ごちそうさん 146話 桜子の策略、室井と和解

連続テレビ小説(朝ドラ)『ごちそうさん』
2014年3月25日(火)放送
第25週 第146話 「とんだごちそう」

『ごちそうさん』第25週 第146回「とんだごちそう」あらすじ

ついに室井のファンを名乗る女性・路代が、め以子の蔵屋敷に姿を現しました。美人の路代を前にして鼻の下を伸ばす室井。助平丸出しの室井の体たらくに、静たちは蔵座敷は今日から連れ込みになったと呆れ果てていました。

しかし、そこに突然、桜子がやって来ました。め以子が蔵座敷に招き入れると、あわてふためく室井は路代を追い出してしまいます。しかし、路代とのこれまでの文通はすべて、傑作を室井に書かせるための桜子の策略だったのです。

室井と桜子は涙ながらに仲直りし、その姿をそっと覗いていため以子ももらい泣き。そして、桜子との再会を喜ぶめ以子でしたが、苦しい胸の内を桜子に明かすめ以子。泰介と静もそんなめ以子の気持ちを案じていました。

桜子が「うま介」の店の手伝いを再びはじめ、店の中が明るさを取り戻したある日、啓司と諸岡が泰介のもとを訪ねて来ました。何かに怒り心頭になっている啓司と諸岡は、激昂しながら泰介に訴えました。「GHQと断固戦うべきや」

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『ごちそうさん』第25週 第146回 再放送レビュー

2017年3月21日(火)放送

再放送ではじめて気が付きました。戦後、登場人物たちが一人また一人とドラマの中に戻ってくる中で、一番はじめに戻ってきたのは室井さん。

全焼した西門家での再会でした。

そして、それに引き続いて一人づつ戻って来る中、悠太郎を除いて一番最後のカムバックは今回再登場の桜子さま。

戦後の最初と最後の再会を飾るこのお二方。思えばめ以子に人生、め以子と悠太郎夫婦にとってとても重要な人物です。

桜子さまがめ以子の背中を強く押したからめ以子は悠太郎を諦めずに済み、室井さんの「結婚とは米」発言がめ以子は見合いを思いとどまることが出来た。

そんな重要な二人を、戦後の再会の最初と最後にさりげなく持ってくるところがなかなか粋だと思います。

そして、この重要な夫婦が再会したことで主要登場人物との戦後の再会は完結。

悠太郎が戻って来た際の野球騒動のフラグがついに立ちました。この野球騒動はまた、米軍憎しのめ以子の心を癒すきっかけにもなる。

緻密に出来た無駄のない作劇術です。

『ごちそうさん』第25週 第146回 「とんだごちそう」感想

室井さんの才能の芽を誰よりも早く見いだし、その才能を伸ばして世に出るきっかけをつくったのも桜子様。そして大作家への第一歩となるそれまでの集大成となる傑作を書かせたのも桜子様。

桜子様、室井さんをどこまで深く理解してるんだとただただ関心し、そしてちょっとばかり羨ましく思ってしまいました。

桜子様、室井の浮気を詰るのかと思ったら、それどころか室井さんにとっては究極の褒め言葉。

「室井さんは大作家になったからこんな手紙書いちゃだめよ」

そしてその後は『阿呆の仏』をこれでもかというくらい褒めちぎる言葉。

「阿呆の仏は本当に面白い。馬鹿馬鹿しくて下らなくて猥雑で、根底に焼け跡を生き抜く人の愛がある、命への愛がある」

室井さんが焼け跡で描く物語をどうしても読んでみたかったと語る桜子様。焼け跡みたいな過酷な状況の中でこそ、室井さんの才能は最大限に発揮されると、そこまで理解しているなんて。

室井さんと桜子様の仲直りの後に、お静さんが泰介に「人はみんな一人」、だから「腹の底から一つになれる瞬間はごっつありがたいんや」と諭してましたが、室井さんと桜子様の仲直りこそがまさに「ごっつありがたい」瞬間でしたね。

いいもの見せてもらいました。

話し変わって、馬鹿馬鹿しくて下らないことですが、室井さんがきれいな路代さんと蔵座敷でいちゃついている現場を覗き見する泰介が妙に笑えました。いつもの生真面目な泰介らしさが全然なくて。

覗き見する格好悪い後ろ姿も実に滑稽。そして、その泰介をデコピンするめ以子にちょっとひと安心。ここ最近、泰介がしっかりし過ぎて母と子の立場が時折逆転して見えることがありましたが、やっぱり母と息子ですね。

泰介が真面目一直線でないということがよくわかり、彼が主役のスピンオフが楽しみになってきました。

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コメント

  1. pochibaba より:

    泰介とお静さんの会話が心に染み入りました。特にお静さんの、「人はみ~んなひとりなんや。それぞれ、勝手がちゃう、理屈もちゃう。せやからこそ、腹の底からひとつになれる瞬間ゆうんは、ごっつう有り難いんやて、わかるんやで。」って言う、この作品を濃縮したようなセリフが、気持ちワルい室井さんの流し目の残像を吹き飛ばしてくれました。

    • 朝蔵(あさぞう) より:

      コメントありがとうございます。

      > 泰介とお静さんの会話

      終戦直後だったか、和枝姉さんがめ以子に女は一人で食事出来るようにならなければならないと言ってましたが、その時の和枝姉さんの言葉に通じるものがありますね。

  2. 祥子 より:

    あほうの仏を書かせるために室井さんを突き放した。やはり、桜子さんは、よく理解していたんですね。しかし、猥褻という言葉が飛び出しましたが、あほうの仏ってどんな文章だったのでしょうか…。

    お静さんの台詞、人間は一人、的を得ています。近いからこそ家族には本音を言いにくいものですよね。親友はありがたいし、だからこそ、家族と理解し合えたら素晴らしいこと。よく出来た脚本、お見事!

    • carina より:

      祥子様
      猥褻(わいせつ)ではなく、猥雑(わいざつ)ですよ。
      みだらで下品、ごたごたと入り乱れたことの意の方です。
      室井さんは「ゲスい」ですが、公序良俗に違反はしていないと思います。
      BS観て、朝観て、ここのサイトを観て、もう一度、夜のBS観て確かめました。
      私って暇人ですね(ははは)。

      • 祥子 より:

        失礼致しました。指摘して頂いてありがとうございます。どんだ間違いをするところでした。申し訳ありません。丁寧に教えて頂き、ありがとうございます。どうも耳がおかしくなっていますね。年のせいかな。

    • hublog より:

      コメントありがとうございます。
      良き理解者を得た芸術家は幸福ですね。桜子様の叱咤激励によって室井さんが「文豪」と呼ばれるまでのスピンオフなんて面白いかも知れません。