の人は心がバッキバキに折れてしまいます。
改めて千代と一平くんの心の強さを実感しています。
自己開示をして寛治くんの心の拠り所になる。
一方的な見え見えの優しさよりも気兼ねないいつも通りの日常。
取り作る表情よりも素直な感情表現。
「いつも通り」何よりも寛治くんの心のリハビリになるでしょう。
そしてこれから突入する苦しく辛い時代。
育んできた絆の真価が問われます…。
千代「どんなに逆立ちしてもあんたのお母ちゃんにはなられへん・・・・・・・でもあんたのことは心配やねん・・・・・・・・・。」
立派に大阪のおかあはんでんな。