2025/9/24(水)最終週/第26週「愛と勇気だけが友達さ」
あらすじ
ある日、テレビ局のプロデューサー・武山恵三が嵩を訪問。アンパンマンの世界に心から魅了されている武山はアンパンマンのテレビアニメ化を提案。しかし嵩は、アンパンマンを傷つけられたくないという理由から断りました。
あきらめきれない武山は数日後にもう一度やって来ました。そのとき嵩は不在でした。武山が作り直した企画書を受け取ったのぶは嵩に言いました。アンパンマンを尊敬している武山ならアンパンマンを預けていいのではないかと。
のぶの言葉を聞いた嵩はその場ですぐに武山に電話しました。武山のこともテレビ局のことも信用していないが、自分はのぶを信用している。のぶを信じて、アンパンマンのテレビアニメ化を受け入れると。
嵩はテレビアニメの主題歌の作詞も担当することになりました。嵩はさっそく主題歌の歌詞を完成。書き上げた歌詞をのぶに見せると、のぶは涙を流して感激しました。それから二年ほど経過した昭和63年(1988年)秋。アンパンマン放送開始の日は近づいていました。
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感想
早過ぎたアンパンマン
今回は、緊張のあまり「アンパンマンと申します」と言ってしまった人の良さそうな男性の場面の続きから。
その男性の名は武山さん。
武山さんがアンパンマンのテレビアニメ化を提案する場面は省略し、企画書を手に持ち嵩くんが結論を告げたのが今回の冒頭。
あまりに乗り気とは言えない表情を浮かべる嵩くんはきっぱりと断りました。
かつてもテレビアニメ化の提案はあった。
その際にアンパンマンが悪役をコテンパンにやっつける設定にしてほしいという要望があり、その要望を理由にその時の企画は白紙に戻した。
今回の提案も同じような事態が考えられる。
アンパンマンを傷つけられたくないのでテレビアニメ化はお断りする。
テレビ局側の都合で傷つく作家や漫画家がたくさんいるようですが、嵩くんは傷をつけられことを未然に防いでいたらしい。
当時はまだ昭和です。
昭和のテレビドラマやテレビアニメといえば善と悪の区分けがはっきりしている勧善懲悪ものが主流でした。
一部例外はあったものの、例外は本当にわずか。
当時のテレビ局の人、とりわけ組織の上層部の人たちの頭の中は勧善懲悪の成功体験でいっぱいのはずです。
嵩くんの「善と悪が拮抗する」なんていう複雑な考え方は当時の中高年以上の特に男性には理解しがたい考え方だったかとも思います。
そんな時代にあって今から考えるとアンパンマンは早過ぎました。
嵩くんも、いわゆる早過ぎた天才というやつです。
なので最初のテレビアニメ化の提案の際は、昭和の勧善懲悪脳の人たちと早過ぎた天才のギャップが埋められなかったのでしょう。
武山さんがおいくつかなのか定かではありませんが、お子さんは未就学児童との由。
ということは20代後半から30代半ばといったところでしょうか。
だとしたら昭和30年代生まれ。
勧善懲悪のドラマやアニメを見て育った世代です。
ただし、勧善懲悪のドラマやアニメを制作したことによる成功体験は年齢から考えてもあまりないはず。
過去の成功体験にしばられることなく、昭和の終わり頃、あるいは平成の子供たちが求めていることに柔軟に対応できるのかもしれません。
そして、そんな武山さんは「時代が嵩くんに追いついたことを示すシンボル」なのかもしれません。
あんパンを配るおんちゃんの絵が生まれてから20年。
アンパンマン、ついにここまで来ました。
そして本作『あんぱん』は残り2回。
『あんぱん』もついにここまで来ました。
アンパンマンの主題歌
アンパンマンの主題歌が完成。
その歌詞は嵩くんがこれまでの人生の中で出会った人々の言葉で埋め尽くされていました。
もちろんアンパンマンの歌詞から逆算して本作のセリフが作られたからそうなるわけです。
しかしそんな作劇の事情が分かっていても、嵩くんの人生の集大成のような歌詞にグッときました。
線路で寝た日のことも回収されたような気がします。
戸田恵子さん
久しぶりにクレジットに戸田恵子さんのお名前。
薪先生が再登場するのかと思ったらアンパンマンの声優さんの吹き替えでした。
声優さんは別の女優さんが演じ声だけ戸田恵子さん。
相変わらず芸が細かいです。
予習レビューと史実のリアルエピソード
最終週を迎え、ようやく蘭子ちゃんと八木さんの関係が動き始めます。
蘭子ちゃんの新しい仕事
前々週、蘭子ちゃんはそれまで続けてきた映画評や八木さんの会社の製品の宣伝文執筆に加えて、新たな執筆活動を始めています。
戦争を経験した人への取材を記事にする活動です。
このことを蘭子ちゃんは八木さんには黙って続けていました。
しかし八木さんは蘭子ちゃんの記事を見つけたらしい。
八木さんは蘭子ちゃんの書いた記事を「読み応えのある記事」と高く評価。
ちょっと天邪鬼なところのある蘭子ちゃんは八木さんの褒め言葉を素直に受け取らないものの、そんな蘭子ちゃんに構わず八木さんが言います。
戦争経験者の取材記事の執筆を続けるべきだ。
きっとそれはライフワークになるだろう、みたいにです。
実は、この蘭子ちゃんの新しい仕事。
そして蘭子ちゃんと八木さんのやり取りが、蘭子ちゃんと八木さんの関係の進展のきっかけとなります。
八木さんに太鼓判を押された蘭子ちゃん。
どうやら戦争経験者の取材記事をこれから先も書き続けるようです。
そのことが、蘭子ちゃんと八木さんの関係の進展のきっかけになるんです。
ここまでが前々週です。
そして以下が今週です。
蘭子ちゃんが八木さんに取材
戦争経験者の取材と執筆はライフワークになる。
八木さんからそんなふうに言われた蘭子ちゃんはその後も戦争経験者の取材記事の執筆活動を続けていたようです。
そして蘭子ちゃんは八木さんに取材を申し込む。
八木さんも戦争経験者ですからね。
しかし八木さんは蘭子ちゃんからの頼みを拒否し続けたきたというのが今週のエピソードの前提です。
そんな八木さんが、のぶちゃんと嵩くんの姿を見て考え方を改めます。
のぶちゃんと嵩くんは今でも戦争と向き合い続けている。
一方で蘭子ちゃんの取材を拒否し続けている自分は戦争から目を背けているのではないか。
戦争から目を背ける自分は卑怯者ではないかと。
そのように考えた八木さんはようやく蘭子ちゃんの取材を受けることに。
八木さん、どうやら小倉連隊以前にも戦場に行った経験があるらしい。
そして、その戦場で経験したことが八木さんの心の傷になっていたことが判明。
小倉連隊時代、いつも暗い目をしていた八木さんの知られさる軍隊経験が最終週になって明らかになるわけです。
では八木さんはどんな経験をしていたのか。
詳細は本欄では伏せておきます。
蘭子ちゃんと八木さんの関係
蘭子ちゃんの取材を受けることにした八木さん。
その八木さんの心の傷は思いのほか深かった。
八木さんが心に深い傷を負ったのはもう40年以上も前のことです。
でも八木さんはその心の傷にいまだに苦しんでいたらしい。
蘭子ちゃんの質問に答える中で、戦場の記憶を思い出した八木さんは震えが止まらなくなってしまう。
そんな八木さんをそっと抱きしめる蘭子ちゃん。
蘭子ちゃんの胸の中で泣く八木さん。
そんなまさかの場面が最終週のどこかで描かれるようです。
これで蘭子ちゃんと八木さんの関係が一歩前進。
そこから数年がスキップ。
蘭子ちゃんは数年を経ても戦争経験者の取材と執筆を継続。
それだけでなく、ついに海外の難民キャンプの取材にまで行くことに。
蘭子ちゃんは難民キャンプ行きを八木さんに報告。
報告を受けた八木さんは、蘭子ちゃんにくれぐれも気をつけて取材するようにと告げた上で封筒に入ったバースデーカードをプレゼント。
その封筒の中にはバースデーカードだけでなくあるモノが入っています。
そのあるモノが蘭子ちゃんと八木さんの関係を決定づけるアイテムなのですが、本欄ではこれ以上のことは伏せておきます。
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アンパンマンマーチって三木たかし先生作曲なんだよね、私が好きな石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」「能登半島」やテレサ・テンさんの「愛人」「つぐない」等と同じ作曲者ということが意外ですが、わらべ「めだかの兄弟」と同じ作曲者と言われたら納得してしまいますね
前原滉君「まんぷく」、「らんまん」に次いでの朝ドラ出演。今回は熱意と善意の人。「アンパンマン」のテーマ、子供が小さい時、一緒に見てた時は歌詞を聞き流してたけど、分かりやすいように見えて結構、哲学的な歌詞だったんだな。
嵩「みんなを喜ばせたい・・・・。」
アンパンマンが自分の顔を食べさせるのではなく、バスケット一杯のアンパンを持って飛び回るようになったのはアニメ化されてどのくらいに経ってからでしょう。