ごちそうさん 66話 和枝嫁ぎ先の農家へ発つ

NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ごちそうさん』
2013年12月14日(土)放送
第11週 第66話 「大嫌いっていわしたい」

『ごちそうさん』第11週 第66回「大嫌いっていわしたい」あらすじ

和枝はめ以子に告げました。どうしてもめ以子を好きになることが出来ないと。め以子は困惑しながらも答えました。料理を通して食べる人への心遣いが出来る和枝が好きだと。そんなめ以子の言葉に対する和枝の反応は、め以子を心の底から驚かせるものでした。

これでもまだ好きだと言えるのかと言うや否や、和枝は身重のめ以子を突き飛ばし転ばせようとしたのです。観念しため以子は言いました。家を出て行って下さいと。その言葉を聞いた和枝はようやく安堵の表情を浮かべるのでした。

ほどなくして和枝は、倉田の勧めで農家に嫁ぐことになりました。そして、和枝が嫁ぎ先の農家へ旅立つ日。駅へ向かう和枝の行く手にめ以子が姿を現しました。め以子はこれからも和枝を好きであり続けると、め以子なりの和枝への「いけず」を宣言しました。

一方の和枝はめ以子の「いけず」を受け入れると応えました。それはめ以子と和枝の二人が分かり合えた瞬間でした。和枝が嫁ぎ先に旅立ったその日、地震が発生しました。その地震は、後に「関東大震災」と呼ばれる大地震でした。

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『ごちそうさん』第11週 第66回 再放送レビュー

2016年12月17日(土)放送

正直言うと本放送の時に、今回描かれた和枝姉さんとめ以子の今回の落着の意味するところがよくわかりませんでした。当時にレビューを読み返してみても、よくわからないことをごまかすような記述に終始しています。

今回、それがついにわかった!とまでは言いませんが本放送の時よりはかなり明瞭になったと自分で思っています。

和枝姉さんにとって、め以子が自分に寄せる好意は苦痛以外の何ものでもなかった。め以子が自分に好意を寄せるほどに自分の醜さや小ささが身にしてくるからです。

かつて姑にイケズをされて和枝姉さんはそれに負けた。今、和枝姉さんはめ以子に対して同じことをしているのにめ以子は負けない。

幼い頃から自分の優秀さを自負していたと思われる和枝姉さんにとっては、め以子に寄せらる好意、別の言い方をすると決して負けないめ以子の強い姿は自分をますますミジメにするだけです。

だから、め以子から嫌われめ以子に追い出されることが和枝姉さんにとっての救いでした。め以子も、今の和枝姉さんにとって何が一番の救いになるのかがやっとわかりました。

め以子が自分を嫌ってくれれば、自分の醜さが際立たずに済む。そんな和枝姉さんの本心を知ったことはめ以子にとっても救いでした。

め以子は考えたのでしょう。自分はこれまで通り和枝姉さんに好意を寄せても構わない。何故ならそれが和枝姉さんへのイケズになる。和枝姉さんから受けたイケズへの報復になる。イケズへの報復であれば和枝姉さんも安心するに違いないと。

そしてめ以子が宣言する。自分が和枝姉さんのことが好きなのはそれが和枝姉さんへのイケズだからだと。

その瞬間、心が通い合っため以子と和枝姉さんの晴れやかな表情。すべてを察したかのような懐の深い倉田はんの、め以子の肩ポンポン。

改めて『ごちそうさん』は大人のドラマだと思いました。

『ごちそうさん』第11週 第66回 「大嫌いっていわしたい」感想

ついに和枝姉さんが去って行きました。「どうしても好きになれへん」は、やはり愛情の裏返しだったようです。嫌いなままでは、和枝姉さんがあんな晴れやかな笑顔で去って行くことなどできないでしょう。

また、愛情は裏返しにしたほうが和枝姉さんには伝わりやすいと察したのか、め以子はこれまで素のまま出していた愛情を「いけず」に裏返して伝え、和枝姉さんもそんなめ以子の気持ちをしっかり受け止めてくれました。

和枝姉さんがぬか床を地面に叩き付けたのも、め以子の裏返しの愛情に対して裏返しの愛情で応えたということでしょう。いきなりの「暴挙」に倉田のおじさんは目を白黒させてましたが、め以子は嬉しそうでした。裏返しされた和枝姉さんの愛情がめ以子にも伝わってきたのでしょう。

ただ単純に仲直りで終わらせるような綺麗ごとで落着させず、ひとひねりもふたひねりも効いた大人の仲直り。さすがの森下脚本にネット上でも「決着の付け方が素晴らしい」「私達、今凄いものをみてる」と大絶賛のコメントが並びました。

登場人物たちの人間関係がいともたやすく壊れたり修復されたりする安直というか残念なつくりのドラマや映画が多い昨今、本物の風格を持ったドラマに出会えて大満足です。

話しがそれますが、め以子に「出て行って下さい」と言われた和枝姉さんが「わてを追い出すんは、あんさんや」と言い返す場面を、一部の方は笑いで受け止めたみたいです。

「わてを追い出すんは、さんや」

さて、最後に地震が発生しましたが、来週は関東大震災後のお話です。

また、『ごちそうさん』第1話が終戦直後の焼け跡からはじまったこともあり、後半の『ごちそうさん』は震災→戦争と暗い世相が続くのではないかと懸念する声がネット上に数多く書き込まれています。

来週は震災直後の週ですが、再来週・2013年最終週の時代はまだ大正12年。この週も号泣週となることでしょう。

来年からどうなってゆくのか、現段階では何も発表されていませんので、確かなことは言えませんが、関東大震災による人口の流入やそれ以前の市域拡張も重なり、大阪は「大大阪時代(だいおおさかじだい)」と呼ばれる大変華やかで豊かな時代を迎えます。

来年2014年秋スタートの朝ドラ『マッサン』のヒロインのご主人は、この「大大阪時代」の大阪で青春を謳歌し、当時、流行しはじめた洋酒の美味と贅を追求していたことからも、その頃の豊かさが窺い知れます。

『ごちそうさん』2014年放送回の、少なくともはじめのうち、すなわち1月放送回は、モボ・モガが闊歩し、悠太郎の本領が発揮される近代建築が華開いた黄金時代を楽しめるのではないかと期待しています。

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4 Responses to “ごちそうさん 66話 和枝嫁ぎ先の農家へ発つ”

  1. たいとうみほ より:

    「あんさんを好きになれへん」
    その背後に「あなたにはどうしても勝てない」という
    悔しさが含まれているのでは?と思えました。
    め以子が寝込んだ1週間、行動だけでも
    め以子の真似をしようと努めても心が付いてこなかった。
    何より、め以子がそうしているように
    め以子に対して「スコッチエッグの作り方を教えて」とは
    和枝姉さんは絶対に聞けないでしょう。
    子供の頃からしっかりしたいい子だと言われて
    長女として親の期待に応えるようしっかりしなければ
    そしてかつて倉田さんに言われた
    「苦しくても看板下すな」が
    みっともない姿を人に見せてはいけない、に意味が変化していき。
    そんな思いこみがこびりついて
    今更ほかの価値観で生きる事ができないのでしょうね。
    とりわけ「しっかりした西門家のお姉ちゃん」を
    知っている人々の中では。
    そんな和枝姉さんには
    「跡取りを生んで強くなった嫁に追い出される」が
    1番受け入れやすい、みっともなさ最小限の
    西門家の去り方だったのでしょうか。
    め以子もまた、心ならずも声を絞り出してたんですね。
    言えと言われている空気だから
    やむを得ず言うんだ、という感じで。

    今日の最後に落下した包丁に胸が痛みます。
    包丁はめ以子にとって先生の象徴でしょう。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > あなたにはどうしても勝てない

      子供の頃から優秀、別の言い方をすると子供の頃から勝ち続けてきた和枝姉さんにしてみれば勝てないことが悔しくてならなかったんでしょうね。前回の大粒の涙は悔し涙に違いありません。

      だからめ以子に「報復」されることで勝敗がなくなり救われた。そう言うことかなと思いました。

      > 今日の最後に落下した包丁

      言われてはじめて気がつきました。恩師の死のフラグがこんなところに立っているなんて。

  2. ※ 良子 より:

    毎日 見て居ます が 長女の和子さん の気持ち 良く今まで、西門家
    の、メンツを保ち 複雑な状況を、嫌われながら、大阪の仕来たりと
    経済の為 家を守り切って来た事、小説とは言え、共感致します。
    これから お母さんの 静さんと みんな、又 のり子ちゃん どう
    成って行くのか、面白いですね。

    • hublog より:

      コメントありがとうございました。
      この一週間で、西門の家族が徐々にですが心を通い合わせるようになり、これからどのように家族としてまとまってゆくのか、楽しみですね。
      今後とも当ブログをよろしくお願い致します。

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