虎に翼

虎に翼 第10週「女の知恵は鼻の先?」予習レビューとあらすじ

NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『虎に翼』
2024年6月3日 〜 6月7日放送

あらすじ

寅子が民法調査室で仕事を得る

昭和22年(1947年)3月、寅子はある決意を固めて法曹会館の人事課に足を運び、そこにいた桂場に告げました。裁判官として採用してほしいと。

桂場は寅子を追い返そうとしました。しかし、その場に居合わせた裁判官で、民法調査室主任の工藤頼安が寅子のことを気に入りました。

寅子は裁判官としては雇われませんでした。しかし工藤の提案により、寅子は工藤が所属する民法調査室で働くことが決まりました。

女性の地位向上をめぐる議論

民法調査室で働くことになった寅子は法改正の仕事に取り組み始めました。そのころ民法改正審議会が開かれ女性の地位向上をめぐって議論が続けらていました。

同審議会の委員の一人、法学者の神保は保守的な考え方の持ち主で女性の地位向上に対して慎重な姿勢を示していました。

同審議会には穂積も参加していました。穂高は女性の権利向上を説き、真っ向から意見が対立する神保と激論を繰り返しました。

寅子と花岡の再会

ある日、寅子は花岡と再会。そのころ花岡は東京地裁に戻り、食糧管理法違反の事案を担当していました。寅子は花岡に仕事上の悩みを打ち明けました。

寅子に悩みを打ち明けられた花岡は寅子を言葉を尽くして励ましました。そして、昭和22年(1947年)12月、民法を改正する法律案が完成しました。

そんな中、花岡が餓死しました。花岡は法令遵守に徹し闇市のものを一切口にしませんでした。そして栄養失調におちいった末に餓死したのです。

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今週の展開

46: 6/3(月)
47: 6/4(火)
48: 6/5(水)
49: 6/6(木)
50: 6/7(金)

予習レビューと史実のリアルエピソード

裁判官採用願

今週、ドラマの中ではトラちゃんが裁判官として採用してほしいと直談判しますが、これは史実をモチーフにしたエピソードです。

史実ではリアルトラちゃんは「裁判官採用願」を司法省の人事課に提出しました。

ところでリアルトラちゃんが、戦後になって弁護士ではなく裁判官の道を選んだのには理由があります。

リアルトラちゃんは、弁護士になる以前は、弁護士という職業は困った人の正義の味方であると考えていました。

しかし弁護士の実務に携わる中で「正義の味方」とは言えない現実に直面しました。

リアルトラちゃんの言葉を借りると次のとおりです。

「依頼者のために白を黒と言いくるめないといけないことがあった」

平たく言えばウソを言わねばならないときもある。

それが耐えられず、戦後は弁護士ではなく裁判官に道を選んだということです。

リアルトラちゃんが法律の世界に飛び込んだのは

「本当に正しいことをはっきりさせる仕事をやりたかった」

から。

やりたかった仕事は同じ法律の世界であっても弁護士ではなく裁判官であったようです。

花岡くんの餓死

ドラマの中で描かれる花岡くんが餓死する悲しいエピソードは、戦後に実際にあった出来事をモチーフにしています。

この出来事は朝ドラ『梅ちゃん先生』の中でもセリフによって紹介されました。

実際に餓死したのは山口良忠氏という裁判官です。

ドラマの中の花岡くんと同様に、山口氏も闇米などを取り扱い食糧管理法違反で検挙、起訴された被告人の事案を担当していました。

山口氏はある時期までは闇米を食べていました。

しかし食糧管理法違反の事案を担当する中で次のように考えるようになりました。

配給される食糧だけでは生きていけない、違法である闇米を食べなければ生きていけないのは事実だ。

それなのに自分は闇米業者を取り締まっている。

自分は闇米を食べてはいけないのではないかと。

そこで、闇米を食べることをやめ、親類縁者から送られてきた食糧なども受け取りを拒否。

ついに栄養失調に伴う肺浸潤で死亡、33歳でした。

ちなみに山口氏は大正2年(1913年)生まれ。

リアルトラちゃんが大正3年(1914年)生まれで同年代なので、花岡くんの実在モデルは山口氏ということも考えられます。

サブタイトル「女の知恵は鼻の先?」

今週のサブタイトル「女の知恵は鼻の先?」の「女の知恵は鼻の先」は次のような意味の言葉です。

女は目先のことにとらわれ、遠い先のことを見通す思慮に欠けているという女性を卑下する意味。

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