2025/7/17(木)第16週「面白がって生きえ」
あらすじ
釜次が寝込んでしまったと蘭子に聞かされ、のぶとメイコが朝田家に帰ってきました。のぶとメイコが朝田家に着くと、釜次は意外なほど元気で仕事をしているところでした。しかし、釜次は肺が弱っていることを羽多子はのぶとメイコに告げました。
のぶは東京で出会った鉄子の話を釜次に語って聞かせました。鉄子のことを語るのぶに対して、本当にやりたいことは何なのかと釜次は問いかけました。その釜次の問いかけに、のぶは何も答えることは出来ませんでした。
そんな中、見舞いのために嵩が朝田家にやってきました。のぶは嵩に、釜次のために漫画を描いてほしいと頼みました。釜次は嵩の漫画を大いに喜び、千尋がもし海軍に志願していなければ、嵩の漫画をもっと読めただろうと惜しみました。
その日の夕方、釜次は結太郎の帽子を手にしながらのぶに語りかけました。戦時中、のぶは家族のために働いてくれた。これからは遠慮なく大志を貫いて欲しいと。そして釜次は、のぶ、蘭子、メイコの歌う「よさこい節」を聴きながら・・・
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感想
カマジイの最期
前回の最後が、蘭子ちゃんが高知まで出向いてのぶちゃんとメイコちゃんにカマジイの状況を伝え、実家に来てほしいと頼む場面。
カマジイそんなに弱っているのかと視聴者として心配しながら24時間を過ごし、そして迎えた今回のアバンタイトル。
カマジイ、いつもどおり仕事をしてました。
咳き込むことはあっても元気に見える。
クラバアも羽多子さんも、いつもどおりの様子です。
でも実は、カマジイは肺が弱っているのだとのぶちゃんらに告げる羽多子さん。
この羽多子さんのカットの直後から、カマジイがいつも通り働く姿はありませんでした。
蘭子ちゃんの言うとおり、やっぱりカマジイはかなり弱っている様子。
今回のカマジイ、死者に語りかける場面がやたらと目立ちました。
語りかけた死者の一人は息子である結太郎さん。
羽多子さんが三人の娘を育てあげる苦労を語りかけたり。
のぶちゃんの大志は何なのか分かるかと尋ねたり。
これまで結太郎さんの帽子に向かって、のぶちゃんや羽多子さんが挨拶したり敬礼する場面は何度もありませんでした。
しかしカマジイが結太郎さんの帽子に向き合ったことはありませんでした。
そんなカマジイが、結太郎さんの帽子に向かって語りかけ、手にとって語りかけ、そして自らかぶって結太郎さんに語りかける。
カマジイが死期をさとったことを暗示しているかのようでした。
カマジイが語りかけたもう一人の死者は千尋くんです。
ラジオのことを千尋くんと呼び、「志願せんかったら兄貴の漫画もっと読めたのににゃあ」と千尋くんの死を惜しむカマジイ。
千尋くんが生きていたころ、カマジイと千尋くんの接点はあまりありませんでした。
それ以降もカマジイが千尋くんのことに触れたのは、嵩くんが戦地から戻り朝田家を訪問したときくらいのはず。
にもかかわらず今回だけでカマジイは千尋くんの名前を二度までも口にしました。
ラジオの存在によってカマジイは千尋くんを身近に感じていたのかも。
そして、千尋くんの名前を口にしたのもまた、カマジイが死期をさとったことの暗示だったのかもしれません。
ただし、一つだけ気になることが。
結太郎さんが亡くなったとき以上に悲しんだ豪ちゃんの名前が、最期のカマジイの口から出なかったことです。
カマジイが豪ちゃんのことを忘れてしまうなんてあり得ない。
カマジイはまだ、豪ちゃんの死があまりにも悲しくて、名前を口に出すことすらできないのかも。
あるいは蘭子ちゃんに気をつかっていることも考えられます。
長く生きた分だけ嬉しいこともたくさんあった一方で悲しいこともたくさんあったカマジイ。
クラバアに「ありがとう」と言うことを忘れないところが素敵でした。
そして三人の孫娘たちとクラバアの「よさこい節」を聴きながら、踊るような気持ちでカマジイは逝きました。
次回
次回はヤムおじさんが再登場するようです。
ヤムおじさんが朝田家を去った際、カマジイがのぶちゃんに言いました。
いつか風向きが変われば戻ってくるだろう。
そのカマジイの予想どおりのことになるようです。
ヤムおじさんの風向きがどのように変わったのかはまだわかりません。
何のために戻ってくるのかもわかりません。
以下はブログ主の推測です。
ヤムおじさんが朝田家を去る直前、カマジイはヤムおじさんにこんなことを言いました。
「頑固ジジイと喧嘩しながらお前もここでジジイになれ」と。
ヤムおじさん、カマジイの言葉どおりのことをしようと考えたのかもしれません。
でもカマジイはもういない。
寂しそうなヤムおじさんの顔を見ることになりそうな次回、今からもうつらいです。
予習レビューと史実のリアルエピソード
釜次さん
今回、カマジイが久しぶりに登場しますが、もしかすると今回はカマジイの最期の場面になるのかもしれません。
嵩くんに漫画を描いてもらう。
結太郎さんの帽子を手にとる。
これらは最期をほのめかすものかと。
また、次回のストーリーもカマジイの不在を暗示しています。
八木さんが再登場
今週、軍隊生活の中で常に嵩くんを助けてくれた、あの八木さんが再登場します。
八木さんの再登場にあたり、八木さんのキャスティングが発表された際の八木さん情報をおさらいします。
八木さんのフルネームは八木信之介。
戦時中の出演場面では、嵩くんが配属されていた小倉連隊の上等兵でした。
そして、軍隊ではとても生き残れないであろう嵩くんのことをいつも気にかけてくれていました。
キャスティング発表時にアナウンスされた情報はこれだけではありません。
実は戦後の役割についてもアナウンスされています。
戦後編でも八木さんは登場し、嵩くんだけでなくのぶちゃんの人生にも影響を与えるというポジションに立ちます。
後半の戦後編では、軍隊生活の場面以上に重要なキャラになることが考えられます。
ただし今週の再登場から、八木さんがそのような立場になるとは思えません。
今週の段階では、まだのぶちゃんと嵩くんは結婚していないからです。
今後の本格登場のフラグ。
それが今週の八木さんの再登場ではないかとブログ主は予想しています。
では、今後の八木さんはどのような立場に立つのか。
まだ関連する情報は一切出ていないので、予測すらできません。
そこで・・・
もしブログ主が、物語後半に入って八木さんを回収するなら史実のどのエピソードを使って回収するか?という課題を出されたら、どう考えるか。
そんな視点で八木さん回収プランを考えてみました。
ブログ主が考える八木さん回収プラン
ブログ主が考える八木さん回収プランは次のとおりです。
史実の中で、リアル嵩くんは三越に入社します。
しかし入社試験の面接の態度が不遜だという理由から、実はリアル嵩くんは一度は不合格になっています。
入社試験で不合格になったリアル嵩くんが最終的に三越に入社できたのは何故か?
実は、当時の三越の重役の一人で、井上慶吉氏という人物がリアル嵩くんは見込みがあると言うことで不合格の結果をくつがえしました。
もし井上慶吉氏という人物がいなければ、リアル嵩くんは三越に入社していないわけです。
さて、もし八木さんを史実のエピソードで回収するなら、ブログ主は三越の井上慶吉氏という人物とそのエピソードで回収するプランを検討します。
井上慶吉氏という人物で八木さんを後半で回収する理由は2つあります。
井上慶吉氏プランの2つの理由
面接試験で不合格になったリアル嵩くんを、井上慶吉氏はあいつは見どころがあるから採用しろと他の重役たちに強く勧めました。
さらに井上慶吉氏は責任はすべて自分が取るとまで宣言。
この行動、軍隊時代に嵩くんを守り続けた八木さんの言動と見事に合致します。
これが1つ目の理由。
2つ目の理由は次のとおりです。
井上慶吉氏は文学をこよなく愛する人物でした。
文学を愛するあまりに井上慶吉氏は自費で『南風』という名の同人誌を出版していたぐらいです。
同人誌と言っても素人の趣味レベルの同人誌ではありません。
一流の執筆陣を揃えていました。
文学を愛している点、趣味レベルで妥協しないストイックな点。
これらも八木さんの性格と合致しています。
以上は、あくまでもブログ主のプランで予想ではありません。
皆さんの八木さん回収プランも聞かせてもらえると嬉しいです。
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名乗る程の者ではございません様。またまたご返答ありがとうございます。ああなった最大の原因は世代的にスタッフの中に当時を現実に知る人がいなくなってしまった事だと思いますが。もちろん現代の不条理に過剰なコンプラも大きい要因なのですが。でも詳細に調べようと思ったら手段はいくらでもあったように思います。ただそれを承知の上であの描写だとすると駄目ですねえ
今回は釜じいをめぐる泣かせるエピソードなので、水を差すようでいささか心苦しいのですが。
(「大都会パート2」を配信で見ながら。徳吉刑事(松田優作さん)が、爆弾犯(小林稔侍さん)をボコボコに殴ってたな。今じゃこのシーン無理。)よく考えたら浅田美代子さんの方が吉田鋼太郎さんより年上なんだよな。設定上も浅田さんは年上の奥さんだったんだろうか?
私は(戦後の)八木信之介のモデルは株式会社山梨シルクセンター→株式会社サンリオの社長を務めた辻信太郎氏ではないかと考えています。その根拠は八木が柳井嵩が持っていた井伏鱒二の詩集に興味を抱いていたと言うことと辻氏が詩のメルヘンをこよなく愛し、わざわざ出版部門を新設してまでやなせたかしの詩集を山梨シルクセンターから出版するなどやなせたかしと深く関わるからです。やなせたかしの話を語るに当たって辻信太郎氏との関わりは外せないと思うので、(戦後の)八木信之介のモデルは辻信太郎氏ではないかと思います。ただ、辻氏は高校卒業後は理兵役を避けるために旧制桐生工業専門学校(現・群馬大学工学部)に進学して軍隊には入っていないので、小倉連隊には当然いません。軍隊時代の八木信之介のモデルはやなせたかしの著書などに登場する初頭兵だと思います。
また、柳井嵩が詩を書いていた描写が今まで皆無なので、上記の逸話が『あんぱん』で描かれない可能性もあるとは思います。