2021年4月8日(木)第18週「うちの原点だす」
あらすじ
昭和20年(1945年)8月15日。日本の敗戦によって戦争が終わりました。父の戦死は無駄死にだったと嘆く一福に千代は言いました。一福が戦ったのはみつえと一福を守るためだった。だから、みつえと一福が生きていることを一福は喜んでいるはずだと。
千代は、自分の原点である『人形の家』のセリフを繰り返し口にして、再び自由に芝居ができる日がやってくる喜びをかみしめていました。一方の一平は、千代には行き先を告げずにある場所に足を運びました。
その五日後、一平は千代を稽古場に連れて行きました。そこには一平たちが呼び寄せた元家庭劇の座員たちがすでに集まっていました。座員たちに一平は告げました。道頓堀には劇場がない。だから日本中をまわって芝居を再開しようと。
家庭劇の再始動を目指して第一歩を踏み出そうとする一平に千代は頼みました。福富の跡地で芝居をやりたいと。福富の跡地で芝居をする目的。それはみつえを励ますためでした。そして千代は寝込むみつえに、芝居を見にきてほしいと頼むのでした。
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予習レビュー
ようやく戦争が終わりました。
同じ時期、前作『エール』の裕一くんは罪の意識に苦しんでいましたが、千代ちゃんには明るい明日しか見えていません。
そして裕一くんが再始動するまでにはずいぶんと時間がかかりましたが、一平くん率いる鶴亀家庭劇は早くも再始動の準備を開始。
ちなみに次週は終戦から三年が経過した頃が描かれます。
なので終戦後の物語はテンポ良く進んでゆくことが予想されます。
日に日に日差しが明るくなる季節。
元気をもらえるような、復興が明るく描かれるドラマが最後まで続きますように。
感想
前回は『おちょやん』始まって以来もっともつらい回となりましたが、夜明け直前が最も闇が深いという言葉の通り、ようやく夜が明けました。
傷だらけの夜明けではありますが、明るい未来を信じられる時代になりました。
一平くんの立ち直り
百久利が戦死して以来荒れていた一平くんが、実に晴れやかな表情を見せました。
顔は荒れていた頃に喧嘩をした怪我が残ったままでしたが、それとは裏腹に表情は実に晴れやか。
傷だらけからの再生の時代の象徴のようでした。
一福くんの立ち直り
みつえちゃんはまだ落ち込んだままですが、一福くんは立ち直りを見せ始めました。
千代ちゃんの言葉が心に響いたのでしょうか。
焼け落ちた福富楽器店の跡地からトランペットを見つけ出す一福くんの姿がまぶしかった。
これから始まる明るい時代の象徴のようでした。
千代ちゃんの立ち直り
今回はまだ、いつもの千代ちゃんらしさは失せていました。
しかし、二人の男の立ち直り以上の元気な立ち直りを次回には見せてくれるものと期待しています。
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「感想」欄に、焼け跡地からトランペットを見つけ出した、とありますが、
トランペットは最初から、みつえの枕元の机の上に置いてあります。
そもそも、大事なトランペットを疎開地に持っていかないはずがありません。
ブログ主様
一福くんは焼け跡からトランペットを見つけ出したんではなく、みつえちゃんの枕元から持ち出してますよ。ケースが空でしたから。楽器吹く身からすれば「ケースごと持ってけ!瓦礫の上に置いたら傷つく!」てなもんですが。
それはいいとして、何度も練習を嫌がっていたトランペットを吹こうとする一福くん。お父ちゃんのことを感じたかったのでしょうねえ。
一福君が福助君の形見のトランペットを…。
一福君、幼い頃に福助君に無理矢理トランペットを押し付けられて以来、福助君と会話する場面が少なかったので、この時から福助君に対して蟠りを持っていたのかも知れないと思っていました…。
なので、自らトランペットを手に取った一福君には目頭が熱くなりました…。
かつての一平君は芝居がやりたくないからと仮病を使い、一福君はトランペットが嫌だと福富に逃げ込んだ。父が亡くなることで一平君は芝居と向き合う気になった。今日の一福くんの姿がかつての一平君そのままです。幼い一平君にアシストをしてくれたのはお家さんでした。今後千代ちゃんは一福君にとってのお家さんとなれるでしょうか。懸念されるのは、まだ気持ちの整理がつかないうちに2代目襲名などと言い出した大山社長の様な事が起こらないか。あれで一平君は、すんなり受け入れ難い事からしばらく逃げてしまいます。一福君に対して、御寮さんなら「福富を継がなあきまへんのやで」と、重荷を次々重ねる事にならないか心配です。
千代ちゃんの原点は「人形の家」だったんですね。女優として復活していく。
その過程が将来に、もう一度来るんでしょうね。
戦争が終わった!
みんな、集まった!
劇団復活だ!
全国行脚だ!
交通費は?
( ̄▽ ̄;) ( ̄~ ̄;) ( ̄□ ̄;)!!
みつえも復活するか?
篠原さんゆずりの、気の強いところを見せておくれ!
ヾ(・◇・)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ(・∀・)ノ
(-A-) (-A-) (-A-) ← ざっくぅ
おしまい
敵機の飛んでこない青空、失ったものはどうしようもなく大きいけれど、これから穏やかな一日を過ごせるのですね。
いなくなった人、残された人、さまざま。でも少しだけ前を向いて立ち上がれそうな朝でした。
「芝居はどこでやるかやない。誰がやるかや。」千さんかっこいい。
来週が三年後ということは、やはり寛治君は帰国に苦労したようですね。満州での寛治君とヨシヲ君の関わりも気になりますが、果たしてヨシヲ君も再び本土の土を踏めたのか。心配です。マインドコントロールが溶けて呆然自失の一福君、千代の言う通り、うちの父もそうだったけど家族を守る為に戦争に行ったと。そういう人達は案外多かったような気がします。もともとこの戦争に対して懐疑的だった一平、千代夫婦、鶴亀家庭劇の人たちは芝居がよりどころであることもあって立ち直りが早かったです。
一福くんの「嘘つき」。家族を失った者としてとても重い。
「あたしら国民にはなんのことわりもなく、日本のためだ天皇陛下のためだと勝手に戦争をはじめておいて、こんどは日本は戦争に負けたから忍びがたきを忍び、たえがたきをたえて頑張れだって。ええかげんにしてほしいよ」
はだしのゲンの主人公の母、君江のセリフです。
結局この戦争は何だったのか?
自分に何ができたのか?
そう思う人が続出したでしょう。