あんぱん

映画の仕事が一段落つく / あんぱん 第116回

2025/9/8(月)第24週「あんぱんまん誕生」

あらすじ

嵩が再び「あんパンを持ったおじさん」のヒーローの絵を描き始めました。さらに、この新たなヒーローの物語も完成させた嵩は、原画をのぶに見せながらアンパンマンのストーリーを語って聞かせました。

そのころ嵩は、手嶌が手がける映画『千夜一夜物語』のキャラクターデザインの仕事が大詰めの段階に入っていました。そして、その作業が一段落ついたところで、嵩は手嶌を連れて帰宅。のぶは一服のお茶を点てて手嶌を迎えました。

お茶を飲んだ手嶌は、のぶと嵩に語り始めました。映画はそれを観る者の人生観が変わるほど面白いものであるべきだと。手嶌の言葉に応えてのぶは、二度と戦争が起こらないような映画を作ってほしいと手嶌に告げました。

手嶌が柳井家にやって来た日の夜、のぶは嵩に言いました。手嶌も嵩と同じだった。戦争の経験がキャラクターを生み出すことにつながっていると。そしてのぶは、アンパンマンがいつか飛び立つ日を願わずにはいられませんでした。

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感想

アンパンマン

嵩くんがいよいよアンパンマンと真剣に向き合い始めました。

これまではスケッチが一枚だけ。

あとは嵩くんの頭の中。

アンパンマンは実態があるようでない状態でした。

ところが今回はしっかり墨入れをした絵を二枚も仕上げた上に、ストーリーまで出来ている。

嵩くんの中でアンパンマンが何かの拍子で動き出したので、嵩くんが向き合い始めたのか。

それとも嵩くんがアンパンマンと向き合うことで、嵩くんの中のアンパンマンが動き出したのか。

ところで今回のドラマの中に登場したアンパンマンは今はまだあんパンを配るおじさんです。

あんパンで出来た顔を食べさせるヒーローではありません。

そんなアンパンマンの原型のストーリーの舞台は戦場。

敵対する両軍の兵士たちにあんパンを配るヒーローという嵩くんが語るストーリーを聞いて、嵩くんの戦場場面とアンパンマンがつながりました。

今回、のぶちゃんが嵩くんから聞いた言葉を蘭子ちゃんに告げました。

「体の痛みはどうにかなるが空腹はどうにもならん」

思い起こせば戦場の場面では「空腹」が執拗なまでに描かれました。

とりわけ食い意地の張った康太くんを通して。

朝ドラ離れした戦場の描写が、アンパンマンが飛び立つクライマックに向けて回収されたようです。

手嶌治虫

手嶌治虫の完全主義ぶりや、寝食を忘れて仕事に没頭する姿を見て、自分は手嶌治虫には慣れないとつぶやく嵩くん。

嵩くんはまた、のぶちゃんに言いました。

「向こうは国民的なヒーローで、こちらはあんパンを配るおじさん」

国民的なヒーローとは鉄腕アトム。

あんパンを配るおじさんとはアンパンマン。

あの当時、嵩くんが自分で書いた格好悪いヒーローが鉄腕アトムと並ぶ存在になるなんて想像もできなかったことでしょう。

今回はまだ国民的なヒーローの足元にも及ばない格好悪いヒーロー。

最終週では格好悪いヒーローが国民的なヒーローと肩を並べる存在になっているはずです。

そこまでの間に何が起こるのか。

本作『あんぱん』、今週を含めて残すところ3週となりました。

蘭子ちゃん

のぶちゃんの茶の稽古につきあう蘭子ちゃん。

師匠の登美子さんが蘭子ちゃんに言いました。

筋がいい、弟子にならないかと。

しかし蘭子ちゃんは他に始めたいことがあると言って弟子入りをお断り。

蘭子ちゃんが始めたいこととは「戦場で大変な思いをして帰ってきた人の取材」。

蘭子ちゃんがこれから始めると宣言したこと。

ちょっとネタバレになりますが、最終週に向けての重要なフラグです。

蘭子ちゃんは実際に「取材」を開始。

来週には、取材対象の一人として八木さんも選ばれます。

そして、その取材がきっかけとなり蘭子ちゃんと八木さんの関係の進捗がようやく明らかになります。

今回の本欄ではこれ以上のことは伏せておきますが・・・

また再来週では蘭子ちゃんの行動範囲はさらに拡大。

取材の対象は海外の危険なエリアにまで及ぶことに。

そんな蘭子ちゃんを案じる八木さん。

そしてついに蘭子ちゃんと八木さんの関係が最終的にどうなるかが暗示されて、ドラマの中で描かれる二人のストーリーは終わり。

そんな展開の起点が今回の蘭子ちゃんの描写です。

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今週の主なトピック

第24週「あんぱんまん誕生」の主なトピックは次の4つです。

1:あんパンを配るおじさん
2:アニメ映画『千夜一夜物語』が大ヒット
3:手嶌治虫からのお礼

【その1】あんパンを配るおじさん

第24週となる今週、嵩くんは再び「あんパンを配るおじさん」の漫画を描き始めます。

嵩くんが初めて「あんパンを配るおじさん」の漫画を描いたのが第21週。

嵩くんは仕事が増えるものの、漫画の代表作がないことを悩んでいたときのことでした。

しかし「あんパンを配るおじさん」の漫画は出版社から見向きもされませんでした。

「あんパンを配るおじさん」の漫画が見向きもされないのが第22週。

一方で嵩くんの仕事は漫画以外のことで忙しくなる一方でした。

そして第23週。

嵩くんは漫画コンクールにエントリーして大賞を受賞。

ついに代表作の漫画が生み出されます。

手蔦治虫からの漫画関連の仕事ももらい、いよいよ漫画家として認識され始める嵩くん。

漫画家として自信を持った姿から始まるのが今週の第24週。

嵩くんは再び「あんパンを配るおじさん」の漫画を描き始めます。

【その2】アニメ映画『千夜一夜物語』が大ヒット

前週、手嶌治虫から頼まれたアニメ映画『千夜一夜物語』のキャラクターデザインの仕事のその後が今週に入って描かれます。

今週は、キャラクターデザインの納期を迎えるタイミングからスタート。

そしてアニメ映画『千夜一夜物語』は完成。

劇場公開されたアニメ映画『千夜一夜物語』は大ヒットする。

アニメ映画『千夜一夜物語』に関するエピソードは映画の大ヒットで終了です。

しかし、この仕事の依頼主である手嶌治虫と嵩くんが関わるエピソードは、映画の大ヒットの後も少しだけ続くようです。

手嶌治虫と嵩くんが関わるエピソードとは・・・

【その3】手嶌治虫からのお礼

アニメ映画『千夜一夜物語』が無事に劇場公開された後、嵩くんは手嶌治虫から『千夜一夜物語』への貢献のお礼をしたいとの申し出を受けます。

このお礼のエピソードは史実をモチーフとしています。

史実では手塚治虫氏がリアル嵩くんにお礼として短編映画を一本制作する機会を提供。

短編映画を一本制作する機会とは具体的に言うと短編映画を一本制作するための資金の提供です。

手塚治虫氏は虫プロから資金を提供するつもりだったようです。

アニメ映画『千夜一夜物語』は大ヒットはしたものの制作費がかかりすぎて赤字に終わりました。

そのため虫プロの幹部は手塚治虫氏のお礼に猛反対。

それでもリアル嵩くんにどうしても俺をしたかった手塚治虫氏はポケットマネーで短編映画の制作資金を提供。

リアル嵩くんはその資金を使って28分間の短編アニメ『やさしいライオン』を完成させました。

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POSTED COMMENT

  1. あんぱんアラキ より:

    そういえばメイコちゃんの子供、愛ちゃんと花ちゃん全然登場がないけどどうしているのか。最終会までに登場はあるのか?

  2. ずんこ より:

    え……!
    登美子さんのお茶のお師匠さんは、先日亡くなった裏千家千玄室・鵬雲斎大宗匠⁈
    いったいどういう人脈で…?
    そういえば、亡くなった三人目の旦那さんは、軍人さんでしたね。
    そちらからの繋がりでしょうか。
    それにしても、凄い!

    ワークホリック・手嶌治虫も、ようやく形になったあんぱんまんも、羽多子さんの新たな旅立ちも、全部飛んでしまいました。

  3. 中学の時に、日テレの水曜ロードショーで「千夜一夜物語」を放送していて、その時断片的にしか見てなかったので、もう一度ちゃんとみたいなあ。内容的に地上波は無理としても、BS、CS、配信どこでもいいからやらないかな。子供を中心とした一般観客向けに作られたデイズニーの「アラビアンナイト」と、大人向けに作られた「千夜一夜物語」どれだけ違うかきになるし。

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