ばけばけ 第16週「」予習レビューとあらすじ
NHK連続テレビ小説(朝ドラ)『ばけばけ』
2026年1月19日 〜 1月23日放送
あらすじ
日本滞在記が完成
ヘブンの日本滞在記がついに完成しました。
そこでトキたちは完成祝いのパーティーを開くことになりました。
完成祝いパーティー
日本滞在記の完成祝いパーティーには錦織や山橋も参加しました。
パーティーが宴もたけなわの中、新聞記者の梶谷がやって来て取材をしたいと申し出ました。
「ヘブン先生日本録」
梶谷はヘブンと松野家の日常を取材して記事にすることが希望でした。
面々は困惑しながらも梶谷の取材を受け入れることにしました。
ほどなくして「ヘブン先生日本録」として記事の連載が始まり、松野家の面々は松江の有名人になってしまいました。
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今週の展開
76: 1/19(月)
77: 1/20(火)
78: 1/21(水)
79: 1/22(木)
80: 1/23(金)
予習レビューと史実のリアルエピソード
今週、ヘブンさんの日本滞在記がついに完成します。
ドラマの中の「日本滞在記」は、ラフカディオ・ハーンの『知られぬ日本の面影』と思われます。
実は『知られぬ日本の面影』が完成したのは熊本に移住してからのことでした。
松江での生活、熊本での生活、二つの土地での生活が『知られぬ日本の面影』に反映されています。
松江での生活はドラマの中である程度再現されてきました。
では熊本の生活でラフカディオ・ハーンは何を感じていたのか。
以下にまとめてみました。
熊本への不満
ラフカディオ・ハーンは熊本に対して不満を抱きました。
ラフカディオ・ハーンが熊本での教員の仕事を紹介された際、熊本は保守的な土地だから気に入るだろうと友人チェンバレンから言われていました。
しかしラフカディオ・ハーンが熊本へ到着すると期待は失望に変わりました。
当時の熊本の都市部は、西南戦争によって古い街並みは焼き払われ、軍都としての性格が色濃く出ていたのです。
軍関係の施設は立派で堂々としたものでした。
その一方で寺や神社など、ラフカディオ・ハーンが好む日本的な風景は見当たりませんでした。
ラフカディオ・ハーンは庶民が暮らす街並みにも薄暗い印象を持ちました。
またハーンが赴任した第五高等学校の校舎も松江のような木造ではなく、石と赤レンガで造られた西洋の建築物を模した校舎でした。
第五高等学校には16歳から23歳までの学生が通い、上級生の多くは大学進学のための勉強に励んでいました。
しかし、ラフカディオ・ハーンは教科書の内容の水準が低いと感ました。
そのため、立派な校舎を作るより先に教科書の充実を図るべきだと提言したほどです。
こうした環境の中で、ラフカディオ・ハーンは熊本を好まないことを友人たちに手紙で次のように明かしていました。
「近代化されており、珍しい習慣がない」
ラフカディオ・ハーンは、松江と同じように求めていた日本らしい文化や伝統を熊本の街では見つけることが出来なかったのです。
ただし、ラフカディオ・ハーンは熊本に文学的な題材を見つけられないのは、自分がまだ土地に不案内だからだと記してもいました。
当時の日本は西洋のやり方を取り入れ、近代化に向かっていました。
ハーンの目に映る当時の熊本は、その象徴のように見えたようです。
ラフカディオ・ハーンが熊本で覚えた違和感は、単なる個人的な好みに起因する違和感ではなく、日本が急速に西洋化していく時代の空気に対する葛藤でもありました。
『知られぬ日本の面影』
熊本での生活は、ラフカディオ・ハーンにとって葛藤の多いものでした。
急速に近代化が進む街の姿に戸惑いを感じ、それまで暮らした松江のような「美しい日本」の風景を見つけることが難しく心が揺れる日々が続きました。
そんな状況の中で、ハーンはまるで救いを求めるように筆をとりました。
松江で感じた情緒、日本文化の深層、その面影をもう一度つかみたいという思いが、彼の心を強く動かしたのです。
その結果、熊本の地で生まれたのが代表作『知られぬ日本の面影』でした。
松江や出雲を含む山陰地方の文化を記録したこの作品は、ラフカディオ・ハーンの代表作の一つになりました。
全体の分量は上下巻あわせて700ページにも及ぶ大作。
にもかかわらず、アメリカでは出版から一年で3回も重版されるほどの人気を博し、やがてロングセラーとなりました。
この著書でラフカディオ・ハーンは、日本に降り立った横浜やその近辺の描写、ついで松江を中心とした山陰地方の人々の暮らしを丹念に記録。
そして、素朴な生活の描写に始まり生者と死者がともに生きるという考え方まで、山陰の文化が持つ独特の世界観が丁寧に描かれました。
ラフカディオ・ハーンは、西洋化の波によって失われつつある説話や神話の中にこそ「本当の日本の姿」があると強く感じていました。
熊本での生活の中で、松江で感じた日本古来の文化が急速に消えていく様子を前に、ラフカディオ・ハーンは松江での記憶を著書という形として残したいと願ったのかもしれません。
熊本で過ごした時間は、ラフカディオ・ハーンにとって必ずしも満足できるものではありませんでした。
しかし、その葛藤があったからこそ『知られぬ日本の面影』という大きな実りが生まれたのです。
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