カーネーション

きれいさっぱり千秋楽や / カーネーション 第42話

本放送:2011年11月21日(土)
再放送:2014年5月24日(土)
再々放送:2024年11月9日(土)
第7週「移りゆく日々」
花言葉の花「ワレモコウ」

あらすじ

昭和9年(1934年)になりました。末松商店は年明けから連日大勢の客が詰めかけ、糸子はいつも通りの暮らしが始まりました。そんなある日、善作は謡の弟子に稽古は今日が最後になると頭を下げました。

その日の夕方、善作は料亭吉田屋で商店街の顔馴染みを招いて宴会を催しました。集まった客を前に挨拶をする善作は、これまで世話になった御礼と、これからのお願いしたいことを述べ、その夜は遅くまでどんちゃん騒ぎを繰り広げます。

翌朝、娘たちが皆出かけるのを確認した善作は、覚悟を決めて外へ出ると店の貼り紙を全て剥がし小原呉服店の看板を万感の想いを込めて見上げます。その善作の姿を瞳に涙をいっぱいたたえて見守る千代。

夕方、仕事から帰って来た糸子は店の貼り紙はもとより看板までなくなっていることに気づきました。慌てて家に入ると空っぽの家の中で一人夕食の支度をする祖母のハルが糸子に告げました。「今日からうちとあんたの二人っきり」

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感想

糸子が成長し一方で呉服屋が傾いてこの方、糸子を殴っては後悔し糸子のために何かをし、また殴っては後悔し糸子のために・・・を繰り返して来た学習能力がちょっと残念なレベルの善作お父ちゃん、今回はその集大成みたいです。

下駄屋のおっちゃん、あの怖いおばちゃんが今回に限って小遣いくれたという第三者の反応からもただ事でない何かを感じさせながら、それが何かをなかなか見せないじれったい脚本と演出。

木之元電気店の白い大きな包み。「善ちゃんのためや」と言いながら、それが何なのか何故善ちゃんのためなのか一切明かさず、しかしそれがとてつもなく大切な意味を持つことがわかる思わせぶりな台詞の数々。

しかも、その白い大きな包み。宴席で挨拶する善作お父ちゃんの後ろに鎮座。覗き見する奈津がその場を離れた間にどうやら包みが開けられたものの、また白い布で覆われえ何かわかならい。宴席にわざわざ運ぶくらいだから相当大切なものなのでしょう。

またここ数回、善作お父ちゃんはずっと酔っぱらいの姿ばかり。久しぶりの素面だけに善作お父ちゃん。何やら企んでいることがいつもと違って並々ならぬ覚悟で臨んでいることもよくわかる演出でした。

善作お父ちゃんが糸子にだけは覚られないように密かに計画を運ぶ様を、ネタの小出しの緻密な積み重ねで見事に見せてくれた脚本。わずか15分の中によくぞここまで詰め込めると、プロの技に感嘆しました。

その翌日。店の貼り紙を次々と剥がし始め、夕陽に照り映える店の看板を万感の想いを込めて見上げる善作お父ちゃんの姿。その姿を涙ながらに見守る千代お母ちゃん。

善作お父ちゃんが暴れる度に千代お母ちゃんは気の毒だ。人生踏み外したんじゃないかといつも心配してましたが、今回の千代お母ちゃんの涙を見て心配は無用だとわかりました。千代お母ちゃん、夫に心底惚れてるんですね。そして夫の夢に惚れていたんですね。

この夫婦がいつまでに幸福でありますように。

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