虎に翼

佐江子とその孫娘の美雪 / 虎に翼 第125回

2024/9/20(金)第25週「女の知恵は後へまわる?」

あらすじ

航一は桂場のもとに足を運ぶと、調査官として尊属殺の重罰規定の見直しを迫りました。しかし桂場は、航一の主張を時期尚早であると一蹴。ところが航一は引き下がらず強い言葉で抗議をした末にその場で気絶してしまいました。

桂場に呼び出された寅子が長官室で目にしたのは、桂場に介抱されている航一の姿でした。寅子は桂場に感謝するとともに若手の裁判官を排除した桂場の人事を非難。一方の桂場は、一度は受け取りを拒んだ航一の調査書を受け取りました。

その日の夜、航一は桂場と対峙したことで自分の中の戦争に一区切りがつき、心が軽くなったと寅子に告げました。時は流れ昭和47年(1972年)4月。美位子の事件の上告は受理され、15人の裁判官による大法廷が開かれることが決まりました。

そんなある日、美雪の祖母が寅子を訪ね、自分は美佐江の母であると寅子に打ち明けました。美佐江はすでに亡くなっていました。そして美佐江が遺した手帳を読んだ寅子は、あと一歩のところで美佐江を救えなかったことに気がつくのでした。

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感想

今週の振り返り:桂場さん

今週は与党の幹事長が桂場さんに圧力をかけるところからスタート。

その圧力が影響したのか、与党の幹事長の登場回の後半では朋一くんが左遷のような異動を命じられました。

朋一くんの人事の黒幕は桂場さんなのか。

トラちゃんは桂場さんが黒幕ではないと信じたかった。

そして桂場さん本人に問いかけたところ、桂場さん自ら、朋一くんの人事は自分が指示を出したものであること認めました。

その上、桂場さんはトラちゃんを追い出す。

追い出されたトラちゃんも桂場さんには深く失望したらしく三行半とも言える言葉を口にして桂場さんのもとを去って行きました。

そして、ついに心が折れた朋一くんは裁判官をやめると宣言。

失意の朋一くんが描かれたのは木曜日。

しかし、今回の朋一くんは明るかった。

新しい道を見出し立ち直ることができたのでしょうか。

桂場さんの人事をめぐって朋一くんの心が折れ、トラちゃんは失望する。

しかし、桂場さん本人が一番深く苦悩する一週間でした。

今週の振り返り:少年法改正と美雪ちゃん

今週は月曜日から、少年法改正をめぐる議論も描かれました。

結論ありきの議論に対して抗議するトラちゃんとライアンさん。

二人が思い出すのは亡き多岐川さんの姿でした。

この議論と並行して登場したのが美佐江ちゃんにそっくりな少女の存在。

彼女の正体は今週の最後の瞬間に判明。

続きは次週に。

今週の振り返り:美位子さんの事件

今週のもう一つのトピックは美位子さんの事件。

最高裁への上告はいまだに受理されず、よねちゃんは調査官である航一さんに対して、救いようのない世の中を少しだけでもマシにしたいと訴えました。

よねちゃんの訴えにも関わらずなかなか受理されない上告。

そんな中、美位子さんがいつまでもここにいたいと言い始めました。

しかし、美位子さんの本音をよねちゃんは鋭く察したらしい。

日々寄せられる相談を通して見えてくる悲劇の数々。

その悲劇に聞き耳を立てながら、美位子さんが自分自身を安堵させていることをよねちゃんは見抜いたらしい。

一方、よねちゃんの訴えを受け止めたのか航一さんが桂場さんに対してまさかの猛行動。

ついに美位子さんの事件の上告は受理されました。

航一さんの猛抗議に桂場さんは心を動かされたのでしょうか。

今週の振り返り:戦争の終わり

今週、二人の登場人物が自分の中の戦争が終わったと語りました。

一人は直明くん。

直明くんが猪爪家で同居を続けていたのは、戦時中の岡山での一人暮らしのトラウマがあったから。

しかし、そのトラウマも解消されたようで猪爪家を出て行くことに。

もっとも、猪爪家のすぐ近くらしいです。

それでも直明くんは、戦後はやっと終わったとトラちゃんに語りました。

もう一人は航一さん。

桂場さんにこれまで見せたことがないような激しい口調で抗議。

抗議の末に鼻血を出した気絶した航一さんは桂場さんの膝枕がきっかけで、戦争に一区切りがついたと実感。

終戦から四半世紀。

戦争を引きずっていた二人の心の中で戦争が終わりました。

また「戦争が終わった」旨の発言こそないものの、涼子さまも戦後の苦労した日々に一区切りつけることができました。

過去が清算され、いよいよ次週は最終週。

と思ったら、トラちゃんが未清算の過去があることに気がついてしまいました。

今週の振り返りと次週

美佐江ちゃんが遺した手帳には、娘の美雪ちゃんへに謝罪する言葉で終了。

だから美佐江ちゃんは自死の道を選んだものと思い込んでいましたが、どうやら交通事故死だったらしい。

さて、美佐江ちゃんはやはりトラちゃんに救ってもらいたかったらしい。

トラちゃんに望みを託していたらしい。

しかしあと一歩のところで美佐江ちゃんは救ってもらえませんでした。

トラちゃん視点で言うなら、トラちゃんはあと一歩のところで美佐江ちゃんを救えませんでした。

トラちゃんがこれまでになく重いものを背負った状態で、いよいよ次週は最終週です。

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予習レビュー

今週、ついにサイコパス少女・美佐江ちゃんの回収ストーリーが始まります。

そこで美佐江ちゃんの復習と予習のための情報をまとめておきます。

美佐江ちゃんの振り返り:初登場

美佐江ちゃんが初めて登場したのは7/22(月)放送、第17週81回でした。

昭和27年(1952年)のある日、トラちゃんは航一さんの行きつけの喫茶店「ライトハウス」に案内してもらいました。

その店は涼子さまと玉ちゃんが経営していました。

トラちゃんはその時、長年連絡が途絶えていた涼子さまと玉ちゃんに再会。

その店では、英語が得意な玉ちゃんが高校生を対象にして英語を教えていました。

その英語塾の受講生の一人が美佐江ちゃんでした。

そのときの美佐江ちゃんは、名士のご令嬢らしいお行儀の良い女の子として登場。

その時、ブログ主は驚いたものです。

名士とは言え教養のかけらもなさそうな田舎親父にこんな才色兼備のお嬢さんがいたことに。

美佐江ちゃんは法律に興味があることをトラちゃんに告げました。

なので、将来は法律家になってトラちゃんの部下として働く展開が容易されているのかも。

初登場時、ブログ主はそんな期待をしていました。

美佐江ちゃんの振り返り:サイコパスのフラグ

お行儀の良いお嬢さんとして登場した美佐江ちゃんの闇が初めて描かれたのが、初登場の二日後、7/24(水)の放送でした。

ひったくり犯の少年たちが次々に自首。

自首してきた少年たちは皆揃って赤い腕飾りをつけていました。

しかもその赤い腕飾りは、数日前にトラちゃんが美佐江ちゃんから贈られたのとまったく同じものでした。

不審に思ったトラちゃんがそのことを美佐江ちゃんに尋ねた次の瞬間、美佐江ちゃんの表情は豹変し、腕飾りを壊してしまいました。

美佐江ちゃんがかなり危ない女の子であることが初めて分かった瞬間でした。

美佐江ちゃんの振り返り:最後の登場場面

昭和27年(1952年)冬、売春事件が発生しまたしても美佐江ちゃんの関連が疑われるものの、翌年の1月には審判が行われることが確定。

その直前が、美佐江ちゃんがドラマの中で登場した最後でした。

最後の登場場面では、サイコパスのオーラを全開させ、強烈な爪痕を残してドラマから去って行きました。

昭和28年(1953年)3月。

美佐江ちゃんは東京大学に合格し、春から上京することに。

美佐江ちゃんの大学合格と上京は、すべて美佐江ちゃんのお父上の報告のみ。

美佐江ちゃんは姿を見せないまま、サイコパス少女が東京に放たれるというところで美佐江ちゃんのエピソードは終了。

その後、トラちゃんも美佐江ちゃんの存在を忘れてしまったようでした。

森口美佐江と並木美雪

サイコパス少女が東京に放たれたのが昭和28年(1953年)3月。

月日は流れ昭和46年(1971年)7月。

美佐江ちゃんがドラマの中から姿を消してから18年と4ヶ月後。

トラちゃんは美佐江ちゃんとそっくりな女の子と遭遇します。

この「遭遇」から美佐江ちゃんの回収ストーリーが始まります。

トラちゃんが遭遇した美佐江ちゃんとそっくりな女の子の名前は並木美雪。

一方、美佐江ちゃんのフルネームは森口美佐江。

そっくりとは言え苗字も名前も違う。

しかし、ほどなくして並木美雪は森口美佐江の娘であること。

森口美佐江は、並木美雪が3歳のときに亡くなったことが判明。

これ以上のことは見てのお楽しみにしておきます。

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POSTED COMMENT

  1. 通りすがりの猫 より:

    私はいわゆる思春期を70年代の終わりから80年代にかけて過ごした世代です。親は戦中生まれで、このドラマでいえば優未ちゃんよりほんの少し上だから、朋一さんやのどかちゃんの世代です。そんな私でも、昭和40年代後半から50年ごろはまだまだ戦争の傷がはっきりと社会や人に残っていたという記憶があります。そういうものを肌で感じることがなくなってきたのは80年代後半のバブル景気の世の中からでしょうか。なので、その頃以降に生まれた方たち、現在40歳より下の世代の方には航一さんの自分の中での「戦争が終わった」が「ドラマの中のセリフ」として聞こえる方もいるでしょう。しかし、そういう時代だったんです。その時代を生きた人の多くに傷を残したのが先の大戦です。やられたらやりかえすための戦力誇示に余念のない勇ましい方々もいますが、鬼籍に入った大物政治家も現代の政治家は戦争を知らない、その怖さを知らないことが問題だと言っていたように、戦争とは避ける努力を国民全員がはらい続ける必要があるし、最後の最後まで戦争は避けなくてはいけない。それができなければ、また長い間、あるいは一生、国民の誰もが傷を背負い続ける結果になる可能性がある。今日の航一さんのように、一見なに不自由なく暮らしている方が人知れず苦しんでいる、という時代がくるかもしれないな、と思いました。

  2. ずんこ より:

    航一さんの意を決した表情から、用件は裁判所内の人事関係かよねちゃんの魂の訴えを聞いた美位子さんの件かどっちだろうと思っていたら、美位子さんの尊属殺人の件でしたね。
    「時期尚早」桂場さんは、こればっかり。
    いつもは「なるほど」と自分の中で納得させて、ことを納めていた航一さん。
    今回はついに自分の心に正直に、感情を爆発させたお蔭て、胸につかえていたものが少し取れたのでしょう。
    桂場さん…何も正座して無くても…(笑)
    胸のつかえがとれたのは、桂場さんもだったみたい。

    美雪ちゃんは美佐江ちゃんの娘、お祖母さまは美佐江ちゃんのお母さまだったのですね。
    「特別」にこだわり続けた美佐江ちゃん。
    あの時お互いに一歩踏み出していれば、美佐江ちゃんは「特別」に拘らなくてもいいと思えたかもしれません。

  3. 底抜けに より:

    美佐江さんを救うっていっても
    美佐江さんは特別じゃない
    あなたも特別じゃない、特別な人はいない
    桂場さんも特別じゃない 最高裁長官になるほどの人でも
    そのあたりをわかってもらう以外に、救う方法ってあるのかな
    美佐江さん、美雪さんの件も来週持ち越しといってもあと5回しかない
    どう終えていくのか、最終週が楽しみです。

  4. 還暦のたつお より:

    「時期尚早」この言葉をこの人から何度聞かされたか?航一さん怒りで脳梗塞?今度は桂場さんに足の痺れが。寅子さん、冷静に桂場さんを説き伏せて。星家ではご馳走、ワインで乾杯。そう言えばこの家全員大人だった。並木さん(美佐江さんの母親)は辻沢杏子さん。かつての美少女が美しい老婦人になっていた。美佐江さんをあと一歩で救えなかった寅子さん、大きく悔いが残残るか?

    • 名乗る程の者ではございません より:

      還暦のたつお様

      辻沢杏子さん、リンゴちゃんから40年以上経過しているんですね
      Xで現在のお姿拝見しましたが、言われなければリンゴちゃんだとはわからなかったですね
      逆に「翔んだライバル」で共演していた柳沢慎吾さんは変わらないですよね、先日「笑点」でひとり高校野球のネタやっていた際につくづく思いました
      あと「ただいま放課後」で共演していた本田博太郎さんは以降40年間の迷作の出演率が高いです、「実写版デビルマン」「北京原人」「ちむどんどん」等々

      あと、本日の放送で鼻血シーンがあったみたいですが、鼻血と言えば「美味しんぼ」にて物議を起こし実質上の連載中止を招いたシーン、傾いた内容だけではなくここまで合わせているのかと個人感
      最終回に「男組」みたくワルシャワ労働歌が流れるならば一度くらいはこのドラマ視聴しますがね

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