2024/3/28(木)最終週/第26週「世紀のうた 心のうた」

あらすじ

羽鳥は、スズ子と話をするよう麻里から説得されました。一方のスズ子は、茨田りつ子に諭されていました。羽鳥と向き合い感謝の気持ちを説明するようにと。スズ子は羽鳥と向き合おうと心に決めました。

スズ子が羽鳥家に向かうために家を出ようとしたその時、そこには羽鳥の姿がありました。ようやくスズ子と向き合えた羽鳥は、自分こそスズ子に感謝しなければならない、羽鳥善一という作曲家を作ったのは君だと告げました。

羽鳥の気持ちを知ったスズ子も自分の気持ちを正直に語り始めました。自分は羽鳥が作った歌だけを歌ってきた。なぜなら、自分と羽鳥の関係は人形と人形つかいなのだ。自分はいつまでも羽鳥の最高の人形でありたかったが、それが出来なくなったと。

続けてスズ子は、最高の歌手人生を送れたと羽鳥に礼を述べました。スズ子の感謝の言葉に羽鳥は応えました。最後にスズ子と一緒にお客さんに感謝の気持ちを伝えたい。最後にもう一度楽しもうと。

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最終週/第26週
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感想

今回のアバンタイトルを除いた本編は、登場したのはスズ子ちゃんと羽鳥先生の二人だけ。

描かれた場面はスズ子ちゃんの家だけ。

二人だけの密室劇でした。

スズ子ちゃん

福来スズ子という歌手を作ったのは羽鳥先生だとスズ子ちゃんは言いました。

思い出してみれば、スズ子ちゃんが上京する直前。

スズ子ちゃんの最大の悩みは歌手としての自分に満足できないことでした。

ステージの上で全力を尽くして歌っても、観客の視線は自分ではなく秋山美月に向かっているような気がする。

自分は歌手として認めてもらえているのだろうか?

そんな中で東京の劇団への移籍の話が浮上。

移籍の誘いに乗ったスズ子ちゃんは東京へ。

上京してすぐのタイミングでは、スズ子ちゃんは「歌手としての自分に満足できない」は解決していませんでした。

迷いに迷うスズ子ちゃんが「福来スズ子」という歌手になりはじめたのは羽鳥先生との出会いから。

松永氏という演出家によってまだ開花せぬ才能を見出されたスズ子ちゃん。

その才能を開花させたのは羽鳥先生。

『ラッパと娘』を歌わせる過程で、羽鳥先生はスズ子ちゃんに対して「福来スズ子」をつくりあげるよう指導しました。

そして「福来スズ子」が誕生しました。

このエピソードだけでも、スズ子ちゃんが言ったように「福来スズ子という歌手を作ったのは羽鳥先生」だということがわかります。

その後、六郎くんの死により壊れかけてしまったスズ子ちゃん。

失意の中で歌手としてダメになってしまうところを『大空の弟』によって「福来スズ子」が失われる事態を救ってくれたのも羽鳥先生。

愛助くんが亡くなり、今度こそ壊れる。

そんな中から『東京ブギウギ』によって救ってくれたのも羽鳥先生。

改めて振り返ってみると、「福来スズ子」を作ることに貢献したのは羽鳥先生以外に誰も存在しないと言い切っても差し支えないレベルです。

だからこそスズ子ちゃんは羽鳥先生にとっての最高の歌手でありたかった。

しかし、それがもう出来ない。

歌手引退を決めた気持ち、ようやく理解できました。

羽鳥先生

羽鳥先生も言いました。

羽鳥善一という作曲家を作ったのは君なのだと。

スズ子ちゃんが上京し「福来スズ子」を作ろうとしたころ。

羽鳥先生の課題は、自分の歌を完成させてくれる歌手が日本にはいないということでした。

羽鳥先生の頭の中では理想の歌手像がありました。

しかし、その理想の歌手像の条件を満たす歌手がいない。

ブギの本場アメリカでブギを歌っているアメリカ人歌手のような歌手が日本にはいない。

あのころ、スズ子ちゃんが「歌手としての自分に満足できない」ように、羽鳥先生もまた「作曲家としての自分に満足できない」状態だったのでしょう。

そんな中で、演出家の松永氏から、羽鳥先生が探し求めている才能を秘めた歌手として紹介されたのがスズ子ちゃんでした。

そしてスズ子ちゃんが「福来スズ子」という歌手を作り上げる過程で、羽鳥先生もまた「羽鳥善一」という作曲家を作り上げていたのかもしれません。

ところでスズ子ちゃんは自分と羽鳥先生との関係を「人形と人形つかい」と表現しました。

羽鳥先生はその言葉を口では否定しましたが、同じように考えていたのかもしれません。

だからスズ子ちゃんの引退は、人形を失った人形つかいになることに等しい。

人形を失えば人形つかいは人形つかいではなくなってしまいます。

スズ子ちゃんの引退宣言に対して激しく動揺した羽鳥先生の気持ちもようやく理解できました。

というわけで『ブギウギ』、明日がいよいよ最終回です。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

服部良一氏の反応

ドラマの中ではスズ子ちゃんの歌手引退を羽鳥先生は猛反対。

もし本当に歌手をやめるようなことがあれば絶縁するとまで羽鳥先生は口にします。

最終的には絶縁発言は撤回し、スズ子ちゃんに対して謝罪するものの、羽鳥先生はかなり大きなショックを受けます。

一方、史実の中での羽鳥良一氏も大きなショックを受けたようです。

笠置シヅ子さんは羽鳥良一氏には断りなく歌手を廃業することを決断。

その決断に対して羽鳥良一氏は激怒し、笠置シヅ子さんに対して次のような言葉を口にしたと言われています。

「歌手は声が出る限り、死ぬまで歌い続けないといけない」

しかし後年になって羽鳥良一氏は笠置シヅ子さんの決断を高く評価。

「ほとんど最盛期といってもよい時期に、ファンに最高の思い出を残して音の世界から消えてしまったのである。全く美事というほかない」

と、潔い決断をたたえています。

歌手引退後

ドラマの中では歌手引退を表明したスズ子ちゃんが、これからは俳優業に専念すること。

歌手のときのギャラは要求できないので新人俳優のギャラで仕事を振って欲しいと記者会見場面で語っています。

ドラマの中ではその後、最後のコンサートを経て歌手を終えた日常の一コマが描かれて結末を迎えます。

俳優業に転身したからのことは描かれません。

一方史実では、笠置シヅ子さんの俳優業への転身後に改名しています。

当ブログでは「笠置シヅ子」という表記で通してきましたが、実は歌手時代の芸名は笠置シズ子。

「つ」に「″」のシヅ子ではなく「す」に「″」のシズ子でした。

歌手を廃業したのち「笠置シズ子」という芸名を「笠置シヅ子」に改名しています。

また、歌手をやめてから鼻歌一つ歌わなかった笠置シヅ子さんですが、一度だけ歌声を披露しています。

昭和35年、引退を表明してから3年後。

『服部良一銀婚式記念 シルバーコンサート』、恩師への義理を果たすために笠置シヅ子さんは特別出演をして歌声を披露しました。

笠置シヅ子さんが人前で歌ったのはこれが最後のことでした。

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