2025/6/26(木)第13週「サラバ 涙」

あらすじ

次郎が若い頃に使っていた速記の本によって、のぶは夜を徹して次郎が日記に遺したメッセージを読み解きました。そして次郎の最後の夢を知ったのぶは、その日以来、速記の練習に没頭しはじめました。

そんな中、羽多子がのぶを訪ねてきました。その時、のぶの家にいた節子は羽多子に告げました。のぶはまだ若い。だから若松家に縛られて欲しくない。自分は大阪の長男の家に行くつもりなので、のぶは気兼ねなく幸せになってほしいと。

同じころ、嵩のもとに健太郎がやって来ました。嵩がいなくて寂しかったという健太郎は、嵩とともに高知で仕事探しをすることにしました。また、健太郎の生還を知ったメイコは、涙ながらに健太郎との再会を喜びました。

一方、速記の練習にますます熱中するのぶは、闇市の人々の会話を速記でメモ。すると酒に酔った男がのぶに声をかけ、のぶを高知新報に採用すると言い出しました。その翌日、のぶはもらった名刺をたよりに高知新報の本社に足を運びました。

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感想

明るさが戻ってきました。

実質的に今日から物語後半の始まりかもしれません。

のぶちゃん

のぶちゃんが復活しました。

次郎さんがのぶちゃんに遺したメッセージに背中を押されて。

のぶちゃん、速記に夢中。

羽多子さんをあきれさせるほどに。

もしかすると何かに夢中になっていないと悲しさや寂しさに飲み込まれてしまうと、のぶちゃんはそんなふうに感じているのかもしれません。

それでも、のぶちゃんらしさが戻ってきたので、これから安心して見ていられそうです。

そして速記熱はますます高じて、闇市でメモするほどの熱中ぶり。

そんな中でのぶちゃんのこれからに影響を与える人物が登場しました。

酔っ払っていた男性、東海林さんです。

東海林さんの部下の可愛らしい若い男性もなかなかキャラが立っていそう。

そして、登場した新キャラが置いて行った名刺をたよりにのぶちゃんは高知新報へ。

物語後半が動き始めました。

健ちゃん

健ちゃんが登場し、明るさ倍増です。

健ちゃんが来た理由がどうしても読めない嵩くん。

健ちゃんが御免与まで来た理由は単純明快。

寂しかった、嵩くんと一緒にいたかった。

ただ、それだけ。

そして嵩くんに引っ張り出される形で嵩くんは仕事探しへ。

このタイミングでもし健ちゃんが来ていなかったら、嵩くんはもしかするとずっと家の中に引きこもっていたのかも。

そういう点でも健ちゃん、いいタイミングで来てくれました。

そして何より嬉しいのは健ちゃんとメイコちゃんの再会です。

今回の二人の再会場面で確信しました。

健ちゃんとメイコちゃんは将来、間違いなく夫婦になるだろうと。

メイコちゃん、良かったね。

次郎さんの趣味

ところで、ブログ主には次郎さんの趣味をわざわざ描くことが腑に落ちませんでした。

趣味とはカメラのことです。

次郎さんは、物語の後半が始まって早々に退場することは分かっていました。

なので、そのようなキャラクターの趣味をどうしてわざわざ丁寧に描くのだろうと。

しかし、今回で次郎さんの趣味を丁寧に描いた理由がよ〜く分かりました。

節子さんが羽多子さんに次のように言ったセリフによって理解できました。

カメラに次いで速記という次郎の趣味をのぶさんは継いでくれた、みたいなセリフです。

のぶちゃんは大事な人が大切にしていることを自分も大切にできる女性なのでしょう。

なので、写真撮影や写真現像に取り組むのぶちゃんの姿も丁寧に描かれてきました。

そんなのぶちゃんの性格がすでに表現されていたので、次郎さんが若い頃に夢中になっていたらしい速記に、のぶちゃんが夢中になっても不自然さは皆無。

もし、次郎さんのカメラの趣味が描かれなかったとしたら。

のぶちゃんが写真撮影や写真現像まで挑戦する描写がなかったとしたら。

のぶちゃんが速記に夢中になる描写は違和感しかなかったかと思います。

相変わらず緻密な脚本です。

そして、大事な人が大切にしていることを自分も大切にするというのぶちゃんの性格は、のぶちゃんが嵩くんと結婚した後も発揮されるのでしょう。

嵩くんの夢はのぶちゃんの夢。

そんな日々が描かれる日がようやく近づいてきました。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

のぶちゃんと嵩くんの再会

今週、のぶちゃんと嵩くんが4年ぶりの再会を果たします。

二人が再会するのは焼け野原となった高知市内。

嵩くん、どうやらカマジイからのぶちゃんの居所を聞いて高知市内にやってきたらしい。

嵩くんと再会したのぶちゃん、教師を辞めたことを嵩くんに自ら報告します。

のぶちゃんは続けます。

子供たちに取り返しのつかないことをしてしまった。

子供たちを戦争に仕向けてしまった、と。

のぶちゃんと嵩くんの関係に深い亀裂が入ったときとは正反対の苦悩を背負うのぶちゃん。

そんなのぶちゃんに対して嵩くんは相変わらず優しい。

のぶちゃんは迷っていたのではないかと言って、決してのぶちゃんを責めたりはしないようです。

のぶちゃん、戦時中の本当の気持ちを次から次へと嵩くんに打ち明けます。

大きい波に逆らうのが怖くて波に流されてしまった、などなど。

あのとき、自分はどうすればよかったのかと?と問うのぶちゃんに対して、嵩くんもずっと考えているがわからないと応える。

二人はこれから答え合わせをする中で関係を再構築するのかもしれません。

嵩くんの戦後のフラグ

のぶちゃんとの再会によって嵩くんの戦後のフラグが立ちます。

まだまだ抽象度の高いフラグの立ち方ではありますが。

嵩くんがのぶちゃんに言います。

以下がその概要です。

・正義なんか信じちゃいけない。
・正義は簡単にひっくり返るから。
・もし逆転しない正義があるのなら、それを見つけたい。
・死んだ千尋のためにできるのはそれだけ。
・何年かかっても、何十年かかっても、みんなを喜ばせたい。
・そう思ったら生きる希望が湧いた、絶望なんてしてられない。

アンパンマン誕生の瞬間・・・とまでは言いませんが、アンパンマンの正義感が誕生した瞬間と言えるのは確か。

そして、戦後の嵩くんの活動のフラグが立つ瞬間です。

のぶちゃんの戦後のフラグ

のぶちゃんと嵩くんの再会直後、のぶちゃんの戦後のフラグも立ちます。

ある日、節子さんが次郎さんが生前に使っていた速記の本をのぶちゃんに渡します。

その本のおかげで、のぶちゃんはようやく次郎さんが亡くなる間際に書いた日記を読み解くことができるように。

次郎さんが見つけた「もっと大きな夢」が明らかになるわけです。

次郎さんが書いた速記の記号を読み解くと、そこにはこんなことが書いてありました。

「のぶへ 自分の目で見極め 自分の足で立ち 全力で走れ
 絶望に追いつかれない速さで それが僕の最後の夢」

次郎さんの「もっと大きな夢」が、そのままのぶちゃんの戦後のフラグです。

そして、その日からのぶちゃんは次郎さんの本で速記の勉強を開始。

新しい人生を歩み始めます。

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