あんぱん

嵩の漫画が最高賞を受賞 / あんぱん 第114回

2025/9/4(木)第23週「ぼくらは無力だけれど」

あらすじ

昭和42年(1967年)7月。嵩が応募した漫画コンクールの結果が発表される日。嵩の作品はコンクールで大賞を受賞しました。その数日後、八木の会社で嵩の受賞祝いが開かれました。受賞祝いには嵩の仲間たちが集まり、嵩を祝福しました。

そんな中、のぶは登美子から本格的に茶道を習い始めました。のぶが登美子に稽古をつけてもらっていると、そこへ手蔦治虫がやって来ました。嵩に仕事を頼みに来たという手蔦は、のぶに茶を点ててもらうとその場で居眠りしてしまいました。

手蔦が眠り続ける中、嵩が帰宅しました。目を覚ました手蔦は、これから大人のためのアニメーション映画を制作することを告げ、嵩にキャラクターデザインを担当しもらいたいと依頼。手蔦からの依頼を嵩は感激して引き受けました。

一方、八木の会社にはもう行かないと言っていた蘭子は、再び八木の会社の仕事を引き受けることにしました。ある日、依頼された宣伝文の原稿を八木の会社に届けに来た蘭子は、そこで思いがけない人物と遭遇しました。

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感想

ついに「漫画家」に

これまで自称「漫画家」みたいな状態だった嵩くん。

ついに自他ともに認める漫画家になることができました。

ここまで本当に長かった。

中学時代に新聞社の漫画懸賞に応募し何度も入選。

早いうちから漫画家としての才能が芽生え始めていたにもかかわらず、芽生え始めた状態のままずっと今日まで来ました。

戦後も上京してから漫画の仕事はいっぱいあったはずです。

しかし、そのほぼすべては独自作品の漫画ではなく、下請け的な仕事の漫画でした。

穴埋めのための漫画を手っ取り早く仕上げてくれる人。

それがこれまでの嵩くんでした。

独創漫画派の面々が世界旅行に行く際、嵩くんに声をかけなかったのは、彼らは嵩くんを漫画家として認めていなかったのかも知れない。

そんな嵩くんが大賞を受賞。

初の代表作が誕生しました。

認められた「漫画家」としての仕事

漫画家としての代表作が世に出た直後に、漫画の神様から漫画家としての仕事を認めてもらうことまで出来ました。

嵩くん、追い風が吹いてきました。

手蔦治虫、いつぞや嵩くんに電話をしたら、イタズラ電話と間違えられ一方的に電話を切ってしまいました。

なので、今回は直接出向いてきたのかな?

いきなりの来訪。

漫画の神様を迎えたのはのぶちゃん、羽多子さん、登美子さん。

三人の中で登美子さんの反応が一番面白い。

漫画の神様が自分の息子の家を訪ねてきたことで見栄っ張り欲求が満たされたことでしょう。

いつだったか漫画はもうやめろとまで言った登美子さん。

漫画の神様からの仕事の依頼があったことで、漫画をやめろ発言は撤回されるかと。

できることなら漫画コンクールの大賞受賞への登美子さんの反応も見てみたかったです。

蘭子ちゃん

八木さんの会社にはもう行かないと宣言した蘭子ちゃん。

のぶちゃんと羽多子さんの言葉が効いたのか、再び八木さんの会社へ。

そして八木さんからの仕事の依頼を再び引き受ける蘭子ちゃん。

羽多子さんも蘭子ちゃんの意中の人が誰なのかが分かった様子です。

さすが羽多子さん。

でも、こういった話には誰よりも敏感なメイコちゃんはまだピンと来てない顔を浮かべていたのが不思議。

家族の反応はともかく、蘭子ちゃんと八木さんの関係はこれでほぼ回収です。

あとは二人が結婚するのか今のままでいるのか、最終回までに二人の結末が描かれるのでしょう。

そんな蘭子ちゃんが意外な人物と遭遇して今回は終了。

遭遇したのはヤムおじさん?

八木さんが孤児院に納入するパン屋さんで働いているのかな?

蘭子ちゃんがヤムおじさんと再会すること。

それが明日であること。

以上の二点はすでにアナウンスされているので、蘭子ちゃんが遭遇した人物はヤムおじさんで確定でしょう。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

ヤムおじさんが再登場のフラグ

今週、ヤムおじさんが再登場します。

東京編に入ってからヤムおじさん再登場のフラグは二度ほど立ちました。

一度目は健ちゃんの目撃情報です。

健ちゃんは新橋の街角でツボを抱えた男性が小走りしている姿を目撃。

健ちゃんがそのことをのぶちゃんや嵩くんたちに報告すると、面々はそれはヤムおじさんに違いないと確信。

ヤムおじさんが東京にいるらしいこと。

さらにツボを抱えていることから、パン職人に復帰したらしいこと。

などなどが分かり、ヤムおじさんは間違いなく再登場するだろうと信じるに足るフラグが立ちました。

二度目は羽多子さんの一言です。

蘭子ちゃんとメイコちゃんから東京に来てほしいと言われた羽多子さんが上京。

その際に、ヤムおじさんがいないと上手にアンパンを焼くことができないと羽多子さんは言いました。

わざわざ羽多子さんに「ヤムおじさん」の名前を言わせることで、これもさりげないフラグとなりました。

この二つのフラグを経て、いよいよヤムおじさんが再登場します。

ヤムおじさんの前回の登場場面

ヤムおじさんが再登場。

前回のヤムおじさんの登場場面は、戦後間もない頃のカマジイの葬儀の場面でした。

カマジイに会う気満々で朝田家にやって来たヤムおじさんの第一声は「じいさん元気か?」でした。

しかし、その日は「じいさん」の葬儀の日でした。

あの時のヤムおじさんの姿は見ていて痛々しかった。

かつてやむおじさんとは犬猿の仲だったカマジイですが、ある時期からヤムおじさんにとってカマジイは心を許せる大事な存在になっていたような気がします。

なにしろ戦争の心の傷を唯一打ち明けた相手がカマジイでしたから。

そしてカマジイもまた、ヤムおじさんの心の傷の深さをしっかりと理解していました。

もし終戦間もないあの頃に、まだカマジイが生きていたら。

ヤムおじさんは再び朝田家に住み着いていたような気がしています。

戦時中にヤムおじさんが朝田家を去った際、カマジイがヤムおじさんに言いました。

この頑固ジジイと一緒に御免与でジジイになればいいと。

ヤムおじさん、そのつもりで御免与に戻ってきたのではないでしょうか。

今週のヤムおじさん

今週、再登場するヤムおじさんは、今もふらっと訪れた地でパンを焼いて過ごし、ある日またどこかへ旅立つ。

そんな暮らしを続けているという設定です。

健ちゃんが新橋でヤムおじさんの姿を目撃した際も、ヤムおじさんは旅の道中だったのかもしれません。

新橋といえば美村屋がある銀座の隣町なので、ヤムおじさんの美村屋復帰を期待していたのですが、それはなさそうです。

さて、このページをアップした段階でのヤムおじさんの再登場場面で分かっていることは以下のとおりです。

ヤムおじさんとばったり出くわすのは蘭子ちゃん。

蘭子ちゃんがどこでヤムおじさんと遭遇するのかは不明です。

そして蘭子ちゃんはヤムおじさんを柳井家に連れてきます。

柳井家はこの時点では四谷のマンションに移転し、羽多子さんも同居しています。

実は蘭子ちゃんもこの頃にはのぶちゃんと嵩くんが暮らしているマンションの階下の一室に引っ越してきています。

さて、柳井家に案内されたヤムおじさん。

残念ながらそのときに嵩くんは不在です。

でも、ヤムおじさんが以前と同じように旅をしながら暮らしていることを知り、ヤムおじさんの心の傷はまだ癒えていないと嵩くんは察します。

そしてヤムおじさんみたいな人を漫画の力で救いたいと嵩くんは決意を新たにするのだそうです。

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POSTED COMMENT

  1. 名乗る程の者ではございません様。「火の鳥」実写版については「太陽にほえろ」のジーパン刑事(松田優作さん)の台詞じゃないけど、まさに「なんじゃこりゃ」でしたね。巨匠市川崑監督の数すくない汚点のひとつ。

  2. 名乗る程の者ではございません様。早速のご返信ありがとうございます。そう言えば宮崎駿さんが虫プロ、手塚プロの労働環境の悪さを、というかその原因を作った手塚治虫さんを批判しておられました。業界のトップが率先してやってたからアニメ界全体がブラックな職場になってしまったと。宮崎さんや、高畑勲さん、大塚康生さんが所属していた東映動画は、労働組合の力が強かったのでなおさらだったのですね。尚、東映動画労働組合と、会社側の軋轢は朝ドラの「なつぞら」でかなり薄めて描かれていましたね。

  3. 蘭子さん、あの人とここで再会?手嶌さんいや手塚さんって連載漫画に加えて「虫プロ」を立ち上げて「鉄腕アトム」のアニメも手掛けていたので、めっちゃ忙しかったんですね。「火の鳥」はもっと後かな?この人「鉄腕アトム」では、原画や絵コンテだけでなく、アニメーターの仕事が見てられなくて、時々,作画にも手を出してたらしい。手塚さんは「虫プロ」の社長にして、会社で一番働く人だったらしい。幼少期、私「鉄腕アトム」のアニメ全話見てました。最終回は感激して泣いてしまいました。

    • 名乗るほどの者ではない より:

      還暦のたつお様

      虫プロではなくその後の会社の手塚プロダクションでの話ですが、手塚先生が休まないからスタッフも休めないし抽象的なリテイク指示が先生から多発した結果、第1回24時間テレビ2時間アニメ「バンダーブック」の際に会社が野戦病院みたいになったエピソードは「ブラックジャック創作秘話」という作品で描かれています
      そんな状況だったゆえその後手塚プロダクションのアニメ製作の時には手塚先生が真っ先にスタッフから外されるようになったとのことで
      因みに虫プロ末期の頃は手塚作品がウケなかった時期(ブラックジャックで人気復活するまで)で手塚作品以外のアニメも製作しています、意外にも手塚作品の対極にあるような「あしたのジョー」や「ハリスの旋風」のアニメは虫プロ製作です

    • 名乗るほどの者ではない より:

      追記します

      因みに虫プロ倒産の際に「金輪際アニメはやりません」と宣言した数年後「手塚、またアニメやります」と言ってしまうあたりが大先生らしさですかね
      というわけで「バンダーブック」とほぼ同時期に公開された実写+アニメ「火の鳥」映画版でしたが・・・何じゃこりゃというのがガキだった頃の素直な感想でしたね(原作は邪馬台国と古事記や日本書紀等が絡みめちゃくちゃおもしろいですが)、因みにこの映画がデビュー作で主人公だったのが「あまちゃん」でアキちゃんパパを演じた尾美としのりさんでした

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