2025/10/31(金)第5週「ワタシ、ヘブン。マツエ、モ、ヘブン。」
あらすじ
ヘブンの初登校の前日の夜。ヘブンの世話を任された英語教師の錦織は、いまだにヘブンとコミュニケーションをとることができず焦りを募らせていました。県知事の江藤もまた、翌日にヘブンが無事に教壇に立てるのかを案じていました。
そして迎えたヘブンが初めて登校する日。その日の朝、ヘブンは旅館の部屋に閉じこもり、部屋の外に出てこようとしませんでした。女中のウメがヘブンに呼びかけるものの、ヘブンは朝食を食べることすらも拒みました。
そこへ錦織がヘブンを迎えに来ました。ヘブンは錦織の呼びかけにも応じませんでした。いら立つ錦織にトキは言いました。ヘブンの松江上陸時に握手した際、ヘブンの手は震えていた。ヘブンは人々の期待に応えられるか怖いのではないかと。
トキの読みはあたり、ヘブンは日本語が上達しないことに焦っていました。そんなヘブンに錦織は言いました。日本語を使う必要はない。生徒はあなた自身を待っているのだと。錦織の言葉を聞いたヘブンはようやく安心感を得ることができるのでした。
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感想
今週はついにヘブンさんが本格登場しました。
今週の段階ではヘブンさんとトキちゃんの関係はまったくの他人です。
しかし、今後の二人の関係の変化を暗示するようなサインがいくつも出ていました。
今週の振り返り:ヘブンさんの微妙な表情
ヘブンさんの最初の登場場面、すなわちヘブンさんが松江に上陸する直前の場面です。
船上のヘブンさんは、ヘブンさんを迎える群衆に向かって笑顔を見せながら手を振りましたが、一瞬だけ不安そうな表情を浮かべました。
その表情の理由は明かされぬままヘブンさんは下船し上陸。
そして、偶然にトキちゃんと握手。
トキちゃん、この時に違和感を感じた様子でしたが、トキちゃんの感じた違和感の正体も明かされぬまま上陸の場面は終了。
そして着任する中学校に初めて登校する前日。
ヘブンさんは錦織くんから逃げまくる、避けまくるという謎の行動に出ました。
錦織くんが訪ねてくると旅館から脱走する。
錦織くんが再び訪ねてくると今度は無視を決め込む。
このヘブンさんの謎の行動も木曜日まで明かされることはありませんでした。
そして迎えた今回、金曜日。
トキちゃんが握手をしたときに感じた違和感の正体をトキちゃんが語ることですべてがつながりました。
ヘブンさんが船上で見せた表情は教師をやることへの不安。
錦織くんから逃げ回っていたのも同じ不安。
その不安が手の震えとなり、その手の震えを通じてトキちゃんはヘブンさんの気持ちを察知。
木曜日までトキちゃんとヘブンさんは全く無縁の人のように描かれてきましたが、実はトキちゃんが松江でのヘブンさんの最大の理解者であることが判明。
錦織くんもヘブンさんの気持ちに全く気づいていなかったことを口にしました。
ヘブンさんを人間扱いしていなかったという錦織くんの言葉が、ヘブンさんの気持ちを理解していたトキちゃんの心づかいを際立たせていました。
今後のトキちゃんとヘブンさんの深く理解し合った関係を暗示しているようでした。
今週の振り返り:イライザさん
これまで米国の場面で一度だけ登場したイライザさんが「写真」で登場。
最初の登場はヘブンさんが花田旅館の一室で書き物をする場面。
ヘブンさんが書いていたのはイライザさんへの手紙。
松江の地で最高の日本滞在記を書きあげたら帰国することや、日本滞在記を誰よりも先にイライザさんに読んでもらうことなどをヘブンさんは手紙に書きました。
この手紙だけでヘブンさんとイライザさんの関係がすべてわかりました。
しかしイライザさんの存在を視聴者に印象づけるかのように、イライザさんの写真はもう一回登場しました。
それは花田旅館の女将であるツルさんと女中のウメちゃんが部屋の清掃(?)をする場面。
ツルさんはイライザさんの写真を手に取り、ヘブンさんの大切な人であろうとウメちゃんに語ることで、ヘブンさんの中でイライザさんの存在の大きさが強調されました。
しかし、トキちゃんとヘブンさんが結ばれる展開になることはネタバレを知らない人でも知っている周知の事実。
トキちゃんとヘブンさんの二人が結ばれる前に、大きなハードルがあることをイライザさんの存在が暗示していました。
一方、トキちゃんも銀二郎くんのことを完全に忘れたわけではありません。
錦織くんに銀二郎くんの消息を尋ねる場面がありました。
トキちゃんと銀二郎くん、ヘブンさんとイライザさん、この四人の関係がどのように変化していくのか、楽しみな展開があることが今週暗示されました。
予習レビューと史実のリアルエピソード
【史実】ラフカディオ・ハーン来日
今週、ヘブンさんが松江に到着しますが、ヘブンさんが日本に初上陸してから松江に来るまでの日々はドラマの中ではスキップされています。
ヘブンさんは松江に来るまで日本で何をしていたのか?
ヘブンさんの実在モデル、ラフカディオ・ハーンが来日するまでを簡単にまとめてみます。
ラフカディオ・ハーンは日本滞在の紀行文を書き上げ、恋する女性エリザベス・ビスランドに捧げてプロポーズすると心に決めました。
ちょうどその頃出版されたラフカディオ・ハーン『仏領西インドの二年間』が成功。
気をよくした版元のハーパー社は日本の紀行文の原稿をラフカディオ・ハーンから買い取ることを約束しました。
そして、ラフカディオ・ハーンが松江にやって来る四ヶ月前。
1890年4月初旬に、ラフカディオ・ハーンは横浜港に到着しました。
しかし日本に着いてすぐにラフカディオ・ハーンはアメリカから同行していた挿絵画家に所持金を盗まれるというトラブルに遭遇。
そんな中でも日本の紀行文を書くことだけはあきらめなかったラフカディオ・ハーンが選んだ道。
それは日本で働き口を見つけて滞在費用を稼ぐという道でした。
【史実】二つの仕事が続けてキャンセル
日本で働き口を見つけて滞在費用を稼ぐと決めたラフカディオ・ハーン。
仕事はすぐに見つかりました。
欧米人の子女のための私立学校の作文の教師、それが見つけた仕事でした。
しかし、この仕事は着任前にキャンセルとなってしまいます。
欧米人の子女のための私立学校のイギリス人校長は、日本人に対して横柄な態度をとる尊大な人物でした。
ラフカディオ・ハーンは、その校長の態度に激怒。
ラフカディオ・ハーンは校長と大げんかになった末に仕事はキャンセルとなりました。
その後、ラフカディオ・ハーンは東京帝国大学で日本研究をしているバジル・ホール・チェンバレンを訪問。
ラフカディオ・ハーンは、バジル・ホール・チェンバレンが英訳した『古事記』を読み深い感銘を受けていたのです。
バジル・ホール・チェンバレンは、大分県の尋常中学の英語教師の仕事をラフカディオ・ハーンに紹介。
ところがこの仕事もキャンセルに。
しかしバジル・ホール・チェンバレンは、大分県での英語教師の仕事の代わりに、松江での英語教師の仕事を紹介。
これがラフカディオ・ハーンが松江にやって来るきっかけとなりました。
【史実】松江へ
『古事記』に記されている出雲の神々のふるさとで英語教師の仕事を得ることができたラフカディオ・ハーンは飛び上がらんばかりに喜びました。
そして1890年8月、ラフカディオ・ハーンは松江に到着。
ところでラフカディオ・ハーンが英語教師として松江に赴任する前、松江には別の西洋人英語教師がいました。
その英語教師の名はエドウィン・ベーカー。
米国人の英語教師でした。
エドウィン・ベーカーは松江からの英語教師としての招聘に応じるものの、直前になって松江側からキャンセル。
次いでカナダ人のM・R・タットルが英語教師として松江に着任。
しかし、M・R・タットルは任期途中で解雇されました。
残された記録によると、M・R・タットルはあまり熱心に仕事をする人物ではなかったようです。
エドウィン・ベーカーの招聘キャンセル。
M・R・タットルは任期途中での解雇。
その後、ラフカディオ・ハーンが松江に招聘されました。
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因みにバカボンのママの本名は春菊というど〜でもいい雑学
「優しさだけで生きて来た男」心にも無い事を。ヘブンさん恐ろしく不機嫌。ウメさん泣かすなよ。可哀そうに。初登校一体どうする?ガラスのハートの錦織さんキレそう。トキさんの見立てが解決の糸口?「ヘブン先生も私たちと同じ人間です。」トキさん(多分、実際の人も)この時代には珍しい考えの持ち主。明かされるヘブン先生の実際。やっとヘブン先生と錦織さんは通じ合えた。「ハラヘッタ」やれやれ。朝イチは真田丸さん。来週も波乱の予想。