2021年4月30日(金)第21週「竹井千代と申します」
あらすじ
当郎と長澤が相次いで千代を訪ねてきたものの、千代はラジオドラマへの出演依頼を断りました。しかし長澤が去り際に長澤が口にした言葉が千代の心を動かしました。数日後、千代は出演を引き受ける決意を固めました。
NHKから自宅に脚本を届けられた千代はその日から夜を徹して一人で稽古を始めました。そして昭和26年(1951年)3月。ラジオドラマ『お父さんはお人好し』の最初の顔合わせの日を迎えました。
その日の朝、栗子があるものを千代に贈りました。それは、千代が駆け出しの女優の頃から何者かに贈られ続けてきた花籠でした。栗子は千代に告げました。千代の芝居を見るのが自分の生き甲斐だったと。
そして迎えた最初の顔合わせ。当郎は関係者たちに千代を紹介しました。久しぶりに人前に立つ緊張しながら挨拶をしました。役者をやめるようなことは二度としないと。千代は役者として出直すことを自分自身に誓うのでした。
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予習レビュー
当郎さんは千代ちゃんへの出演依頼を断られてしまうものの、どうやら千代ちゃんと当郎さんの会話の一部始終を脚本家の長澤氏が聞いていたようです。
どのような状況で千代ちゃんと当郎さんの会話を聞いたのか詳細はまだ不明です。
これはブログ主の推測ですが、喫茶店かどこかで当郎さんが千代ちゃんに出演を懇願するものの、千代ちゃんは得意の「ほげた」で上手に交わす。
そんな二人の会話を隣の席あたりで聞いていたのが長澤さん・・・
ということは、前回に描かれるはずの千代ちゃんと当郎さんの会話は今週の見どころの一つかもしれません。
防空壕の中以来の二人の掛け合い漫才を楽しむことができそうです。
それはさておき、千代ちゃんはラジオドラマへの出演を最終的には引き受けるのでしょう。
いよいよ千代ちゃんの女優として新たな一歩が始まりました。
しかし『おちょやん』は残すところあと二週、10回しか放送がありません。
感想
謎だらけの一週間
前週、すべてを失ったかに見えた千代ちゃんが、自分の人生とそして家族を取り戻す一週間が終わりました。
あの栗ちゃんとの共同生活から始まった今週。
さらにそこには謎のチビ千代ちゃんもいる。
そして少しづつ明かになる、栗ちゃんとチビ千代ちゃんの謎と、千代ちゃんが栗ちゃんとの共同生活を始めるようになった経緯。
『おちょやん』始まって以来、謎だらけの一週間でした。
そして、その謎だらけの一週間の最後に、栗ちゃんが千代ちゃんを救った理由が明かになりました。
さらに、千代ちゃんが京都で女優業を始めた頃から贈られ続けてきた花籠の贈り主も明かになりました。
千代ちゃんの完全な復活
かつて、一人ぼっちになったことを嘆く千代ちゃんの心を救ったのは一平くんでした。
その一平くんの仕打ちによって、千代ちゃんは再び一人ぼっちになり、女優の仕事まで失ってしまいました。
そんなどん底からの再生の物語。
家族と呼べる人を二人も取り戻し、そして女優業をも一生の仕事として取り戻した千代ちゃんの気張りすぎの「竹井千代と申します!」に千代ちゃんの復活を確信できました。
でも、千代ちゃんが失ったものが、まだ一つ残っています。
心の故郷である道頓堀です。
道頓堀を取り戻したときが千代ちゃんの完全な復活なのかもしれません。
残り二週間、最終週にはその瞬間を見ることができますように。
お詫び
今週は多忙を極め、当ブログを更新するのが手一杯の状態が続いていました。
次週はゴールデンウィークですが、ブログ主には休日がありません。
いただいたコメントへの返信ができず申し訳ない気持ちでいっぱいです。
『おちょやん』最終回までお付き合いいただければ幸いです。
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「ちょっと、ええか」「これ、どないしたんだす?」2人のやり取りの直後に、千代ちゃんが花籠を贈られた場面の回想。
画面の前で固唾をのんで見ていました…ここで、花籠の贈り主が判明する…と思いながら。栗子さんが「あんた宛に届いている」と言う展開も可能性として考えていました。(もしこちらだったならば、朝蔵さんが以前指摘されていたように贈り主は熊田さんの可能性大だったでしょう)
回想場面の後、「名乗らん方がええて思てたんやけどな」← この瞬間、第一週からのロングシュートが鮮やかに、ゴールポストのど真ん中に決まったな~!と感じましたね。\(^o^)/
本作の放送第一週の時期に、宮澤エマさんが『ごごナマ』に出演されていたのは…今思えばそういう理由だったという事で。(^^)
テルヲだけはホンマにしょーもないと
思う人も多いと思いますが、結局、
千代ちゃんと栗子さんを繋げてくれたテルヲ、
グッジョブ!と思ってしまいました。
朝蔵さん、お忙しい中blogの更新ありがとうございます。
これまでの流れとはまるで違う空気感。
今までのグダグダ(失礼)も、この1週間のためにあったのかも?とさえ思ってしまいました。
求めていたのはこれと感じて、ついコメントしてしまいました。
寄り添い合うように一つの卓袱台を囲む千代ちゃんと栗子さん・春子ちゃん…。
一家団欒の風景ですね…。
コロナ禍で三密の回避が叫れていますが…。
本来、“密”っていいものだったのですね…。
「ほげたが達者」は、話術に長けているというよりも口が上手いから良い訳や言い逃れ、口ごたえが達者という、良い意味ではないですよ。その結果、とんちが聞いた言い逃れで相手があきれたり、失笑(我慢できずに笑うこと。冷笑ではない)したりすることもあります。でも、そこには掛け合い漫才のような意味はないです。
考えてみれば、栗子さんが出て来る必然性はあったのですよね。
史実ではリアル千代ちゃんは晩年姪と過ごしたので、ヨシヲは子どもどころか
結婚もせずに亡くなったので、姪と言えば栗子さんの孫しか考えられず、
千代ちゃんが栗子さんを探すはずもなく、栗子さんからアプローチしたとしか
ありえない。
栗子さんも幼い千代ちゃんを見捨てたけれど、チビ千代ちゃんと暮らすことで
こんな生活もあったかもしれないと思ったのでしょう。その意味で、チビ千代ちゃんの
再登場も必然なのでしょう。
マットン婆さんも壮大なネタ振りだったのですね。なんとなく、最終回当たりで
栗子さんに向かって、「お母ちゃん」って呼ぶ様な気がします。
愕然とした天海祐希さん、「私の出番は、どうなったの!」と言ってるようでしたね。
最後のお芝居を観ていた、それは当たりでしたが、春子ちゃんのお世話をお願いするためじゃなくて、千代ちゃんのお芝居を観ることがずっと楽しみだったからだったとは。
千代ちゃんが泣き出してしまったとき、事情はわからなくとも心配になって、楽屋を訪ねるかして「もう帰った」千代の家を教えてもらって、それで…だったのかな。決して豊かでもないだろうに、汽車に乗って道頓堀まで時々見に行くのは、大変だったろう。それほどにファンだったのに、ずっと名乗らず(金をせびりに行った父ちゃんとは対照的)千代ちゃんが自分の家に居たくないほどに傷ついたのを見て、黙って居場所を与えたとは(一平のぼけなすのしたことは、お家を聞くときに教えられたのでしょうか)
一平が教えたのは自分のために演じるということ。自分の苦しみは自分にしかわからない。だから演じてみんなに笑いと涙の紙一重を感じてもらう。
確かに、脚本を書く一平にとって、芝居は最後はそういうものだったのでしょうが。
でも、栗子さんは、芝居を観る人にとってのお芝居を思い出させてくれました。
みんなが待ってる。みんながいっしょにいる。だから演じる。
だよね、千代ちゃん。
これこそ竹井千代の再生ですね。本当の。
「これで二度目。うちはまたひとりぼっちや」と泣いた先週が回収されました。栗子さんがこんなキーマンになっているとは、すごいです。
千代ちゃんと栗子さんの人生が表と裏で、演じる側と見て励まされる側とで、ずっとつながっていたのか!
よもやよもやの栗子さん!「紫のバラの人」だったとは。
ほんの数日だけのかりそめの親子でしかなかったのに。
今週で一気に栗子株が爆上がりしましたね。
しかも、女優復帰を決意するまで何も言わずに見守って。
もう大丈夫と確信してからのネタばらし。
まさか、栗子さんで泣かされるとは思いもしませんでした。
ヨシヲ君は立ち直って、姉やんを信頼して寛治君を助けて
送り出してくれたけれど、テルヲ一人がどうしようもなかったですね。
栗子さん!
あなたという人は?
あなたという人は!
ず~っと、千代ちゃんを見ていて、
ず~っと、千代ちゃんを支えていたんだね!
大昔の悪行は許しまふ!
ヾ(・◇・)ノ ヽ( ̄▽ ̄)ノ ヽ(・∀・)ノ
(-A-) (-A-) (-A-) ← ざっくぅ
おしまい
お花、栗子さんだったか。
お話のスタートは、敵同士の千代ちゃんと栗子さんだったけど、人生の晩年にこんなに分かり合える2人になるなんて…感動しました。
おばあちゃんとは言えないお肌ツルツルの綺麗なエマさん、でも、その所作と声質でおばあちゃん好演してますね。
千代ちゃんの目に輝きが戻って、さ、これから巻き返し。最終盤がめっちゃ楽しみです。
それにしても天海祐希さんの使い方、ホンマに贅沢やー(笑)
花籠の贈り主は栗子さん!
またしても予想を外してしまいました(苦笑)
でも、とても幸せな外れ方でした
最初最大の敵が最長最大の味方!見事な伏線回収です!
四宮君、箕輪さんお気の毒様。祝、竹井千代女優復帰、失われた家族も取り戻しつつあります。あとは良い事だけ起こってくれたら良いなあ。花籠の人やはりあの人でした。栗子さん,血は繋がっていないけど母親でした。
花籠の謎がついにわかりましたね!
懺悔の気持ちが応援となり、どん底だった千代を助けることになりました。
40年、千代を慎ましく影から応援していました。
すぐにでも直接会い、懺悔し、励ましたかったはずです。
それでも立ち直ることを信じて自らを押し殺して見守り続けた。立派な方です!
今作では血の繋がらない者同士の家族の絆をよく描いています。
とはいえ寒々としたものは感じず、心温かな物語となっており、流石と感じています。
栗子「こっそり・・・・・あんたの芝居を観るのが・・・・・・生き甲斐になった・・・・・・・。」
花を贈ってくれてた人がこの人だったとは・・・・・・。
字が読めない、三味線弾くだけの人が、テルヲと離れて、子供を育て、その子が所帯をもって子供を産む。
これって、結構大変なこととおもいます。字が読めないことは、就職するにも誰かの紹介がないとそうそう出来ません。
それと、栗子さんが千代を見つけた場所って、小さいときに岡安追い出されたときに見つけられた(あの時も雨だった)場所のように思うんですが、栗子がその場所を知っていたのか不思議です。
おそらく、春子の両親を奪った空襲が、京都の馬町空襲か、西陣空襲であれば、京都にも縁がある、宗助か大山社長・熊田の線で、テルヲから逃れ、京都に暮らしていたというストーリーが成り立ちます。そして、そうであれば、栗子が出奔した千代の情報を得たルートも見えてきます。宗助、大山・熊田であれば、口が固くて、栗子のところにいることを黙っている可能性もありそうだし、「京都に息子と住んでいる」なってリークであるが、半分虚偽の情報をNHKに寄せる展開も有りかなと。(いずれも、舞台に戻ってきて欲しい人ですから)
さあ、のこる謎は回収されるのでしょうか。
「ほげた」は、単なる口答えではなくて、
確かに誰か見ても口答えではあるんだけど、その内容を精査すると、なぜだか聞く人を少しだけクスッと笑わせる、なごませる、癒やす、そんな卓越した口答えのことを言います。
具体例を挙げられなくて申し訳ないんですが、誰にでもできることではないということは確かです。
「ほげた」は共通語で一番近いのは「口ごたえ」です。「ほげたが達者」は口ごたえばかりする人ということなので、当郎との会話で「得意のほげたで上手くかわす」の意味が僕にはよく分からないんですが。
関西人、初投稿です。
「ほげた」は頬骨を意味する頬桁(ほおげた)から転じたものらしいです。
なので「口ごたえ」というよりは「口」そのもので、「ほげた達者」で「口が達者」というニュアンスが近いように思います。「得意のほげたで上手くかわす」なら「得意の弁で上手くかわす」くらいでしょうか。
「ほげた」は関西でもいまは使わないですね。
それでも『おちょやん』で「ほげた達者」と聞いてすぐ意味を察することができるので、上方落語とか昔の人と話す機会に聞いて耳が慣れているせいかなと思います。