雨清水家を訪問するトキ / ばけばけ 94回
2026/2/12(木)第19週「ワカレル、シマス。」
あらすじ
錦織は松江の寒さ対策のための毛皮や外套を松野家に持ち込み、ヘブンが松江に居続けるよう必死になって働きかけていました。錦織はまた、トキは松江を離れることを拒んでいる事実を江藤に報告しました。
一方、トキは雨清水家を訪問。久しぶりにタエと三之丞と時間を過ごしたトキは、松江を離れたくないという気持ちがますます強くなりました。そんなトキの気持ちを見透かしたかのように、タエは正直に生きろとトキに言葉をかけました。
トキが帰宅すると勘右衛門が松野家に来ていました。勘右衛門はヘブンに松江に残ることを告げていました。自分がヘブンから金をもらって暮らしていると分かれば、熊本でも再び松江と同じような騒ぎが起こると勘右衛門は考えたのです。
勘右衛門はヘブンに対して本当のことを言えと迫り、ヘブンはトキに語り始めました。顔を隠さず松江の町中を歩くことができるか。自分たちを誰も知らない土地に行こうと。ヘブンの言葉を聞いてトキはようやく熊本行きを受け入れました。
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感想
錦織くんの必死な姿
錦織くんが寒さ対策のための越冬グッズを松野家に持ち込むところから今回がスタート。
錦織くん、ヘブンさんを松江に引き留めようと必死です。
ヘブンさんという優秀な西洋人英語教師が勤務する学校の校長というポジションによって、丈くんはじめ学生たちの帝大進学の道を切り拓くという野望があるからです。
自分を果たせなかった夢を丈くんや学生たちに叶えさせたい。
そんな思いを持った錦織くんとしては、ヘブンさんが松江を離れることは死活問題です。
錦織くんはまたトキちゃんが松江を離れることを猛烈に反対していることもよく知っており、そのことを江藤知事に報告。
この報告は、表向きは江藤知事に安心材料を与えることが目的です。
しかし、その安心材料によって錦織くんは何よりも自分自身を安心させたかったのでしょう。
以上、そんな錦織くんの痛々しいほどに必死な姿から今回のドラマは始まりました。
トキちゃんの願望と苦悩
トキちゃんはタエさんを訪問。
タエさんを訪問した後に帰宅すると勘右衛門さんが来ていました。
勘右衛門さん、やっぱりヘブンさんの考えをお見通しでした。
トキちゃんの不安もお見通しでした。
トキちゃんは口では松江を離れたくないと言いながらも、松江で暮らすことに大きなストレスを感じているはずです。
町中でパニックを起こすほどなので。
こんな日々がいつまで続くのか。
こんな日々はもう終わらないのかもしれない。
そんな不安を持っているかと。
そんな中で前回、サワちゃんがトキちゃんに言いました。
自分のことを知っている人が誰もいない土地で人生をやり直せるのはうらやましいと。
トキちゃん、この言葉にハッとしていました。
実はひそかに持っていた願望をサワちゃんに言い当てられて驚いたのかもしれません。
あるいは、まだ自覚していなかった願望が、サワちゃんの言葉によって心の中で顕在化したのかもしれません。
無自覚だったか自覚していたかはともかく、トキちゃんとしては自分のことを誰も知らない環境に身を置きたいという願望は心のどこかにあったはずです。
ヘブンさんはそんなトキちゃんの願望を察し、帝国大学で教授をしている友人に頼んで熊本での働き口を見つけました。
タエさんもまたトキちゃんの願望を察していたので「自分に正直に生きろ」みたいな言葉をトキちゃんにかけたのかもしれません。
そしてトキちゃんの願望と苦悩を察していた勘右衛門さんが、すべてを収めました。
さすが勘右衛門さん、ラストサムライの風格を見せてくれました。
錦織くん再び
今回の最後の場面は、錦織くんの再度の登場で締めくくられました。
トキちゃんの願望と苦悩が明らかになり、トキちゃんが熊本行きを受け入れた瞬間を目撃してしまった錦織くん。
最後の希望だったトキちゃんが陥落したことで、錦織くんはヘブンさん引き留めを断念したのでしょうか。
ヘブンさん引き留め工作のために持ってきたであろう虫籠が松野家の門前に放置。
切なすぎる映像でした。
予習レビュー
松江を離れると言い出したヘブンさんの言葉で、松江中学の関係者の間にも動揺が広がります。
周囲の人々の反応:錦織くん
真っ先に反応するのはもちろん錦織くんです。
実は今週になって錦織くんが松江中学の校長を引き受けた動機が明らかになります。
もともと錦織くんは校長就任を迷っていました。
迷った理由は、帝大を卒業していないこと、教員免許を持っていないこと。
そんな秘密があるので、校長に就任することに後ろめたさを感じていたのでしょう。
ところが、最終的には校長就任を引き受けました。
その理由とは・・・
これまで何度か登場した錦織くんの弟の丈くん。
彼は帝大進学を目指しています。
そんな丈くんの願いを叶えるには、「兄である錦織くんがヘブン先生が勤務する学校の校長である」という権威性がものを言うのだとか。
つまり錦織くんは丈くんの帝大進学を助けるために校長になったわけです。
自分が果たせなかった夢を弟に託したのでしょう。
なので錦織くんにとっては、自分が校長をつとめる学校にヘブンさんが勤務しているという事実が何よりも必要。
その事実がなくなってしまうのは錦織くんにとってあまりにも痛い。
打算によって校長に就任したのですが、計算違いが生じてしまうわけです。
周囲の人々の反応:江藤知事
ところで錦織くんが校長になるきっかけを作ったのは江藤知事です。
江藤知事が錦織くんを校長に就任させたのもある打算からです。
江藤知事は、錦織くんが校長である限りヘブンさんは松江中学の英語教師を続けるだろう。
そんな打算をしていました。
ヘブンさんという優秀な英語教師が存在することで島根県の価値もあがる。
島根県の価値があがれば自分の知事としての実績になる。
そんな計算をしていたのでしょうが、その計算が成り立たなくなるわけです。
そして江藤知事はこの計算違いを回収するために、まさかの行動に出ます。
江藤知事のまさかの行動
江藤知事は錦織くんの校長職を解任。
そして帝大も出て教員免許もある庄田くんを校長に昇格。
ヘブンさんが松江中学にいないと決まれば、錦織くんを校長にさせておく理由はありません。
学歴と資格を偽る危ない橋を渡る必要などなくなるわけです。
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よかった!
三之丞くんが、働いてた!
しかも、おトキちゃんに返すお金を貯めてた!
もう、今日はこれが一番だったかもしれない。
それはつまり、もう私たちは大丈夫だよ、と。
私たちは私たちでやっていけるよ、と。
だからあなたたちは熊本に行きなさい、と、そういうことですね。
今回、ヘブンさんの本心に気付かなかった二人が、その本心を知りました。
ラストサムライ、さすがのお仕事です。
でもあれは、辛い。
玄関にひっそりと置かれたたくさんの本と虫かごが、錦織さんの傷心を物語っていした。
オジョを溺愛しているオジジ様が、ラシャメン騒動の時に木刀振り回して駆けつけなかったことを不自然に思っていましたが、考えあってのことだったのですね
私はまたてっきり小日向文世さんのスケジュールの都合かと思っていました(笑)
名乗る程の者ではない様、「怪獣使いと少年」については、切通理作さんの著書、その名も「怪獣使いと少年」で脚本を書いた上原正三氏へのインタビューを含めて、詳細に分析されています。この本には上原氏の他に市川森一氏らウルトラシリーズを手掛けた他のライターの方々への突っ込んだインタビューもあり、なかなかの労作です。未読であれば是非ご一読を、アマゾンで入手可能です。
錦織さんの心遣い、いささか無駄というか、彼は頭も性格も良いのだけれど、人間的にどこか欠落している所がある。おタエさんや勘右衛門さんほど何か人の機微が読めない所が。若いから、人生経験が少ないから、と言うだけでは済まされない所が。その点では、おサワさんの一件ではヘタを打ったけど庄田さんのほうが人間的には一枚上では。ヘブン氏とは親交を築いたけど。自分の事しか見えてない所が。江藤知事の言動から察するに彼の立場は危うくなっている。勘右衛門さんの箴言により遂にヘブンさんがおトキさんに。真の意図を告げる。勘右衛門さんの心遣い、覚悟泣かせる。