2026/1/29(木)第17週「ナント、イウカ。」

あらすじ

ある日、トキとヘブンの二人は、サワと庄田に遭遇。

トキは庄田との思いがけない再会を驚きました。

そしてトキはサワと久しぶりに会話を交わすことができ、サワとの関係が修復されたことを喜びました。

そんな中、ヘブンがサワと庄田を松野家に招待。

ヘブンは庄田との会話に夢中になりました。

一方のトキはサワと向き合っていました。

参考:Yahoo!テレビ

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鑑賞後の感想

感想欄は放送後に追記します。

予習レビューと史実のリアルエピソード

ドラマの中でトキちゃんとヘブンさんの距離を縮めたのは「怪談語り」でした。

トキちゃんの「怪談語り」は二人の結婚直前に丹念に描かれましたが、史実では小泉セツさんによる「怪談語り」は小泉八雲の創作にとって欠かせないものでした。

小泉セツさんの「怪談語り」は小泉八雲の創作にどのように貢献していたのか。

概要をまとめてみました。

夫婦の共同制作物語

小泉八雲の再話文学が高い完成度を誇る背景には、妻・小泉セツという「語り部」の存在が欠かせませんでした。

小泉セツの協力があったからこそ小泉八雲は次々と質の高い作品を発表することができたのです。

東京に移り住んだ後、小泉セツは浅草や神田の古書店をまわり、小泉八雲が好みそうな怪談・奇談集を探しては購入し、読み込みました。

そして夜になると、その物語を小泉八雲に語りました。

小泉セツの語りは年月とともに磨かれ、小泉八雲が思わず顔色を変えて聞き入ったりするほど強い引き込み力を持つようになりました。

小泉八雲の集中力は高く、物語の世界に没入しました。

語りの「演出」も次第に形づくられていきました。

部屋を暗くして雰囲気を高めたり、小泉八雲が登場人物の心情について途中で質問したり、物語の調子を変えて何度も語してもらったりもしました。

小泉八雲が作品「耳なし芳一」を書いていた際には、こんな逸話も残っています。

小泉セツは「もし自分に学問があったなら、もっと役に立てたでしょうに」と嘆いたこともありました。

しかし小泉八雲は「学問があったなら、幽霊やお化け、前世の話をばかばかしいと思って笑ってしまうでしょう」と返しました。

本作第一回はトキちゃんがヘブンさんに怪談を語る場面から始まりましたが、その場面はこの当時の史実がモチーフになっています。

小泉セツが語り、小泉八雲が書く。

この共同作業の結果、1890年代には『影』『日本雑誌』『骨董』などを毎年のように刊行するほどの創作ペースを実現しました。

小泉セツとの家庭内の語りの時間が、小泉八雲の創作活動を強く支え、作品へと結実していったのです。

再話文学

小泉八雲が世に送り出した再話文学、「雪女」「むじな」「耳なし芳一」などの作品は、いずれも日本に古くから伝わる民話や怪談、地方の言い伝え、古い物語をもとにしています。

しかし、小泉八雲が行った「再話」という手法では、それら原話を生かしつつも時代の感性や価値観によって物語を微妙に変化させています。

その結果、原話が持っていた素朴な味わいに小泉八雲自身の感性が溶け込み新しい文学が生まれました。

再話とは単なる翻案ではなく「現在の言葉で古い物語を生き返らせる」という創造的な営みだったのです。

小泉八雲が再話を手がける際に注目したのは日本から失われつつある「繊細で薄暗い領域」でした。

古い怪談や奇談には、合理性では割り切れない人間の奥底にある感情が息づいています。

八雲はその領域を敏感に察知し、自身の内面世界や人生経験から育った感情を通わせることで、原話に新たな命を吹き込みました。

特に「飴を買う女」や「雪女」には、小泉八雲の母の面影が宿っていると言われています。

小泉八雲は幼い頃に母と離れ深い孤独の中で生きてきました。

その母への憧れや想像が、怪談に登場する女性像へと形を変え、作品全体に微妙な陰影を落としています。

恐ろしさの奥にある哀しみや優しさなどの感情が八雲の再話文学の魅力となっているのです。

小泉八雲の再話作品には、ただ怖いだけではない「文学としての深さ」があります。

それは、異国で暮らしながら日本古来の文化に深く心を寄せた小泉八雲だからこそ成し得た表現と言えるでしょう。

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