2025/5/26(月)第9週「絶望の隣は希望」

あらすじ

昭和15年(1940年)1月、浅田家ではのぶと次郎の祝言の話が着々と進んでいました。贅沢は敵とみなされる時節柄、のぶの祝言を派手に祝うことはできないものの、その日が来るのを朝田家の家族は楽しみにしていました。

同じころ、東京の美術学校に通う嵩は、卒業制作に没頭していました。そして卒業制作を仕上げたら御免与に帰省し、自分の気持ちをのぶに打ち明けると心を固めていました。そんなある日、嵩のもとにある電報が届きました。

その電報を見た嵩は言葉を失いました。それは寛が危篤になったのですぐに帰れという知らせでした。座間と健太郎は、今すぐ御免与に帰るよう嵩に告げました。しかし嵩は、卒業制作の仕上げを優先すると言ってすぐに帰るのを拒みました。

嵩は夜を徹して卒業制作を完成させ御免与に向かいました。しかし嵩が柳井家に着いた時、寛はすでに息絶えていました。間に合わなかったことを悔やむ嵩に千代子は言いました。寛は卒業制作の完成を心から望んでいたことを。

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感想

前週、嵩くんは卒業制作を仕上げたら、のぶちゃんに自分の気持ちを打ち明けると決意。

一方ののぶちゃんは次々に縁談が舞い込んでくる中、結太郎さんゆかりの次郎さんからプロポーズされました。

そして前週の最後には、のぶちゃんが次郎さんとの結婚を決意。

しかし嵩くんは、のぶちゃんの決意をまだ知らない。

そんな状況から今週がスタートです。

寛先生

寛先生がいきなりの危篤。

前週の金曜日に放送された予告映像の中では、寛先生がらみの映像は一切伏せられていました。

そして前週の最後はのぶちゃんが次郎さんとの結婚を決意するという衝撃の終わり方。

予告映像では「何もかも遅かった」とつぶやく失意の中の嵩くんのカットが挿入されていたので、今週は嵩くんの失恋エピソードが描かれると予想していた人も多かったはず。

なので、寛先生が危篤という展開を知らなかった人にはかなりショックが大きかったはずです。

事前にこの展開を知っていた上に、史実でも同様にリアル嵩くんが卒業制作を仕上げる直前にリアル寛先生が倒れることも知っていたブログ主でさえもショックを受けました。

ところで前週、朝食よりも患者さんが優先と言って早朝から往診に出かける寛先生が描かれました。

その時、寛先生はいつになく疲れた顔をしていたように見えたのですが、あの顔もやはり疲れように見せる演技だったのかもしれません。

嵩くん

前週の最後のカットは嵩くんのことを心配するヤムおじさんの映像でした。

パン生地を練りながら「死なないかな?あいつ」と嵩くんのことが心配でならない優しいヤムおじさん。

当事者である嵩くんはまだ何も知らない。

今回、嵩くんが危篤を知らせる電報を受け取ってもすぐには御免与に向かおうとはしなかったのは、一つは卒業制作を完成させないと寛先生に合わせる顔がなかったから。

一つは、のぶちゃんに告白するという本気の決意があったからでしょう。

しかし、嵩くんは「寛先生に合わせる顔がない」どころか顔を合わせられない。

今週のどこかのタイミングで嵩くんは、告白しようと決めた相手がすでに婚約してしまっていることも知るのでしょう。

嵩くんは幼少期、お父さんを亡くし、その直後にはお母さんに捨てられるという受難を経験しました。

そして今週、またしても受難が二つも続く。

ちょっとだけネタバレになりますが、次週には嵩くんに赤紙が届き軍隊に入隊。

軍隊生活でまた受難が続くはずです。

そして本作の前半が終わる頃にドラマの中の戦争も終わるので、本作の前半は嵩くんの受難の物語だったと言っても差し支えないレベルかも。

物語後半には、嵩くんは日向の道を歩めるようになるのでしょうか。

史実の中のリアルのぶちゃんとリアル嵩くん

ほとんどの方がご存じとは思いますが、念のためにのぶちゃんと嵩くんの関係が、史実ではどうだったのかを簡単にまとめておきます。

史実ではリアルのぶちゃんとリアル嵩くんが出会ったのは戦後になってからです。

戦争が終わるまで二人はお互いの存在すら知りませんでした。

なので、嵩くんがのぶちゃんに失恋するという展開は創作ストーリーです。

ただし、史実の中のリアルのぶちゃんはドラマの中で描かれたのと同様に、リアル嵩くんと出会う前に一度結婚しています。

女学校を卒業後しばらくの間、東京で働いた後に結婚。

しかしご主人とは死別し、生まれ故郷の高知に戻り就職した新聞社でリアル嵩くんと出会いました。

一方、ドラマの中の嵩くんはのぶちゃんに恋をし失恋する以外、史実に沿った描かれ方をししてます。

幼少期に父と死別し母に捨てられたこと。

叔父の家に引き取られたこと。

弟はよくできた青年だったこと。

そして、美術学校の卒業制作の完成直前に叔父が倒れたことなどなど。

幼少期にのぶちゃんと出会ったこと、ヤムおじさんとの出会い、などなどは創作ストーリーです。

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今週の主なトピック

第9週「絶望の隣は希望」の主なトピックは次の4つです。

1:のぶちゃんの結婚
2:寛先生の死
3:朝田家の窮地
4:ヤムおじさんの過去

【その1】のぶちゃんの結婚

今週、ついにのぶちゃんが結婚します。

前週の終わりごろ、のぶちゃんは次郎さんからの求婚を受け入れました。

それを受けて今週は、のぶちゃんと次郎さんの祝言の準備が進められるところからスタート。

そして祝言は朝田家で、家族だけのささやかな規模で行われます。

贅沢は敵だ、そんな時代なので派手に祝ってあげたくてもそれができない。

そんな状況下での祝言です。

結婚後、のぶちゃんと次郎さんは高知市内で暮らすことに。

ところでのぶちゃんは、結婚後も御免与尋常小学校の教員を続けます。

なので高知から御免与までの汽車通勤。

チビのぶちゃんがお父さんの帰りを待った思い出の詰まった御免与駅を、のぶちゃんは毎日利用することになります。

【その2】寛先生の死

今週、のぶちゃんと次郎さんの祝言の準備が着々と進んでいるころ、東京の嵩くんは卒業制作に没頭しています。

そこへ御免与の柳井家から電報が届きます。

「チチキトク スグ カヘレ」。

寛先生の危篤を知らせる電報です。

前週、嵩くんは寛先生に宛てた手紙の中で、卒業制作を最高傑作にすると意気込みを語っていました。

なので、すぐには帰らず卒業制作を完成させることを優先する嵩くん。

しかし、この嵩くんの選択によって、数時間の差で嵩くんは寛先生の死に目にあうことはできませんでした。

また、嵩くんが寛先生に手紙を送ったころ。

嵩くんは、卒業制作を完成させて御免与に帰省したら、その時には必ずのぶちゃんに自分の気持ちを伝えると決めていました。

しかし、嵩くんの帰省は寛先生の葬儀のための帰省となり、さらにのぶちゃんは結婚。

今週、嵩くんのつらすぎる日々が描かれます。

【その3】朝田家の窮地

今週、朝田家が一時的にピンチに遭います。

のぶちゃんを経由して、陸軍から朝田家に乾パンの発注が入るものの、ヤムおじさんは乾パンづくりを拒否。

陸軍の注文を蹴ったということで朝田家は非国民扱い。

朝田パンに来客はなくなります。

これが朝田パンの窮地です。

今週中に、朝田家は窮地を脱するのですが、この騒動がヤムおじさんの過去が語られるきっかけになります。

【その4】ヤムおじさんの過去

今週、ヤムおじさんが過去を語り始める瞬間が描かれます。

あくまでも「ヤムおじさんが過去を語り始める瞬間」であり、「ヤムおじさんが過去を語る場面」が描かれるわけではありません。

ヤムおじさんが過去を語り始めるきっかけは、陸軍からの乾パンの注文です。

ヤムおじさんは乾パンづくりを拒否。

これまで戦争の話題が出るたびに強い拒絶反応を示していたヤムおじさん。

おそらく乾パンと聞いてヤムおじさんはこれまで以上の強い拒絶反応を示すことになるかと思います。

どうして、ヤムおじさんは乾パンにそれほど強い拒絶反応を示すのか。

それが、ヤムおじさんの暗黒の歴史と深く関わっているからなのですが、ヤムおじさんが語る暗黒の歴史は次週描かれるものと思われます。

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