2025/9/9(火)第24週「あんぱんまん誕生」
あらすじ
昭和44年(1969年)6月、映画『千夜一夜物語』が公開され大ヒットとなりました。映画がヒットしたお礼をしたいという手嶌は、嵩にある提案をしました。嵩が監督する映画を作らないか。制作費は自分が出すと。
そんな中、柳井家に女性編集者・詩織が訪ねて来ました。その編集者は次回作を書いてほしいと嵩に依頼。次回作はなんでも大歓迎するという詩織の言葉を聞いたのぶは、アンパンマンを提案しました。
そしてのぶはアンパンマンの原稿を差し出すと、最後まで読むだけでも読んでほしいと詩織に迫りました。原稿を読んだ詩織は掲載を承諾。ほどなくしてアンパンマンは初めて雑誌に掲載されました。
しかしアンパンマンの評判は思わしくありませんでした。登美子は最悪だとまで言い切りました。それでもアンパンマンの可能性を信じるのぶは、八木にお願いして、八木の会社に子供たちを集めてもらうことにしました。
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感想
のぶちゃんと嵩くんの悲願が叶い、アンパンマンがついに雑誌に掲載されました。
ところが・・
アンパンマンへの反応
のぶちゃんと嵩くんが大喜びした直後のメイコちゃんの渋い表情。
これのどこがヒーローなの?
言葉には出さなくても表情だけでメイコちゃんの感想がすぐに分かりました。
そういえば編集者の詩織さんも、アンパンマンの絵を見せられたときにメイコちゃんと同じような表情を浮かべてました。
のぶちゃんがこれはどうかと言ってアンパンマンの絵を見せながら提案すると、
え?これ?
みたいな表情です。
編集者だけあって、その絵に対して読者がどんな反応を示すのか予想できたのでしょう。
しかし次回作は何でもいいと言った手前、断るわけにもいかない。
そして載せたら、詩織さんの予想どおりの反応を、まずはメイコちゃんが示しました。
それにしてもメイコちゃん、なかなか正直です。
あの場に嵩くんがいなかったから、そしてお姉ちゃんだけだったから正直な反応を示すことができたのかもしれませんが。
一方、メイコちゃんと一緒にいた健ちゃんはカレーライスを食べることに夢中。
健ちゃんの反応も見てみたかった。
メイコちゃんから辛口の批評をもらったのぶちゃん。
次は登美子さんにアンパンマンを見せる。
アンパンマンを読みながら笑いが止まらない登美子さん。
意外にも登美子さんにはウケたのかと期待していたら、やっぱり登美子さんらしい反応。
登美子さんはたった一言で言いたいことを言いました。
最悪。
この一言でも十分すぎるほどでしたが、最悪という言葉に続いて酷評の言葉が出てくる出てくる。
一方、言葉は少ないながらも羽多子さんもやっぱりアンパンマンが理解できないらしい。
アンパンマンのデビューは残念な結果で終わってしまったようです。
しかしあきらめないのぶちゃん。
八木さんに頼んで子供たちを集め、行動開始です。
蘭子ちゃんの新たな第一歩
前回、戦争を経験した人への取材を始めたいと宣言した蘭子ちゃん。
その蘭子ちゃんの宣言を受けて、登美子さんがある人を紹介すると即座に反応。
当ブログへのコメントにもありましたが、登美子さんが蘭子ちゃんに紹介した人は、つい最近亡くなったあの方なのでしょう。
そして蘭子ちゃん、早速取材に行ったらしい。
蘭子ちゃん、新たな一歩を踏み出しました。
そして蘭子ちゃんの新たな第一歩をしっかりとフォローしている八木さん。
ちょっとネタバレになりますが、蘭子ちゃんの新たな第一歩と八木さんのフォロー。
今回の終わりごろにさりげなく描かれた蘭子ちゃんと八木さんの描写。
これが次週あたりには回収され・・・
蘭子ちゃんの新しい第一歩によって、蘭子ちゃんの人生が再び動き始める予感でいっぱいです。
予習レビューと史実のリアルエピソード
前週から今週にかけて嵩くんは手嶌治虫からの要請を受けてアニメ映画『千夜一夜物語』の仕事にかかわります。
本作制作にあたり史実ではどのような出来事があったのか?
そもそもアニメ映画『千夜一夜物語』とはどのような作品だったのか?
以下にまとめてみました。
リアル嵩くんを引き入れた人物
リアル嵩くんをアニメ映画『千夜一夜物語』の美術とキャラクターデザインに推薦したのはアニメ監督として知られる杉井ギサブロー氏です。
杉井ギサブロー氏は本作には原画担当として参加していました。
そして大人向けのアニメとして企画された本作なら、キャラクターデザインは大人向けの漫画家としてすでに名前が知られていたリアル嵩くんが最適と推薦。
杉井ギサブロー氏の推薦が受け入れられ、リアル嵩くんはアニメの背景美術やキャラクターデザインの他、ストーリーボードの一部も手掛けました。
『千夜一夜物語』製作までの経緯
昭和42年(1967年)洋画配給会社の日本ヘラルドが虫プロに作品製作を打診。
日本ヘラルドと虫プロは、セクシーな場面が含まれる大人向けのアニメーション作品を製作するという方針を決定。
企画はすべて虫プロに任されました。
虫プロは当初、中世の占星術師・ファウスト博士のアニメ化を企画。
しかし、昭和42年(1967年)に米国ハリウッドで『ファウスト悪のたのしみ(Doctor Faustus)』というファウスト博士を題材にした映画の公開が決定。
そのためファウスト博士のプランは中止。
最終的に『千夜一夜物語』がアニメ化の題材として選ばれました。
『千夜一夜物語』の興行成績
本作の製作の日本ヘラルドと虫プロとの間の契約は、虫プロ側に不利な条件で交わされていました。
製作前の段階で1億円の配給収入があっても虫プロは赤字が確定していました。
それでも手塚治虫氏は製作を決定。
劇場公開されると本作は大ヒットし配給収入は2億9000万円を記録。
公開された昭和44年(1969年)の邦画の興行成績第5位。
邦画と洋画を合わせた興行成績ランキングにおいても『チキ・チキ・バン・バン』に続いて第7位。
これほどのヒットにもかかわらず虫プロは最終的に赤字でした。
『千夜一夜物語』公開後
昭和45年(1970年)、『千夜一夜物語』の大ヒットを受け日本ヘラルドと虫プロは第2作の大人向けアニメ映画『クレオパトラ』を製作。
続いて第3作目となる大人向けアニメ映画『哀しみのベラドンナ』を製作。
しかし『哀しみのベラドンナ』は失敗に終わり虫プロ倒産のトリガーとなりました。
『千夜一夜物語』あらすじ
主人公は貧乏な水売り商人・アルディン。
アルディンは奴隷市場で売られていた美女・ミリアムに恋をし彼女を誘拐。
アルディンとミリアムを奪い愛を育み一児をもうけるものの、ミリアムは官吏バドリーに捕らわれ出産直後に死去。
失意のアルディンは漂泊の末に魔法の船を得て巨富を築き、シンドバッドと名乗る。
15年後に帰郷したアルディンは成長した娘ジャリスと再会。
王位を得るも放蕩を重ね、近親の罪に問われるが魔女の助けで難を逃れ、仇敵バドリーは討たれる。
やがて王位を追われ、すべてを失ったアルディンは再び旅人として歩み出す。
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名乗る程の者ではございません様。それは知りませんでした。ご指摘ありがとうございます。それにしても「なつぞら」は、モデルになった関係者に忖度しまくってましたね。
しののめ様、御説の通りです。いささか軽率な発言でした申し訳ありません。
還暦のたつお様
すいません、手塚アニメに関して追記の追記しますね
手塚アニメにおいて2人の手塚先生にとって恩人がいたと思います
ひとりは中村和子さん、アニメ「鉄腕アトム」製作の主力アニメーターだった方
あの過酷な環境でもずっとキレイだった方で、容姿は「リボンの騎士」サファイアや「三つ目が通る」和登さんのモデルになっています、因みに「なつぞら」では貫地谷さんが演じたマコさんのモデルです(まあ、「あんぱん」と同じく「なつぞら」も史実無視しまくってましたね)
もうひとりは少年チャンピオンを一時期は少年マンガ誌における発行部数1位にした壁村編集長、過去の人になりつつあった手塚先生に「ブラックジャック」描かせて人気復活させたことが手塚プロダクション設立に繋がっています
ちなみに壁村編集長をモデルにしたキャラは「ブラックジャック」にてイレズミの男というタイトル回で親分として描かれています
「アンパンマン」が世に認知されるまでの苦闘の始まり。「まんぷく」でカップヌードルがヒット商品になるまでの長い道のりを思い出す。そう言えば、「まんぷく」では浅間山荘事件で、包囲していた機動隊員が極寒で凍り付いて仕出し弁当が食べれなくなって、代わりにカップヌードルを食べていたところがTV画面写って、それが大ヒットのきっかけの一つだったけど「まんぷく」ではそれについては描かれてなかったね。
50年前の事件とはいえ、あさま山荘事件は素材として扱いにくいもの
人質で監禁されていた人がいること
関連して日本赤軍のリンチ事件で大量の死体が発見されたこと
あさま山荘事件で殉職した警官が2名いたこと
そして死亡した人々の家族・関係者が少なくなく、まだ生存している方々の心情はいかばかりか
少なくとも、「TVに映ったおかげで売上げが上がってよかったね」という筋にはし難いこと
そんなこんなで、朝ドラでは扱いにくいものだったと思います
逆に私は「あさま山荘事件」により売上が爆増した史実をドラマにすべきだったと思いますね
この史実が日本の広告に大きな変革をもたらしたケースでしたし、誰かがどこかで見ていて後々に大きな宣伝効果をもたらすかのファーストケースだったとも思います(後年ファミスタのフェンスに広告を載せたりする等)
ドラマでは歩行者天国で歩きながらフォークでラーメン食うことがヒットの要因だったという結末でしたが、後年歩きながらヌードル食う人など見たことないですゆえ(それ以前にあのフォークでヌードル食う人すら見ない)「説得性に欠けるファンタジーなオチだな、それならばあさま山荘事件の報道が大きな要因だった、痛ましい事件だったがひとつ学んだ」等という結末にしておくべきだったのではというのが個人感でした