NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ばけばけ』
2025年12月1日 〜 12月5日放送
あらすじ
風邪をひき寝込むヘブン
ヘブンが松江で初めて迎える冬。その年、松江には寒波が襲来しました。ヘブンは寒さが大の苦手でした。そして風邪をこじらせ寝込んでしまいました。
ヘブンは自宅療養することになり、生徒の一人・小谷が見舞いにやって来ました。小谷はトキに好意を抱き、松野家の家族も小谷を婿の候補として期待していました。
トキの変化
一方、トキはその後もタエのもとで花や茶の稽古に励んでいました。そんな中、ヘブンからトキと比較されることが不満のリヨは、トキに稽古をやめるよう告げました。
同じころ、遊郭で働くなみはトキの変化に気づき始めていました。トキがいつも幸せそうな表情でいることになみは鋭く気がついたのです。
怪談に夢中のトキ
ヘブンの風邪が回復。トキはヘブンと小谷とともに清光院に足を運びました。そこにはトキが大好きな怪談の舞台となった血の跡がある井戸がありました。
井戸の血の跡に夢中になるトキの姿に小谷は唖然としました。そして小谷の中のトキへの想いは清光院訪問を機に萎えてしまいました。
ばけばけ|感想あらすじネタバレトップページ
今週の展開
46: 12/1(月)
47: 12/2(火)
48: 12/3(水)
49: 12/4(木)
50: 12/5(金)
予習レビューと史実のリアルエピソード
セツの教養
セツは晩年、茶道玉川遠州流の皆伝を受け、また華道を池坊で稽古するなど、趣味とは言えぬレベルの茶華道へのたしなみを持つ女性でした。
そんな教養をセツが身につけたのは生家の小泉家での稽古でした。
ある日、セツは生家の小泉家から呼び出されました。
しかもセツを呼び出したのは、セツのことを絶えず気にかける実父である小泉弥右衛門湊ではなく、実母のチエでした。
小泉家に駆けつけたセツにチエは告げました。
これから武家の娘のたしなみとして茶の湯や生け花を学べと。
チエがセツに武家の娘のたしなみを身につけろと言ったのは、実父である小泉弥右衛門湊が妻すなわちセツの実母であるチエに命じたためでした。
チエはお姫様育ちで諸芸を仕込まれて育った女性でした。
そんなチエからセツは、茶の湯や生け花に加えて、着物や調度品、室内装飾の見方。
さらに日本の美術や音曲など武家の娘のたしなみを徹底的に叩き込まれました。
当時、織子として働き詰めで将来のことなど考えるゆとりのないセツには、武家の娘のたしなみを身につけたところでそれが何の役に立つのか想像すらできませんでした。
その一方でセツは、小泉家で諸芸の稽古をする時間は、厳しい日常生活を忘れ、自分が武家の娘であることの誇りを思い出せてくれる時間でもありました。
そしてセツが娘時代に小泉家で身につけた教養は、後に夫なるラフカディオ・ハーンの日本文化への理解に大いに貢献しました。
しかし、小泉家で諸芸の稽古をするセツに将来の伴侶への貢献など知る由もありません。
一方でセツは、自分の将来の伴侶は遠いところに住む人物ではないかという暗示めいた出来事を体験していました。
セツが小泉家に復籍
セツは離婚後に小泉家に復籍しました。
復籍までの経緯は下記の通りです。
明治20年(1887年)セツ19歳のときに為二が出奔。
その三年後の明治23年(1890年)セツ22歳のときに、セツは小泉家に復籍。
稲垣セツから小泉セツになりました。
小泉家に復籍したのは、稲垣の祖父と両親の計らいによるものでした。
セツの戸籍を汚さない計らいでした。
まずはセツと稲垣家の養子縁組を切り、セツは小泉家に復籍する。
為二はただの養子として稲垣家に入ったことにして失踪届を出す。
そして稲垣家から為二を抹消する。
このような手続きをとったと伝えられています。
ただし、セツの小泉家への復籍はあくまでも法律上のものに過ぎず、セツはその後も稲垣家の家族の一員として生活を続けました。
一方、当時の小泉家の状況は、セツの末弟にあたる千代之助がすでに他家に養嗣子として出ており、実母のチエ、そして藤三郎、スエの三人のみ。
チエはその日食べていく糧を稼ぐ力はありませんでした。
しかし、かつては名家中の名家であったチエの生家や親戚筋も一様に没落。
チエが頼れるところはどこにもありませんでした。
そんな窮状におちいっている実母のチエをセツは見放すわけにはいきませんでした。
そのようなわけで、セツは稲垣家の家族と小泉家の家族を支えることになりました。
ばけばけ|感想あらすじネタバレトップページ