ブギウギ

オールスター男女歌合戦 / ブギウギ 第121回

2024/3/22(金)第25週「ズキズキするわ」

あらすじ

昭和31年(1956年)の大晦日、「オールスター男女歌合戦」放送当日を迎えました。放送が始まる前、股野に連れられた水城アユミが楽屋にやってきて『ラッパと娘』を歌わせてもらうことへの礼を述べました

ついに始まったステージ。水城アユミが歌う『ラッパと娘』は観客を沸かせました。水城アユミの歌う姿を舞台の袖から眺めるスズ子も圧倒されました。そして楽屋で呼吸を整えるとスズ子はステージへ。

その日、大トリとして出演するスズ子の姿を、羽鳥はテレビの前で見守りました。一方の愛子は会場の観客席でスズ子の姿を見守っていました。そんな中、スズ子は『ヘイヘイ・ブギー』を歌い始めました。

観客たちの反応からスズ子の水城アユミの新旧対決はスズ子の勝利が明らかでした。水城アユミ本人も対決に敗北したことを自覚。テレビで見守っていた羽鳥も、そしてスズ子自身もスズ子のパフォーマンスに満足するのでした。

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感想

今週の振り返り:水城アユミ

今週の注目トピックは水城アユミという若手歌手の登場です。

水城アユミの登場は、次週に一週間かけて描かれるスズ子ちゃんの大きな決断のフラグでもあります。

水城アユミのような「注目の若手新人歌手」というポジションがクライマックスあたりで登場するのは想定内でした。

「注目の若手新人歌手」の登場を機にスズ子ちゃんが歌手引退を考え始める。

史実にもとづいたこんなストーリー展開になることは本作が始まったころから容易に予想できました。

しかし、水城アユミの両親があの大和礼子と股野さんという設定は完全な想定外。

大和礼子は出産直後に死亡し、その後、股野一家はドラマの中では完全にフェードアウトしていましたので、こうした形で再登場するのは意外。

しかも、あの時に生まれた赤ちゃんがこんな形で回収されるとは。

また、大和礼子の赤ちゃんが回収されることで、大和礼子に憧れてこの世界で成長してきたスズ子ちゃんが、今度は若手から憧れられる存在になる。

そんな素敵な循環が生まれました。

また、スズ子ちゃんの憧れの存在がドラマが始まったばかりのタイミングであっけなく死亡することに唖然としたことを思い出します。

しかし娘が注目の若手歌手としてデビュー。

大和礼子は亡くなってしまいましたが、大和礼子が遺したステージへの愛情が娘の登場によって回収。

美しい回収され方でした。

今週の振り返り:スズ子ちゃんの迷い

今週のもう一つにして最大の注目トピックは、水城アユミという若手歌手の登場によって自信が揺らぐスズ子ちゃんの迷いです。

今週の背景には次のような背景があります。

・スズ子ちゃんの人気に翳りが生じ始める
・その結果として仕事が減り始める

以上の背景があ離、今週のスズ子ちゃんは大きなストレスを抱えていました。

そんな状況下、水城アユミという若手歌手の登場は、さらなるストレス要因だったはずです。

それに加えて水城アユミが『ラッパと娘』を歌いたがる。

ただでさえ世間の人は、人気に翳りが生じているスズ子ちゃんと、注目度急上昇中の水城アユミを比較しがちです。

水城アユミが『ラッパと娘』を歌ったら、同じ土俵で比較されることになる。

これはつらい。

しかも同じ土俵で比較されることの残酷さを羽鳥先生が見事に言語化しました。

もし水城アユミとの新旧対決で負けたら、戻ってくるところがなくなる、と。

仮に水城アユミが「マンボ」のカテゴリーで歌い、スズ子ちゃんとの新旧対決で高い評価を受けても、スズ子ちゃんの「ブギの女王」のポジションはそのままです。

しかし水城アユミが新旧対決で挑むのは「ブギ」。

水城アユミが新旧対決で勝利を収めたらスズ子ちゃんは「ブギの女王」のポジションを失うことになるわけです。

スズ子ちゃんにとっては実に苦しい一週間でした。

苦しかっただけに最後のステージのやり遂げた感には泣かされました。

今週の振り返り:愛子ちゃん

新旧対決に挑むかどうか決めかねるスズ子ちゃんの迷いを反映するかのように、愛子ちゃんもまた転校生との勝負に挑むかどうかを迷いました。

これまではかけっこで常に一番でチヤホヤされていた。

ところが自分よりも足が速い子が転校してきた。

その子と勝負したら勝ち目がない。

負けて傷つきたくないので勝負したくない。

しかし勝負から逃げるのは心のどこかで引け目を感じる。

スズ子ちゃんの迷いがそのまま愛子ちゃんに現れました。

まるでスズ子ちゃんが映写機、愛子ちゃんがスクリーン、みたいでした。

次週予告:いよいよ最終週

今回、新旧対決はスズ子ちゃんの圧勝で終わり「ブギの女王」は健在であることが示されました。

にもかかわらず、予告映像に最初に出てきたセリフは

「わて、引退しようと思います」

です。

今回の最後の圧巻のパフォーマスから上のセリフに至るまでの心境の変化。

そして上のセリフを実行するまでが最後の一週間。

いよいよ次週で『ブギウギ』が完結です。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

歌手廃業のフラグ

今週の展開をざっくりとまとめると次のとおりです。

スズ子ちゃんが昭和31年大晦日の「男女歌合戦」への出演が決定。

スズ子ちゃんはトリとして出演。

その日、注目の新人歌手・水城アユミも出演が決定。

水城アユミはスズ子ちゃんの直前に登場。

水城アユミは『ラッパと娘』を歌うことを希望。

水城アユミ vs 福来スズ子の「新旧対決」という格好に。

スズ子ちゃんは「新旧対決」に躊躇する。

茨田りつ子がスズ子ちゃんの背中を押す。

スズ子ちゃんが「新旧対決」に挑むと決意。

スズ子ちゃんは「新旧対決」に負けても勝ってもいいと覚悟を決める。

「男女歌合戦」にトリとして出演オファーが入るスズ子ちゃんは大スターのポジションにいます。

しかし、そんなスズ子ちゃんを脅かす新人歌手が登場。

その新人歌手と比較されてしまうことに。

以前のスズ子ちゃんなら「新旧対決」という企画に喜んで挑むはずのところ、スズ子ちゃんは「新旧対決」に躊躇する。

最終的にスズ子ちゃんが「新旧対決」に挑むと決めたのは茨田りつ子に背中を押されたから。

スズ子ちゃん、どうやら歌手としての限界を感じ始めたらしい。

史実では、昭和32年に笠置シヅ子さんが歌手の廃業を宣言しています。

今のところ伏せられていますが、今週の最後にスズ子ちゃんが歌手の廃業を宣言するか、あるいは歌手廃業のフラグが立つか。

今週はそんな週になるかと思います。

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POSTED COMMENT

  1. ひるたま より:

    第21週「あなたば笑えば、私も笑う」週最後で鼻歌のみで歌われた『ヘイヘイブギー』ひょっとしたらクライマックスあたりにステージ歌唱場面に持って来るのかな?と睨んでいたら…案の定でした。(^^)
    21週目では家族である娘:愛子ちゃんへの愛をこめて歌われていました。
    そして今回は、家族のみならず全ての聴衆への愛をこめて歌われた…ように思います。

    『ヘイヘイブギー』は恋の歌を超えて、全てに向けた“愛の歌”(恋だと基本的には男女の一対一の関係だけれど、愛になると家族etc.…ひいては人類以外へと対象が一挙に広がる)なのだな~と、今回スズ子がステージで歌う場面を見ながら感じました。

  2. 名乗る程の者ではない権兵衛 より:

    西鉄ライオンズ仰木彬選手
    仰木さん、男前だったからね
    監督していた頃も渋くてカッコよかったし
    イチロー選手と野茂選手、二人の大リーガーを最初に見いだし売り出された方だわ

    というぐらいですかね、今週は
    ドラマ終盤が「???」となる大阪制作らしい展開でしたね、個人的には
    ハシカンちゃん好きだから「おむすび」には期待したいんだけどね、ワイ自身オッサンなんで若手出演者ほとんど知らんが(佐野くんは「真犯人フラグ」見てたから知っとるぞ)

    • 名乗る程の者ではない権兵衛 より:

      追記
      水城アユミさんってすごかったの?
      中の人が同じプロダクションで「ごちそうさん」で歌披露した高畑さんや「エール」に出演されていたミュージカル関連の方々の時のような「ほ~っ!」という感がなかったのはワイだけかな?
      事前ハードル上げ過ぎだったかな?
      大和礼子の娘というサプライズの押し売りしたかっただろうけど、一層のこと映画「銀座カンカン娘」のエピソードにして高峰秀子さんモデルにした展開の方がスッキリしたんじゃないかと個人感

  3. 還暦のたつお より:

    タケシ君パワハラと忖度強要すっかり悪い意味での業界人。三橋さんって「激レ。」の三橋さん?なんで仰木さんとライオンズだけ実名?「ヘイへイブギー」ってどんな曲かと思ったら割りと聞き覚えのある曲だった。でもこれがスズ子さんの歌手人生のフィナーレになろうとは。

  4. 丹善人 より:

    愛子ちゃん、すっかり立ち直っていました。悔しい思いも糧にしましたか。
    「いよいよ大トリです」って、この時代、「トリ」なんて一般的な言葉でしたかね。
    水城あゆみ、うまいけれど、やっぱり趣里の歌と比べてしまう。半年間しっかり
    聞いていたからか。貫禄さえ感じる。番組終わったらアルバム出すのかな。

  5. 名乗る程の者ではない権兵衛 より:

    昨日放送にあった黒板より
    ポギー森山 ク ラセ ラセ
    もうね、後のウルトラの母の力をもってしても絶対になるようにならんわというトホホ感がじわじわ来ます

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