ヘブンとの日々 / ばけばけ 最終回/125回
2026/3/27(金)最終週/第25週「ウラメシ、ケド、スバラシ。」
あらすじ
ヘブンにフロックコート着用を強いたことを思い出したトキは、自分はヘブンを縛り付けていたのではないかと悔やみました。そんな中でトキは、ヘブンはある時期からフロックコートを嫌がらなくなったことに気がつきました。
トキは考えました。縛り付けようとする自分に愛想が尽きて、ヘブンはフロックコートを着るようになったのではないかと。その話を聞かされた丈は笑い出しました。そして笑った理由をトキに語りました。
トキが発音したフロッグコートは蛙コートという意味になる。ヘブンはトキの発音間違いが愛おしくてフロックコートを着るようになったのではないかと。丈から指摘されたトキは、ヘブンと過ごした他愛のない日々の幸せを思い出しました。
その時、トキの手に蚊が留まりました。トキは思い出しました。ヘブンが生前、蚊に生まれ変わりたいと言っていたことを。それからのトキはヘブンとの他愛のない日々を語り続け、それは『思ひ出の記』という本になるのでした。
完
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感想
最終回の放送が終了し、半年間のストーリーが完結しました。
最終週の振り返り
最終週の月曜日、冒頭だけはとても幸せな状況が描かれました。
前週の中でトキちゃんとヘブンさんが息を合わせながら執筆を進めた渾身の一作。
『KWAIDAN』が出版物となってアメリカから届きました。
ヘブンさんによれば『KWAIDAN』の評判はアメリカで上々で、よく売れているらしい。
ヘブンさんの説明に松野家の面々は湧きました。
しかし、荷物に添えられた書評の切り抜きを射るような眼差しで一瞬だけ見るヘブンさん。
この時のヘブンさんの表情の理由は月曜日のうちに回収されました。
夜になり、書斎であらためて書評に目を通すヘブンさん。
実は『KWAIDAN』は酷評されていました。
それも、これ以上ないほどの酷評。
ヘブンさんが酷評の書評を読んでいる最中に今度は発作が起こるヘブンさん。
酷評と発作。
2つの困難が描かれました。
ヘブンさんは病気になったことをトキちゃんだけに報告。
ヘブンさんは遺書まで書いたものの、トキちゃんを心配させ過ぎたことに気がついたのか、病気は治ったと優しい嘘をつきました。
そんなわけで最終週は、主人公が二つの困難に遭いました。
ただし、二つの困難に主人公は気がついていない。
主人公に落とし穴が用意されるような状況。
それが最終週の月曜日。
そして火曜日。
酷評と発作のうち、発作が「死」という形で回収。
これまで、最終週で描かれる朝ドラ主人公の生涯の伴侶との永遠の別れの場面は、月曜日にフラグが立ち最終回の前日に「死」で回収される。
それが定番のパターンだったと記憶しています。
しかし本作は火曜日でいきなり永遠の別れがやって来ました。
これには驚きました。
トキちゃんの言葉を借りるなら、本当にあっけない最期でした。
しかし、ストーリーはまだ週の前半。
水曜日にはイライザさんの来日によって困難の第二波が来ました。
実は酷評されていたという真実。
ヘブンさんの作家としての名声が台無しになってしまったという真実。
これらをトキちゃんが知ってしまうという困難の第二波です。
そして困難の第二波は最終回の前日になっても救いの道筋が見えないまま。
最終回
そして迎えた最終回。
ヘブンさんに洋装を半ば強要したことを悔やむトキちゃんの姿からスタート。
洋装=フロックコートを嫌がるヘブンさん。
ところがある時期からフロックコートを素直に着るように。
そして、何故だかヘブンさんは「フロックコート」という言葉を繰り返しトキちゃんに言わせる。
実はトキちゃんは「フロッグコート」と発音していました。
ブログ主もおや?とは思いました。
しかし「Thank you.」が「センキョー」になるトキちゃんのことです。
いつものやつぐらいにしか認識していませんでした。
ところが、フロッグ=蛙が突破口でした。
他愛のない日々を思い出すトキちゃん。
すると蚊が飛んでくる。
あの蚊は間違いなくヘブンさんだったのでしょう。
『KWAIDAN』の前を飛ぶ姿がすべてを物語っていました。
トキちゃんが語ったヘブンさんと過ごした他愛のない日々は『思ひ出の記』となって出版はナレーションによって説明。
それはトキちゃんが完全に立ち直ったことを意味していました。
『KWAIDAN』はトキちゃんとヘブンの死後に世界的な大ペストセラーになったとの由。
こうして酷評も無事に回収されました。
というわけで「何も起こらないドラマ」という宣伝文句で放送が始まった本作。
実際は山あり谷ありで色々なことが起こるドラマでしたが、半年を振り返ると「何も起こらない日々」がたまらなく愛おしくなる物語でした。
予習レビューと史実のリアルエピソード
ついに『ばけばけ』は最終回を迎えます。
最終回にあたり、実在モデルの二人の生涯をまとめてみました。
リアルトキちゃんが64年の生涯の中で、リアルヘブンさんとの時間を過ごしたのはわずか13年。
リアルヘブンさんも54年の生涯の中で、リアルトキちゃんとの時間を過ごしたのは人生最後の13年です。
二人の生涯の中で実に短い時間でありましたが、それぞれの生涯の中で最も濃密で幸せな時間を過ごすことができたのではないでしょうか。
リアルトキちゃんとリアルヘブンさんの生涯
| 小泉節子の生涯 | 小泉八雲の生涯 | |
| 1850年 嘉永3年 | 6月27日、アイルランド人の父とギリシャ人の母の間に、当時イギリス領だったレフカダ島で生まれる。 | |
| 1854年 嘉永7年 | 両親が離婚し両親から捨てられ、大富豪だった父方の大叔母に引き取られる。 | |
| 1866年 慶應2年 | 16歳の時に遊具が左目に当たり失明する。その翌年には大叔母が破産して経済的に困窮。 | |
| 1868年 慶應4年 | 2月4日、出雲松平家の番頭・小泉八代目弥右衛門湊と、小泉チエの次女として誕生。生後7日で親類である稲垣家の養女となる。 | |
| 1869年 明治2年 | 米国に向かう移民船に乗りニューヨークに上陸。その後、シンシナティに移動。 | |
| 1874年 明治7年 | インクワイアラー社に入社。マティ・フォリーと結婚。 | |
| 1875年 明治8年 | 当時、違法だった黒人との混血との結婚を理由にインクワイアラー社を解雇。 | |
| 1877年 明治10年 | マティ・フォリーと離婚。シンシナティを離れニューオーリンズへ行く。 | |
| 1879年 明治12年 | アイテム社の編集助手となる一方で食堂「不景気屋」を開業。しかし経営に失敗し閉鎖。 | |
| 1882年 明治15年 | タイムズ・デモクラット社の文芸部長になり、エリザベス・ビスランドと知り合う。 | |
| 1886年 明治19年 | 前田為二と結婚。しかし為二は一年足らずで出奔。 | |
| 1890年 明治23年 | 為二との婚姻関係を解消して小泉家に復籍。 | エリザベス・ビスランドから、日本は清潔で美しく夢のような国であったと知らされ、日本に行くことを決意。当時英訳された『古事記』に描かれた日本への興味もあった。 7月、島根県尋常中学校の英語教師になる。 |
| 1891年 明治24年 | 1月、ラフカディオ・ハーンの住み込み女中として雇われる。 8月、友人に出した手紙の中で小泉セツとの結婚を報告。 11月、夫婦は熊本県熊本市に転居。 | |
| 1893年 明治26年 | 長男の一雄が誕生。 | |
| 1894年 明治27年 | 兵庫県神戸市に移転。この頃より、セツが素材を提供し八雲が執筆するようになる。 | |
| 1896年 明治29年 | 兵庫県知事の承認を得て日本に帰化。小泉家への「外国人入夫結婚」の願いが島根県知事に承認され正式に「小泉八雲」となる。同年、東京府牛込区市谷へ転居。 | |
| 1902年 明治35年 | 西大久保に引っ越し。この頃より小泉八雲の健康が衰え始める。 | |
| 1904年 明治37年 | 小泉八雲死去、満54歳没。 小泉セツは36歳だった。 | |
| 1906年 明治39年 | 八雲との思い出をまとめた『思い出の記』が英訳され、エリザベス・ビスランドの著書『ラフカディオ・ハーンの生涯と書簡』に収録され刊行。同著の収益は小泉家に贈呈された。 | |
| 1914年 大正3年 | 『思い出の記』が田辺隆次著『小泉八雲』収められて出版される。 | |
| 1932年 昭和7年 | 死去、満64歳没。 | |
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何も起こらないドラマとの宣伝文句でしたが、有名な波乱万丈な夫婦の物語なんだから、そんなはずないでしょと思っていたら、なんと本当に日々の生活のみ描いたドラマでした!
ビアを聞き取れなかったり、スキップができたり、焼き網がなくなったり、このままのペースでは松江時代だけで終わるのではないかと思ったほどです
しかし、こんな日常生活の描写のみでドラマが成立するのは、脚本も秀逸ですが、実力もあり魅力的な俳優さん達のおかげです
小日向さん、岡部さん、池脇さんの安定感はもちろんのこと、国宝級の錦織さん、そして、恥ずかしながら高石あかりさんのことは今回初めて知ったのですが、おトキちゃんの豊かな感情表現が最高に魅力的でした!
そんなのほほんとした異色のドラマが、最終回の前日に結婚生活を全否定して、精神的にどん底という異色の展開を見せました
1日でどうやって回復させるのかと心配になりましたが、やはり最後はささやかな勘違いや笑いが、日常生活の愛おしさを再確認させてくれました
エンディングもとても素敵でした
朝蔵さん、今作も丁寧な解説、感想ありがとうございました
次回作もよろしくお願いします
その演出いる?
と涙以外の液体を出して大き泣きするシーン
思い出すのが「ごちそうさん」で杏さんが演じた同じようなシーン、その際にはものすごく慟哭していると感じたが(その際には緑子さんの罵倒に限りなく近い叱責がアシストで演出されていましたが)今回は冒頭の感想だったなあ
と申しますか、15年程前の杏さんの方が遥かに格が上だとすら感じた
マスコミなんかは今作のヒロインを絶賛しまくっていますが個人的にはこのぐらいですわ、ワイ的には杏ちゃん(15年前)の勝ち
「『KWAIDAN』は二人の死後世界中で大ベストセラーとなった」
以前のドラマの「はっさい先生」で旧制中学校の英語の授業で「A Mujina」を題材にしている件があったのを覚えてます。
「はっさい先生」は昭和初期から終戦直後にかけてのドラマでした。
その頃にはもう英語の教材としてもとりあつかわれていたのですね。
毎回最終回に投稿しています。多くの過去作と異なり、本作はアジア・太平洋戦争を挟まないので、主人公や周囲の人生が劇的に大きく変わることがなく、良い意味で淡々とした日々の中で、一つ一つの出来事を丁寧に描かれていて良かったです。ただ東京に来てからのKWAIDAN執筆・刊行に至る部分はもっと丁寧に描いて欲しかったなとは思います。
髙石あかりさんは、TBS「御上先生」で自分が裏口入学だったことを知って卒業直前に自主退学し、大検受けて志望校に合格する難しい役を上手に演じ、今回は全く異なる役をしっかり演じきっており、今後益々の活躍を期待しています。
ブログ主さんには、いつも史実とドラマとの違い等の関係情報を分かりやすく解説していただき、ドラマを深く鑑賞できていて本当に感謝しています。次回作もよろしくお願いします。
木俣冬さんの最終回前の感想を読みました。やはり私と同様の感想を抱いておられたようです。ご指摘されてたように「らんまん」も完成度高かったな。
さて、最終回。生前の回想シーン。徐々に後述筆記を進める。フロックコート、蛙コート。やっと面白いエピソードを思い出す。やっと本来の自分を取り戻すおトキさん。絵の数々、おトキさんの笑い声。そして号泣。なんか貰い泣きしちゃた。蚊のエピソード。タイミング良く蚊が。ここでテーマ曲。良かった。このドラマ完成度から言えば「カーネーション」や「あまちゃん」、「ゲゲゲの女房」と比べると、脚本の構成にいささか難があり、劣っているかと思うけど。好きなシーン、泣けるシーンは結構あったし、映画並の凝ったカメラアングル、編集はなかなか良かった。最終回での現在と過去のフラッシュバックはなかなか効果的だった。なんか終盤の失点を最終回で取り返した感じ。(WBCベネゼエラ戦もこうであれば良かったのに)あとは朝ドラウオッチャーの木俣冬さんの総評を待ちたい所です。
このドラマで高石あかりさんが気になった方には、彼女の単独初主演作の「ゴーストキラー」をお勧めします。これはどこにでもいる、ちょっとドジな女の子が、組織に殺された凄腕の殺し屋の幽霊に憑依されてしまい(殺し屋の遺体は組織に処分されているので実体は存在していない。)女の子は殺し屋から格闘能力を受け継いでしまう。ただしフィジカルはそのままなので、戦闘後に彼女の体にダメージが残る。殺し屋の姿は女の子にしか見えないので、傍目には殺し屋と会話しているのが、独り言を言っているようにしか見えない。最初、女の子は殺し屋の霊を追い出したいと思っていたけど、組織に復讐したい殺し屋の幽霊と、女子を虐める悪い奴らに正義の鉄槌を下したい女の子の思惑とが一致して二人は共同戦線を張る事になります。この映画、高石さんを一躍有名にした「ベイビーわるきゅーれ」シリーズの阪元祐吾監督が脚本を書いていて高石さんの演技力、アクション力を最大限引き出していて、香港のアクション映画や「ジョン・ウィック」シリーズの好きな方にもお勧めです。気になった方は、配信やレンタルで視聴可能です。よろしくお願いします。
以前にコメント致しました大阪制作で吉本興業に所属するタレントが出演していない朝ドラですが「純と愛」が近々作品でしたね、ええ加減な調べ方でしたので間違えていたらごめん
ということで、今作の最終回直前までまとまりない展開は「純と愛」に共通するもんがあるかと個人感、最終回はほぼ詩の朗読でチューしても目覚めない演出を思いだしたわ
因みに「純と愛」は恋愛至上主義的な根底と時折見られたクサイ演出は勘弁してくれという感だったけど物語としてはおもしろかったかな、物語自体にパワーもあったかなと、個人的には
「ばけばけ」には話はそこそこおもしろいかったかな、パワーは全く感じないけどというのが正直なところ、ワイ的には「純と愛」の勝ち