ブギウギ

愛子が学校を休みたがる / ブギウギ 第120回

2024/3/21(木)第25週「ズキズキするわ」

あらすじ

ある日、愛子が学校を休むと言い出しました。足の速い転校生との競争に勝つ自信がないことが愛子が学校を休みたがる理由でした。悩む愛子にスズ子は言いました。競争に挑んでも、競争から逃げても、どちらもいい経験になると。

その翌日、学校に行くかどうかまだ迷っている愛子を家に残したまま、スズ子は羽鳥のもとに足を運びました。そして羽鳥と向き合うとスズ子は口を切りました。『ラッパと娘』を水城アユミに歌わせてほしいと。

スズ子はまた、自分は愛子のために『ヘイヘイブギー』を歌うつもりだと羽鳥に告げました。スズ子の真剣な気持ちを知った羽鳥は、スズ子と水城アユミによる新旧対決を受け入れました。

スズ子はその足で丸の内テレビに足を運び、新旧対決を受け入れたことをプロデューサーとディレクターに告げました。その日の夜、帰宅したスズ子は、転校生との競争に負け泣いている愛子を慰めました。

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感想

『ラッパと娘』

今回は羽鳥先生がさりげなく口にした一言が強く印象に残り、その一言にすべてを持っていかれました。

羽鳥先生がさりげなく口にした一言とは・・・

「我々の歌」

『ラッパと娘』を水城アユミに歌わせてほしいというスズ子ちゃんの頼みに対して、羽鳥先生は『ラッパと娘』を「我々の歌」と表現しました。

この「我々の歌」という表現。

前回の羽鳥先生は次のような別の言葉で表現していました。

「『ラッパと娘』は君とぼくの歌」
「君が歌ってこそあの歌は完成する」

この言葉で思い出すのは、スズ子ちゃんに出会う前の羽鳥先生が願っていたことです。

当時、羽鳥先生は『ラッパと娘』をすでに書き上げていました。

そのとき、羽鳥先生の中では理想とする『ラッパと娘』のイメージがありました。

しかし、理想とする『ラッパと娘』のイメージを具体的な形にしてくれる歌手を、羽鳥先生は見出せずにいました。

そんな中で羽鳥先生が見出したのが福来スズ子という歌手です。

福来スズ子が歌えば『ラッパと娘』は理想的な形で完成するかもしれない。

そう直感したであろう羽鳥先生は、スズ子ちゃんに対してハードな稽古をつけました。

そして羽鳥先生が思い描いていた理想の『ラッパと娘』の娘が完成。

『ラッパと娘』だけでなく、羽鳥先生が理想とする歌はスズ子ちゃんの存在によって次々と実現されました。

羽鳥先生にとっては『ラッパと娘』はそれほど大事な歌です。

そして『ラッパと娘』を完成させたスズ子ちゃんもまた羽鳥先生にとって大事な存在です。

そんな羽鳥先生が歌とスズ子ちゃんを大事にしている気持ちが、羽鳥先生がさりげなく口にした一言

「我々の歌」

に込められていました。

羽鳥先生ファンのブログ主は、この一言に心をつかまれてしまいました。

「我々の歌」

水城アユミとの新旧対決をするかどうかスズ子ちゃんは迷いに迷いました。

前回、そんなスズ子ちゃんの様子を見た茨田りつ子が言いました。

あなたらしくない。

これまでだったら新旧対決にワクワクしているはずだ、みたいなことを。

スズ子ちゃん、いつの間にか守りの姿勢に入っていました。

同様に羽鳥先生も守りの姿勢に入っていたのかもしれません。

上にも記しましたが、羽鳥先生は言いました。

「『ラッパと娘』は君とぼくの歌」
「君が歌ってこそあの歌は完成する」

スズ子ちゃん以外の歌手が『ラッパと娘』を歌うことで、『ラッパと娘』が異なる歌になってしまうことを羽鳥先生はおそれたのでしょうか。

スズ子ちゃん同様、羽鳥先生もまた以前ならスズ子ちゃん以外の歌手が歌う『ラッパと娘』にワクワクしていたかと。

自分の書いた曲が自分の意図せぬ表現で再現されることを喜んだような気がします。

ところが羽鳥先生は『ラッパと娘』が「我々の歌」のままであることを望んでいたらしい。

今回、新旧対決に挑むと決めたスズ子ちゃんに対して、羽鳥先生は「さすがは福来スズ子だ」と言いました。

羽鳥先生は自分が乗り越えられなかったハードルを、スズ子ちゃんが乗り越えたことに対して「さすがは福来スズ子だ」と賛辞を送ったのかもしれません。

というわけで今回はスズ子ちゃんの迷いがお題のはずでしたが、それ以上に羽鳥先生の迷いに持っていかれた回となりました。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

「笠置シヅ子 vs 美空ひばり」確執伝説その2

前回の本欄に引き続き、笠置シヅ子さんと美空ひばりさんの間に発生した「トラブル」を2つ目をご紹介します。

笠置シヅ子さんと美空ひばりさんの初の渡米がほぼ同時期に決まったことがありました。

渡米は美空ひばりさんが一足早いタイミングでした。

それを知った服部良一氏は当時のことを自伝の中で次のように述べています。

美空ひばりが歌うことは自由だが、それによって最初に歌った人が迷惑を被るのは作曲家として忍びない。
引用服部良一著『ぼくの音楽人生』

そこで服部良一氏は、音楽著作権協会を通して米国での公演に限ってブギを歌うことを禁止。

一方、美空ひばりさんサイドは著作権料は支払われていると反論。

以上が「トラブル」の2つ目です。

そしてこれはブログ主の感想ですが、上に述べた2つの「トラブル」は笠置シヅ子さんと美空ひばりさんの間の個人的な確執ではない。

興行主間の大人の事情のトラブルではないかと考えられます。

しかしメディアが話を面白おかしくするために、個人間の確執があるかのように見せたのではないか。

そんな気がします。

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POSTED COMMENT

  1. 丹善人 より:

    「ちむどん」の主人公、足が速かったけれど、それが結局ドラマと
    何の関係があったのだろうか。
    愛子ちゃんの年齢で目に見えて他人に勝てるもので、負ける悔しさを
    感じる物が短距離走で、そのことがスズ子の心境とリンクする。
    これは意味あるんだよな。

  2. 名乗る程の者ではないでおま より:

    Hey Hey おおきに毎度あり
    がんばりましょう
    Heyという歌詞があるなら羽鳥センセの中の人的には馴染みあるからOKだ(テキトー)

    かけっこまで絡むとホンマ今週はちむどんテイストが漂い過ぎだわ(誉めてません)

  3. 還暦のたつお より:

    逃げるも有り論争。スズ子さん巧く纏めて。ワクワクが怖さに勝つ?結局どうする愛子さん。うーん名乗る程の者ではないでおま様、のおっしゃった通り水城アユミさんがスズ子さんに楽曲の歌唱許可をお願いするのは筋違いのような気が、でもみんな大乗り気。勉さん、代々木さん大乗り気。やはり愛子さん負けたか。負けた悔し涙。でもそれが成長に繋がる。

  4. 丹善人 より:

    他人事としてじゃなく、自分のこととして語るのは大事。特に同じ血が流れているから
    話が伝わる。このエピソード挿入は意義ある。

    出た!ファイナル勉さん・・・って違ったか。

    愛子ちゃん、負けちゃいましたか。でも、大晦日に立ち直るのかな。

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