本放送:2011年10月21日(金)
再放送:2014年4月24日(金)
再々放送:2024年10月11日(金)
第3週「熱い思い」
花言葉の花「カンナ」
あらすじ
昭和5年(1930年)夏。パッチ屋で修行をはじめてから2年経つ糸子は今もなお店では一番の下っ端に違いはありませんが、パッチの裁断から仕上げまですべて出来るようになり一目置かれる存在に。一方で慌て過ぎる仕事ぶりからミスも目立ちます。
その頃の糸子の楽しみは泰蔵の妻・八重子とのおしゃべりでした。『令嬢世界』というファッション雑誌を購読し、洋服や流行について詳しくセンスのよい八重子から、ある日糸子は洋服をつくってみたらと言われ肝心な夢を忘れていたことに気がつきます。
幼い頃に神戸の祖母が送ってくれたピンクのドレスを久しぶりに窓辺に出して眺める糸子。結局、誰にも着られることなく色褪せてしまったそのドレスのように、自分の夢も忙しい毎日に追われて消えてしまったことに愕然とする糸子。
窓辺のドレスを眺めていると、洋服を来た奈津の姿が糸子の眼に飛び込んで来ました。自分の夢だったはずの洋服に、奈津が先に近づいてことを地団駄を踏んで悔しがる糸子。しかしその夢に善作が反対するのは眼に見えています。しかし諦めない糸子。
感想
糸子がパッチ屋で厳しい仕事にもへこたれず、工場に行きたくないといじけてる勘助とは真逆にまっしぐに突き進めるのは、その先に夢があるからだとばかり思ってたのですが、なんと糸子その夢を忘れていたとは!
「洋服はうちの夢やったのに、ぼけっとしてる間に奈津が洋服に近づいた!」とのたうちまわって絶叫しながら悔しがる糸子。あんな悔しがり方する人間、はじめて見るかもというくらいの悔しがりっぷり。
すべて勉強だとがむしゃらに働いて来たこれまでの日々、決して無駄とは思えないのですが糸子にとってその時間は「ぼけっとしてる間」に過ぎない。自分だったら良く働く自分に酔ってしまって夢を忘れたことも許してるところです。
夢を叶える・・・といったタイトルの本、本屋さんに行くとたくさん並んでます。僕もかつては好きで何冊か読んだことがありますが、「夢」がのたうちまわるほどに欲しがるものであること、夢に向かって全力でいても忘れるものだとは初めて知りました。
夢を叶えるのに重要な要素がもう一つ今回出て来ました。夢を思い出し、再び夢に照準を合わせて走り始めようと心を固めた糸子ですが、眼の前に巨大な障壁:善作お父ちゃんの存在が。
悔しくて悔しくて糸子が大騒ぎしている時、実に絶妙なタイミングで「うるさい!」と怒鳴られ「巨大な障壁」の存在を思い出させてくれましたね。
その「巨大な障壁」を思い出した時の糸子、善作を睨みつけながら「しかし諦めるわけにはゆかない」諦めない、負けない、糸子はこの言葉を口癖のようによく使いますが、これも夢を叶えるのに重要な要素。
夢を追いかけている人は、下手な自己啓発本を読むよりも『カーネーション』を観た方が本当に大切な知恵がたくさんみつかるかも知れないと思いました。