虎に翼

虎に翼 最終週/第26週「虎に翼」予習レビューとあらすじ

NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『虎に翼』
2024年9月23日 〜 9月27日放送

あらすじ

美佐江の娘・美雪

法制審議会少年法部会の委員となった寅子は、少年法の対象年齢の引き下げに対して慎重な姿勢を示す一方で、自分が犯した過ちに苦悩しました。

かつて救うことが出来なかった美佐江が、3歳の娘・美雪を遺して自死を選び、美雪もまた亡き美佐江と同様の非行を繰り返していることがわかったのです。

その後、更生施設での試験観察を終えた美雪と寅子は面会。祖母と故郷に帰る美雪を見送った寅子は、家裁変革への決意を新たにしました。

美位子の事件の最高裁の判決

美位子の事件をめぐって尊属殺規定が違憲か否かを問う裁判で、最高裁の判決が下される日を迎えました。

最高裁長官の桂場が下した判決は尊属殺規定は違憲。そして美位子には執行猶予付きの刑が下されました。

判決が下されて程なくして、美位子は新潟の涼子の店で人生をやり直す決意を固め、寅子とよねに礼を述べると新潟へと旅立って行きました。

寅子が亡くなって15年

寅子が亡くなって15年が経過した平成11年。50歳になった優未から寅子の思い出話を聞かされた航一は、寅子が女性初の裁判所長に就任した日のことを思い出していました。

その日、寅子を祝うために明律大学の卒業生たちが「笹竹」に集まりました。そして、その場に居合わせた桂場に対して、寅子は法談義を吹っかけました。

桂場との法談義を終えた寅子は、背後から聞こえる懐かしい声に振り返りました。その声に地獄の道は楽しかったかと尋ねられた寅子は、最高だったと答えるのでした。

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今週の展開

126: 9/23(月) 美雪の祖母が寅子を訪問
127: 9/24(火) 寅子と音羽の考えの相違
128: 9/25(水) 美位子の事件の判決下る
129: 9/26(木) 横浜家庭裁判所長に就任
最終回/130: 9/27(金) 平成11年(1999)

予習レビュー

いよいよ最終週/第26週です。

第25週、そして最終週/第26週で人間関係や生活環境に様々な変化が生じています。

『カムカム』では登場人物たちの変化が、最終回にこれでもかというくらいに詰め込まれていましたが、本作では最後の二週で、登場人物たちの変化が描かれます。

主な変化を以下にまとめます。

ヒャンちゃんが弁護士資格を取得

ヒャンちゃんが弁護士資格を取得します。

そして、弁護士の立場で朝鮮、台湾、中国出身の原爆被害者たちの支援活動を開始。

そしてヒャンちゃんの活動を支えるために、汐見さんは退官します。

一度は断念した夢をヒャンちゃんは取り戻します。

戦後、仲間たちに合わせる顔がないことを気に病んで、家に引きこもりがちだったヒャンちゃんの華麗なる復活。

しかも優しい汐見さんの支えを得ながら。

ヒャンちゃんがこんな素敵な結末を迎えるなんて想像すらできませんでした。

新キャラ・大五郎と梅子さん&道男くんのその後

新キャラ、非行少年の古林大五郎16歳。

彼は補導委託先として名乗りをあげた「笹竹」に預けられ、道男くんに導かれながら寿司職人の修行を開始。

はるさんに救われ大将に育てられた道男くんは、恩送りの人生を歩み始めます。

道男くんが猪爪家で居候したころのことを思うと、道男くんの成長ぶりに泣きそうです。

ところでブログ主は、道男くんが梅子さんと組んで「笹竹」を開業したところで、道男くんの物語は終わりだと思い込んでいました。

実は道男くんにもこんな素敵な結末が用意されていました。

なお、その数年後に梅子さんは引退しアンコの味見のご意見番に。

「笹竹」は道男くんと大五郎くんの二人で切り盛りすることになります。

猪爪家の変化

猪爪家にも数々の変化があります。

直明くんが猪爪家を出ていくことに。

出て行くと言っても、猪爪家の近所のようですが。

出て行く理由は長男の直正くんが中学生になったことと、すでに結婚している直人くん夫婦に二人目の子供が生まれること。

ところで直明くんが猪爪家での同居にこだわった理由を覚えておいででしょうか?

直明くんは戦時中の岡山での一人暮らしがトラウマになっていました。

家族と離れ離れになるんが怖かったんです。

そんな直明くんが猪爪家からついに独立。

直明くんの中で戦争が終わった瞬間です。

また、トラちゃんのお騒がせな部分だけ遺伝したらしい直治くんは、サックス奏者の道に進むことが確定します。

一方、結婚後の直明くんの同居をあれだけ拒んだ花江ちゃんは、直明くんが猪爪家を出て行った後も、直明くんと玲美ちゃんを支えることが希望。

両親と夫を亡くして戦後間も無くは気の毒だった花江ちゃんですが、大家族に囲まれ幸せいっぱいの最晩年を過ごすことができるようです。

めでたし。

星家の変化

星家の変化も大きいです。

朋一くんが左遷のような形で異動。

そして法の世界の理想と現実のギャップに苦悩した末に、離婚を突きつけられた朋一くんは退官して家具職人に転向。

しかし、朋一くんは離婚後も元奥様と大の仲良し。

父親と同じ「家族のようなもの」を受け継ぐようです。

また、いつだったか星家で朋一くんの手先の器用さが話題になりましたが、それが家具職人という形で回収されます。

のどかちゃんは銀行を退職し、世界の美術館をめぐる旅に。

美大に進学したかったのに断念した夢を、のどかちゃんは大人になって取り戻します。

涼子さまも司法試験に合格

涼子さまも司法試験に合格します。

しかし涼子さまは、司法修習の道は選びません。

弁護士になる道、ならない道、両方を選べるポジションを涼子さまは手に入れたかったということです。

さらに涼子さまは店の名前にライトハウスとつけた理由をほのめかします。

涼子さまにとってよねちゃんは、やっぱり憧れの存在だったようです。

いつも胸の中によねちゃんがいた。

そんな打ち明け話を涼子さまはします。

かつての華族のご令嬢が心から憧れ、そして支えにもなった存在は、当時、社会の最下層で苦しみ抜いていたよねちゃんだったという結末。

この結末もとっても素敵です。

サイコパス少女・美佐江ちゃんの悲劇

サイコパス少女・美佐江ちゃんのエピソードが20年の時を経て回収されます。

美佐江ちゃんは新潟にいる時、両親からも特別扱いされ、周囲の人々からも名士の娘として特別扱いされた結果、自分は特別な存在だと思い込んでいたようです。

ところが東京に出てきたら、星の数ほどもいる女の子の一人に過ぎない。

誰も自分を特別な存在として認めてくれない。

そのギャップに苦しんだ末に、美佐江ちゃんは身籠りました。

身籠ることで自分は特別な存在に返り咲けるという幻想を抱くものの、その幻想はあっけなく破れ、美佐江ちゃんは娘が3歳の時に自死。

その娘が成長して、母親と同じ道をたどります。

さて、強烈な存在感を放ったサイコパス少女は、実は普通の少女でした。

田舎の狭い世界で自分は特別の存在と思い込んでいたものの、東京に出てきてそれが勘違いだったことに気づいてしまい絶望。

生まれた家を間違えましたね。

とは言っても生まれる家を選ぶことなどできはしませんが。

50歳になった優未ちゃん

最終週で、男女共同参画社会基本法が施行された平成11年(1999年)にスキップ。

前々作『らんまん』でも使われた主人公の死後にスキップする手法が本作でも用いられます。

平成11年、とらちゃんが亡くなって15年。

優未ちゃんは50歳になっています。

ところで、50歳になった優未ちゃんを誰が演じるのか。

もしかすると、語りを担当していた尾野真千子さんが演じるのではないか。

そして、語りが母親の歴史を語っていたという形に収まるのでないか。

そんな展開をブログ主は予想しています。

トラちゃんと航一さん

航一さんはトラちゃんに先立たれてしまいます。

最終週ではトラちゃんが亡くなった15年後が描かれますが、その時も航一さんは存命。

航一さんはすでに老人ホームに入っているという設定です。

一方、トラちゃんは「原爆裁判」「少年法部会の委員」「美佐江ちゃんの娘の事案」を扱った後に横浜家庭裁判所の所長に就任。

女性初の家庭裁判所長となり、仲間たちに祝福される明るく楽しい場面が最後。

永遠のお別れの場面は描かれません。

サブタイトル「虎に翼」

最終週のサブタイトルはなんと、本作のタイトルでもある「虎に翼」。

「虎に翼」ということわざは、中国春秋戦国時代の『韓非子(かんぴし)』の一節が由来。

強い者がさらに勢いを増すことという意味です。

似た意味を持つ言葉に、「鬼に金棒」「虎に角(つの)」などがあります。

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POSTED COMMENT

  1. GRACE より:

    半年間楽しませていただき,有難うございました。

    前半は良く出来ていたと思います。後半はやや時間が不足で、その中に多くの問題を詰め込みました。 土曜日も放送を再開すれば、やや改善されるでしょうか.

    先日、脚本家の吉田さんがNHKのインタビューに応えておられました。その中で, 吉田さんの中に,まず,法律があったこと,そしていくつかのマイノリテイーの課題があったことを伺いました。断定はできませんが、そこに三淵さんを当てはめたという印象を受けました。

    マイノリティーの様々な課題は多くを考えさせらるものでした。ただ、後半,あまりにもプロパガンダ的な展開になりすぎなかったでしょうか。  その中で最も端的なものは,夫婦別性の問題でした。これは事実に反しています。ドラマ化するにしても、 ここは三淵さんの生涯を尊重すべきでした。当時,内縁関係は法曹界のエリートの間で,すんなり受け入れられたとは思えません.お二人とも出世はできなかったでしょう。あの保守的な桂場さんが黙っていたわけはありません。ここは脚本家の個人の主張を無理に通した不自然を感じます。 

    短い時間で,何も死後十五年経った,年老いた航一さんを出す必要はなかったと思います。 もう少し,裁判所長としての主人公,そして夫婦が共に歩む姿を描いていただければ,なお良いドラマになったと思います。 死後まで描く必要はないのではないでしょうか。

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