2025/9/23(火)最終週/第26週「愛と勇気だけが友達さ」
あらすじ
のぶは写真屋でうれしい話を聞いたと言って、息をはずませながら帰ってきました。一方、アンパンマンには何かが足りないと感じていた嵩は、それが何かに気づき描き始めました。それは愛すべき悪役「ばいきんまん」でした。
その後「ばいきんまん」は子供たちの間で人気のキャラクターになりました。そんなある日、蘭子は嵩にばいきんまんが生まれた理由を尋ねました。嵩が蘭子に答えるのを横で聞いていた八木は、嵩の答えに押し黙ってしまいました。
嵩が帰ったあと、八木は蘭子に告げました。断った取材を受けると。そして始まった蘭子による八木への取材。八木は一回目の従軍での体験を語ると震えが止まらなくなってしまいました。そんな八木を蘭子は抱き寄せました。
一方、嵩はそれ以降も新しいキャラクターを次々と生み出していきました。それから数年が経過した昭和60年(1985年)8月。のぶや嵩が、羽多子、登美子、千代子の思い出話に花を咲かせていると、ある人物が柳井家を訪ねてきました。
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感想
八木さん
蘭子ちゃんに尋ねられ、ばいきんまん誕生の理由を語る嵩くん。
バイキンが絶滅すると人間も絶滅する。
たえず拮抗して戦っているのが健康な世の中だから。
その嵩くんの言葉を受けてのぶちゃんも言いました。
みんなが同じものを見て同じように発想する世の中は危険だ。
私はまわりに流されてその色に染まってしまったことがあるんです。
これら嵩くんとのぶちゃんの言葉を通してわかりました。
のぶちゃんも嵩くんも、いまだに戦争と向き合っている。
戦争に向き合っているというより、戦時中の自分自身に向き合っていると言った方がいいのかもしれません。
そんなのぶちゃんと嵩くんの姿勢を目の当たりにして考え込んでしまう八木さん。
思えばのぶちゃんも嵩くん、ずっと戦時中の経験を引きずっていました。
アンパンマン誕生のきっかけも戦争の経験でした。
そして、嵩くんの周辺の面々も戦争の経験を引きずっていました。
手嶌治虫もそう。
ヤムおじさんもそうです。
ところが、八木さんだけはいつの間にか戦争の話をしなくなりました。
岩男くんの息子さんが来たときが、久しぶりに戦争の体験と向き合った瞬間でした。
八木さんがアンパンマンを語るとき、そこには戦争の影は見えませんでした。
八木さん自身の仕事にも戦争の影は見えませんでした。
そして蘭子ちゃんの取材も拒否し続けていました。
まるで戦争を忘れようとでもするかのように。
実際に忘れてしまいたかったのでしょう。
それほどの過去が八木さんにはありました。
八木さんが軍隊の中で嵩くんと出会った頃、八木さんにはすでに別の従軍体験があったらしい。
中国との戦争が始まって二年目ということなので、嵩くんは健ちゃんと一緒に銀座で浮かれていたころのことでしょうか。
命を奪った敵軍の兵士の財布から出て来たのは、その兵士の妻と子の写真。
嵩くんが軍隊の中で八木さんと知り合ったころ、八木さんはいつも暗い目をしていました。
あの当時すでに八木さんは、一回目の従軍での経験を引きずっていたようです。
その後八木さんは自身の家族を空襲で失いました。
自身の家族を失った経験と、一回目の従軍での経験。
二つの経験が重なり、八木さんは過去を直視できなくなっていたのかも。
そんな八木さんが一番忘れたかった過去と向き合うことができました。
八木さんの中で何かが変わったのでしょうか。
アンパンマンの運命を変える男
今回の最後に登場したのアンパンマンの運命を変える男。
歴史を新たに作る男と呼んでも差し支えない仕事をこれからするその男は見るからに頼りなげ。
自分自身をアンパンマンと名乗ったのは極度の緊張から?
最終回に向けて、何かが動き出す予感をはらんだ終わり方でした。
予習レビューと史実のリアルエピソード
最終週となる今週の最大のトピックの一つは『アンパンマン』のテレビアニメ化です。
あんパンを配る太ったおじさんというキャラの原型が誕生して以来、なかなか日の目を見ることが出来ずにいたアンパンマン。
嵩くんの大事なヒーロー・アンパンマンがついに大ブレイク寸前のところまで来ました。
今週、『アンパンマン』のテレビアニメ化が実現するまでが描かれるのです。
『アンパンマン』のテレビアニメ化
『アンパンマン』のテレビアニメ化を持ちかけてくるのはテレビプロデューサーの武山恵三という人物です。
しかし、どうやらテレビアニメ化を提案されたのはこれが初めてのことではないらしい。
というのも、嵩くんは武山氏からのテレビアニメ化の提案をキッパリ拒絶します。
何故なら、それまでもテレビアニメ化の提案が持ち込まれたものの、テレビ局側から改変が求められたからです。
テレビアニメ化による大ブレイクのチャンスと、自分の作品の価値。
嵩くんは後者を守り抜く選択をし、そのためテレビ局側からの改変を想定して嵩くんは武山氏からの提案も拒みます。
ところが武山氏のアンパンマン愛は本物だったらしい。
売れそうだからテレビアニメ化を提案したのではなく、アンパンマンが好き過ぎてテレビアニメ化を提案します。
武山氏のアンパンマン愛を見抜くのはのぶちゃんです。
のぶちゃんは武山氏のアンパンマン愛を信じることにし、嵩くんを説得。
嵩くんはテレビ局も武山氏も信じないものの、のぶちゃんの言葉を信じてテレビアニメ化を受け入れる。
今週、そんな展開が描かれます。
【史実】テレビプロデューサー
史実で『アンパンマン』のテレビアニメ化を実現に導いた人物の名は武井英彦氏。
ドラマの中に登場するテレビプロデューサーの武山恵三とは名前の最初の一字「武」が一致していますので、実在の人物をモチーフにしているのでしょう。
武井英彦氏は日本テレビのプロデューサーでした。
ある日、武井氏は息子が通っている幼稚園であることに気がつきました。
その幼稚園には絵本がたくさんありました。
そんな中で一冊だけ突出して傷んでいる絵本がありました。
武井氏が、その一冊だけどうして傷んでいるのかと尋ねると幼稚園の先生が答えました。
子供たちの間でその絵本が大人気で、みんながその本を読みたがるので、その本だけが傷んでしまうのだと。
ちなみにこの人気の絵本が『アンパンマン』でした。
幼稚園で聞かされた武井氏は早速『アンパンマン』に次いての調査を開始。
売れそうなものへの嗅覚のするどさ、売れそうだと分かるとすぐに調査を始める行動力。
さすがテレビプロデューサーです。
【史実】『アンパンマン』のテレビアニメ化
武井は『アンパンマン』をテレビアニメ化するにあたり課題となることも理解していました。
アニメを制作するは多額の費用がかかる。
ところが、幼稚向け番組はスポンサーが集まりにくいという厳しい現実がある。
そのため、アニメ制作に必要な資金が集まらないという課題です。
そこで武井氏は、日本テレビの子会社に声をかけることでアニメ制作に必要な資金を集めることに成功。
また、あるアニメ製作会社が『アンパンマン』に注目していることを聞きつけた武井氏は、その会社からも出資を引き出すことに成功。
こうして『アンパンマン』のテレビアニメ化は実現にこぎつけることができました。
ところで、もし『アンパンマン』のテレビアニメ化をするのがNHKであれば、制作資金の問題はなかったはずです。
実は『アンパンマン』のテレビアニメ化の企画はNHKにも持ち込まれていました。
その際、最終選考の二作品のうちの一作品になるものの、『アンパンマン』は選考対象とならず。
最終的に選考されたのは『アニメ三銃士』でした。
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やはり、昭和53年から昭和60年にタイムスリップした時に波多子さん、登美子さん、千代子さんが天国に旅立たれていた。かろうじて先にのぶちゃんが亡くなるという最悪中の最悪は免れたけれど、予告で崇さんに私が亡くなっても生きていけるとたずねる場面(退院してからのセリフの可能性が大)が少し気になる。それから健ちゃんも心配。後はタイムスリップの間にもしかしたら八木さんと蘭子ちゃんが結婚している可能性もあるのでは?後はあんぱんまんのキャラクターにおむすびまんがでていたからおむすびのヒロイン橋本環奈さんが登場かと一瞬思ったけどそれはなさそう。残り後3回まだまだドラマのゆくえはわからない。
信之介「俺が刺し殺した敵兵に・・・・妻と子の写真が・・・・。」
信之介君と蘭子ちゃんと一緒に泣きました。
チリンの鈴は、リンくんのお話ですが、あんぱんだと、岩男くんのお話なわけで。
岩男くんは、リンくんのおかげで、戦場にいながら狼(単なる破壊者)にはならないですんだんじゃないかな。和明さんのお父さんとして逝けたんじゃないのかな。
八木さんや嵩さんのなかではトラウマになってしまいましたが、そして、生きていた方が良かったのに決まっていますが(和明さんのためにも)、岩男くん自身は最期に納得していたろうし、むしろ生き延びた(だろう)リンくんはどうだったのか、心配です。彼にこそチリンの鈴を読んでほしいですよね。
チリンの鈴でなく、あえてあんぱんまんの話に出会うことで、和明さんの心はどう癒やされるのか。その後がもう一度描かれると良いのですが。
ウルトラマンに何度も挑んだバルタン星人、初代タイガーマスクに挑み続けたダイナマイトキッド、そしてバイキンマン
良い意味でしぶとい三大アンチヒーロー
戦争で親を亡くした和明さんに語る死んだお父さんの戦場でのエピソードが童話 「チリンのすず」のあらすじそのものだった。
チリンのすずについては描かれないのかな。