あんぱん

旅に誘われず落ち込む嵩 / あんぱん 第112回

2025/9/2(火)第23週「ぼくらは無力だけれど」

あらすじ

独創漫画派のメンバーたちが世界旅行に出かけたことを健太郎から知らされ、嵩は自分が誘われなかったことにショックを受けました。のぶはその話をメイコから聞きました。そして嵩の気持ちを思うと、のぶは腹を立てずにはいられませんでした。

そのころ蘭子は、のぶと嵩が暮らしているマンションの階下の部屋に転居することになり、引っ越しの準備を進めていました。そこへ蘭子が書いた宣伝文が掲載された雑誌を届けるために八木がやって来ました。

八木は新たな宣伝文を頼みたいと蘭子に告げるものの、蘭子は映画紹介の記事を引き受けたことを理由に断りました。続けて蘭子は言いました。もう八木の会社には行かないと。蘭子の言葉に困惑する八木は・・・。

一方、嵩は落ち込み続けていました。世界旅行に声をかけられず落ち込む自分が情けないと考えていたのです。そんな嵩の姿を見たのぶは、嵩を部屋の外に引っ張り出すと、いごっそう(頑固で大胆不敵)になれと叱咤激励しました。

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感想

蘭子ちゃんは八木さんの前からフェイドアウトしようとした?

八木さんが蘭子ちゃんを訪ねてきました。

蘭子ちゃんが書いた宣伝文の広告が載った雑誌を届けるために。

どうやら蘭子ちゃん、八木さんの会社にしばらく足を運んでいないらしい。

いつもならきっと、宣伝文の広告が掲載された雑誌を蘭子ちゃんが八木さんの会社に取りに行っていたのでしょう。

ところがいつまで待っても蘭子ちゃんが来ない。

だから八木さんが雑誌を届けにきたようです。

近くまで来たからというのは言い訳で、蘭子ちゃんに雑誌を届けることが目的かと。

普通ならこんな雑用、社長のやることではありません。

アキラくんあたりに託せば済む話です。

また、蘭子ちゃんに新たな仕事を頼もうとした八木さん。

その際に、粕谷もアキラもまた君に頼みたいと言っていると社員の二人をダシにしました。

社員の二人を理由にして蘭子ちゃんに仕事を頼もうとする八木さん。

自分の本心を隠したいという気持ちが見え隠れします。

また「粕谷もアキラもまた君に頼みたいと言っている」セリフから、蘭子ちゃんがここしばらく八木さんの会社と距離を置いていたことも推察できます。

蘭子ちゃん、八木さんの前からそっとフェイドアウトするつもりだったらしい。

フェイドアウトしようとした理由は明らか。

蘭子ちゃん、八木さんに恋をしてしまいました。

しかし大事な人を亡くす悲しみを知っている蘭子ちゃんは恋が怖い。

メイコちゃんは蘭子ちゃんに新しい恋を見つけてほしいと言ってましたが、蘭子ちゃんにしてみれば新しい恋は怖さしか感じない。

だから蘭子ちゃんは八木さんの前からフェイドアウトして、八木さんのことを忘れようとした。

なのに八木さんが来てしまった。

蘭子ちゃんにとっては想定外のことでした。

なので蘭子ちゃんは八木さんに直接言いました。

もう八木さんの会社には行かないつもりだと。

傘を差し出しながら八木さんの会社には行かないと言い出す蘭子ちゃんに八木さんは・・・

傘の下の蘭子ちゃんと八木さん

二人の入った傘を真上から見下ろす演出が美しい。

二人の入った傘、どちらか一方が傘に出てくることなく、ずっと二人が入ったまま。

そして微妙に揺れる傘。

『カムカム』で、ジョーさんのステージ衣装を選んだ直後の場面以来の恋が実った美しい瞬間でした。

ただし・・・

今週、蘭子ちゃんの複雑な気持ちが再び描かれるはずです。

蘭子ちゃん、やっぱり新しい恋が怖いらしい。

蘭子ちゃんが幸せになるには、あと数回の放送を待つ必要がありそうです。

いごっそう(頑固で大胆不敵)

久しぶりにのぶちゃんの「たっすいがはいかん」が出ました。

この場面、予告映像の中でも使われていましたが、今回それが登場。

ちょっとネタバレになりますが、次回の嵩くんは漫画コンクールに挑戦。

今回ののぶちゃんの叱咤激励で気持ちを入れ替えるのでしょう。

そして漫画コンクールが嵩くんの漫画家としての転機になるはずです。

いよいよクライマックスに向けて、漫画家としての嵩くんと、その嵩くんを支えるのぶちゃんのストーリーが始まるのかもしれません。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

嵩くんの漫画『ボオ氏』

今週、嵩くんはようやく代表作と言えるような漫画を生み出します。

漫画のタイトルは『ボオ氏』です。

『ボオ氏』とは、「帽子」と「某氏」を掛け合わせた言葉。

今週、のぶちゃんが漫画コンクールが開催されているのを発見。

嵩くんにエントリーするようにすすめます。

のぶちゃんにすすめられるまま、嵩くんはエントリーを決意。

しかし、エントリーはしたものの漫画のアイデアが全く浮かんでこない日々が続きます。

悩みに悩む嵩くん。

そんなある日、のぶちゃんが結太郎さんの形見の帽子をかぶっている姿を見ていて「ボオ氏」というキャラクターをひらめく。

以上のような展開の中で漫画『ボオ氏』が誕生します。

結太郎さんの帽子は本作の第1週から重要なキーアイテムとして繰り返し登場してきました。

ある時は羽多子さんたちが敬礼する対象に。

ある時はカマジイが息子を偲ぶために。

またある時は、のぶちゃんがお父さんとの思い出に浸るために。

そんな重要なアイテムが嵩くんの最初の代表作のアイデアとして回収されるとは。

とっても粋な展開です。

「ボオ氏」というキャラクター

上に述べましたが、「ボオ氏」というキャラクターはのぶちゃんが結太郎さんの帽子をかぶりながら掃除機をかける姿を見て着想を得ました。

おそらくのぶちゃんは最初のうちは普通に帽子をかぶっていたのでしょう。

しかし掃除機をかけるなどして動きまわっているうちに帽子がずり落ちてきて、目深にかぶるような状態に。

帽子で顔が見えなくなったのぶちゃんを見た嵩くんが思いついたキャラ。

それは、顔が見えないので正体が分からない。

正体が分からないから「某氏」。

帽子をかぶっている正体不明のキャラ『ボオ氏』です。

この漫画『ボオ氏』が漫画コンクールで最高賞の大賞を受賞。

嵩くんの漫画初めて認められる記念すべき瞬間が今週描かれます。

【史実】漫画『ボオ氏』

ドラマの中で描かれる漫画『ボオ氏』は史実をモチーフにしたエピソードです。

史実の漫画『ボオ氏』は下記のとおりです。

昭和40年(1965年)『週刊朝日』が漫画賞を開催しました。

二年前に休刊になった『週刊朝日』です。

この漫画賞の優勝者は賞金100万円。

令和の今では1000万円ほどの価値でしょうか。

巨額の賞金に加えて『週刊朝日』で半年間にわたって連載できるオプションまでついていました。

しかも募集対象はプロアマ問わず。

広く才能を探し求めていたのでしょう。

この「プロアマ問わず」という条件が、リアル嵩くんに迷いを生じさせたようです。

リアル嵩くんももちろん応募はできます。

しかし、もし落選してしまったら。

さらに入選者がアマチュアだったとしたら。

それはプロ漫画家でありながらアマチュアに敗北したことを意味します。

リアル嵩くんは、プロ漫画家でありながら落選して人に笑われるのが怖かったのです。

迷った末にリアル嵩くんはエントリーを決意しました。

ドラマの中でも再現される「某氏」と「帽子」をかけ合わせたキャラクター「ボオ氏」が主人公の四コマ漫画を半年分の24個書き上げたそうです。

そしてエントリー。

リアル嵩くんの「ボオ氏」は最高賞に当たるグランプリを受賞し、これを機にリアル嵩くんの漫画家としての評価も一気にアップ。

漫画『ボオ氏』はリアル嵩くんの漫画家としての転機となりました。

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POSTED COMMENT

  1. 名乗るほどの者ではない より:

    なんかさあ
    史実をかなり少なめにしても恋愛要素を大さじいっぱいで入れるって、ある意味ドラマ「セクシー田中さん」の時と同じじゃん

  2. 嵩さんが旅行に呼ばれなかったのは、忙しすぎて仲間内の付き合いが疎かになっていたからでは?蘭子さんと八木さんこのままどうなる? 

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