ブギウギ

歌手引退の記者会見開く / ブギウギ 第124回

2024/3/27(水)最終週/第26週「世紀のうた 心のうた」

あらすじ

スズ子が歌手引退を報告する記者会見の日を迎えました。スズ子は歌手引退の決断を下した気持ちを語り始めました。スズ子は言いました。自分が一番輝いていたときを残したい。自分の手で汚したくないのだと。

記者会見の会場には三流ゴシップ雑誌の記者・鮫島もやって来て、スズ子に厳しい質問を投げかけました。スズ子は鮫島の質問にも真正面から答えた上で、羽鳥に対する感謝の気持ちを述べました。

記者会見を終え帰宅したスズ子を愛子、タケシ、大野、そして小田島親子らは祝福しました。面々に対してスズ子は、この大事な日に皆と一緒にいられることをこの上なく嬉しく思うと応えました。

その数日後、報道でスズ子の引退を知った秋山美月が上京。スズ子と秋山が再会する席には股野と水城アユミもやって来ました。歌手をやめてほしくないと言う水城アユミに対して、スズ子は後を託すと告げました。

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感想

鮫島氏

久しぶりに登場した鮫島氏が相変わらず意地悪で嫌味たっぷりの質問をして、ハラハライライラさせてくれました。

水城アユミとの対決で負けを認めるのか?とか。

俳優活動を続けるのは歌手活動から逃げということなのか?とか。

しかも鮫島氏が最初の質問をしたときは、質問者として指名されていない状態での勝手な発言です。

また、鮫島氏にあることないこと書かれるのではないかとタケシくんは警戒しました。

警戒するのはマネージャーとしては当然のことでしょう。

もし、あの山下さんがこの場にいたら、山下さんだって間違いなく警戒し、鮫島氏の勝手な発言を制止していたはずです。

しかし、スズ子ちゃんは鮫島氏の質問に真正面から答えました。

意地悪な質問に対しては、それを受け入れるような回答も。

それでも鮫島氏は引き下がらない。

本当にしつこい男です。

鮫島氏の意地悪な質問は羽鳥先生のことにまで及びました。

羽鳥善一はこのところヒット曲を出せていない。

そんなタイミングで福来スズ子がやめてしまったら、羽鳥善一は終わってしまうのではないかと。

この質問には、それまで冷静に対応していたスズ子ちゃんも怒るかな?と思っていたら・・・

羽鳥先生を悪く言われてもスズ子ちゃんは冷静でした。

そして羽鳥先生への感謝の気持ちを述べました。

その瞬間、鮫島氏の表情が変わりました。

いつも意地悪そうな微笑をたたえていた鮫島氏が、これまでに見せたことがないような寂しそうな表情を浮かべました。

これにはびっくり。

するとその直後、寂しそうな表情を浮かべたまま、その感情を素直に口にしました。

「でもなんか寂しくなるな」

鮫島氏は良い意味でも悪い意味でも、人の感情を揺さぶる記事を書き続けてきた記者です。

人の感情を揺さぶる記事を書けるのは、人の感情を誰よりもよく理解しているからです。

ブログ主は思いました。

スズ子ちゃんが羽鳥先生への感謝を述べる言葉を聞きながら、鮫島氏は羽鳥先生が抱く寂しさを理解したのではないか。

もしかすると当事者であるスズ子ちゃん以上に、羽鳥先生の気持ちを鮫島氏は理解した。

そんな気がしました。

寂しそうな表情を浮かべただけでなく、寂しくなるとまで口にした鮫島氏は、最後は脱帽して姿勢を正すとスズ子ちゃんに拍手を送りました。

その拍手はスズ子ちゃん本人に対しての拍手だけでなく、スズ子ちゃんと羽鳥先生が一緒に成し遂げてきた拍手のようにも見えました。

そして刊行された雑誌の誌面。

誌面の大見出しは、スズ子ちゃんの羽鳥先生への感謝の言葉で埋め尽くされていました。

鮫島氏、最後の最後にいいところを見せてくれました。

さて、そんな鮫島氏が書いた記事を読んだ羽鳥先生。

どんな気持ちでいるのかな?

次回あたり、羽鳥先生とスズ子ちゃんのギクシャクしてしまった関係が回収されるものと思われます。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

歌手引退の動機

ドラマの中でスズ子ちゃんは歌手を引退する理由を記者会見の場面で次のように語ります。

「自分が一番輝いていたときをそのまま残したい。自分自身の手で汚したくない」

一方、笠置シヅ子さんは歌手廃業を宣言して数年を経てから、引退の理由を次のように語っています。

「自分が最も輝いた時代をそのままに残したい。それを自分の手で汚すことはできない」

ドラマと史実、引退の動機は同じです。

ただしドラマも史実も、別の動機も語られています。

ドラマの中で語られた別の動機は、『オールスター男女歌合戦』で熱演はできたものの、それは水城アユミに引っ張られてできたもの。

同業者からエネルギーをもらって歌うようでは歌手として終わり。

スズ子ちゃんはまた、観客に満足してもらえる福来スズ子でいることがもう難しくなったとも語っています。

これらがドラマの中でスズ子ちゃんが語った歌手引退の別の動機。

一方、笠置シヅ子さんは歌手を廃業した数年後に出演したテレビ番組の対談の中で「廃業の理由は『太りかけたから』」だったと語っています。

笠置シヅ子さんの魅力は歌と踊りが一体化されたパフォーマンスにあります。

歌と踊りはいわば車の両輪です。

その片方が欠けたらもう歌手としてはもう終わり。

笠置シヅ子さんはそのように考えたようです。

なお、ドラマの中でスズ子ちゃんは歌手引退後は鼻歌一つ歌わなかったことが、説明されるようです。

史実でも笠置シヅ子さんは、歌手をやめてから鼻歌一つ歌わないストイックな姿勢を貫き通したのだそうです。

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POSTED COMMENT

  1. 丹善人 より:

    そうでした。結婚でもないのに全盛期で引退したのは安室奈美恵もいましたね。
    彼女の引退理由はよくわかりません。

  2. 丹善人 より:

    記者会見、スズ子や視聴者の予想通りに鮫島氏が辛辣な言葉を投げます。
    しかし、某氏の自説を延々と語るだけで何が言いたいのかさっぱり要領を
    得ない質問と言うより演説に比べると、何とわかりやすくはっきりしていることか。
    そして、仇敵でもあるにもかかわらず、引退を惜しむ悔しい思いがよく伝わる。

    自分の思うようなパフォーマンスが出来なくなったからと言う理由での
    歌手引退というのは、後にも先にも誰もいないのではないかな。
    全盛期にありながら引退宣言の後、全く表舞台に出なくなったのは、
    山口百恵を筆頭に、高田みずえなど、結婚が理由だったけれど、薬丸裕英の
    奥さんの石川秀美は、やっくんと結婚したくて既成事実を作って事務所に
    激怒され、二度と芸能界に戻らないという約束を取った上で引退を認めて
    もらって、その後、生活が苦しくて夫婦そろってのCM出演という、あくまで
    石川秀美ではなく薬丸秀美として出たのと、昔の親友達と一緒のCMに出た
    だけで、きちっと約束は果たしているけれど。

  3. ひるたま より:

    『ヘイヘイブギー』大変恥ずかしながら本作で初めて知りました。
    歌詞をよく見ると、恋を超えた普遍的な愛を歌い上げているようにも解釈可能ですね。
    家族のみならず、ライバル、ゴシップ記者ひいては誘拐犯(未遂で済みましたが)までをも大きく温かく包み込む“愛”。
    歌手:福来スズ子の到達点&集大成といえるかもしれません。

    指名されていないのに発言し出した鮫島氏…見ながらつい、少し前に中継された某事務所の記者会見を思い出しました。
    その鮫島さんも最後は帽子をとってスズ子に大きな拍手を送っていた場面が良かったです。実は福来スズ子の大ファンの1人だったのでしょうね。(^^)

  4. 還暦のたつお より:

    引退会見。タケシ君相変わらず。なんかアスリートの引退会見みたい。「スポーツとはちゃいますから。」まあそうですけど。鮫島相変わらず質問に棘がある。でも寂しくなるって。なんか複雑。役者になってもタナケンさんに鍛えられた演技力で乗り切れる。ちょっと変わった家族だけど大切な家族。久々の秋山さん。股野さん親子。水城さんにバトンタッチ。

  5. 名乗る程の者ではないZ より:

    鮫島さんは文春かとXで呟きがちらほらあるけど、個人的には新潮だと思うんだ

    安室ちゃんって引退会見やってなかったと思うんだけど会見やらなくても告知媒体は増えたからね

    後世になれば歌手から女優にシフトするケースは珍しくないんだけどね、アラフィフになって「潮騒のメモリー」という大ヒット曲をリリースした小泉今日子さんってすごいんだなと

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