2024/7/5(金)第14週「女房百日 馬二十日?」
あらすじ
穂高の最高裁判事退任の祝賀会で、寅子が穂高に感情をぶつけた翌日。穂高が寅子の職場に姿をあらわしました。寅子が弁明しようとするより先に穂高が謝罪し始めました。そして寅子を誇りに思うと告げました。
その数日後、寅子は栄二と向き合う時間を作ることができました。寅子が言葉を尽くして栄二に語りかける中、栄二はついに口を開き始めました。そして、安心して頼れる親類がいることを打ち明け始めました。
栄二の告白に対して寅子は言いました。栄二が頼る相手は両親である必要はないと。その後、寅子たちは栄二の叔母を見つけ出しました。栄二は叔母に引き取られることなり、窃盗事件を起こしてた栄二は保護観察処分で済むことになりました。
ほどなくして穂高が亡くなりました。寅子は多岐川たちと穂高を弔い、司法の理想を思い求めることへの決意を新たにしました。その翌朝、泥酔し着替えもせず眠ってしまった寅子を、優未が冷ややかな目で見つめているのでした。
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感想
トラちゃんの怒りの理由
前回、穂高先生の「「雨だれのひとずく」発言に対して激しく反応したトラちゃん。
穂高先生が改めて詫びても撤回するつもりはないらしい。
ブログ主は前回も今回も、トラちゃんの怒りの理由が理解できない。
というかついていけない。
しかし、そんなトラちゃんの怒りの理由に対して納得のレビューがネットニュースでシェアされていました。
前回、優未ちゃんが学校のテストで84点をとったことに対して、トラちゃんは取れた84点を褒めるのではなく、取れなかった16点を指摘しました。
つまりトラちゃんは不足が許せない人。
一見して完全無欠志向にも見える桂場さんも、不足が許せないタイプに見えて、実はそうではなかった。
トラちゃんとは対照的でした。
桂場さんは飲めない酒を一升瓶で飲み、口から血を流して皿をかじるほどに、穂高先生に心酔していました。
桂場さんみたいな裁判官が心酔するほど、穂高先生は立派な法律家でした。
立派な法律家とは言っても完璧ではない。
だから、すべてを完璧にできるわけがない。
また穂高先生は、自分にストイックかつ謙虚な方だったからこそ、自分が出来たことを自慢するのではなく、出来なかったことを猛省しました。
完全無欠志向にも見える桂場さんでさえ、そのあたりのことは重々理解していました。
だから、穂高先生の出来なかったことではなく、穂高先生が成し遂げたことを「穂高イズム」という最高の言葉で称えました。
それに加えて「寅子が虎視眈々」などと、桂場さんにしては珍しい親父ギャグまで。(笑)
桂場さんがますます好きになる瞬間でした。
一方で出来たことにフォーカスするのではなく、出来なかったことにフォーカスしてしまう思考のクセがあるのがトラちゃんです。
優未ちゃんが取れた84点ではなく、取れなかった16点に注目してしまうように、トラちゃんの目には穂高先生が成し遂げられなかったことしか見えないようです。
トラちゃんの痛いところが物語後半に入って早々に露呈しました。
この痛いところが、次週の中で回収されるのかな?
トラちゃんの痛いところ
祝賀会でやらかしてしまったトラちゃんのことを多岐川さんが笑い話にしてしまいました。
あの騒動を「法曹界の歴史に残る」と言って。
ここまで茶化されたことで、ある意味トラちゃんは心が楽になったかも。
なんてことをしでかしてくれたんだ、なんて責め立てられていたら、ますます追い詰められてしまうことに。
トラちゃんの痛いところを、笑い話にしてしまう多岐川さんはやっぱり大人です。
そして多岐川さんから見たらトラちゃんはまだまだ子供。
子供のトラちゃんがこれからどのような成長を見せてくれるのか、多岐川さん視点で楽しもうと思います。
予習レビューと史実のリアルエピソード
リアルトラちゃんと継子たちの関係
リアルトラちゃんと三淵乾太郎氏の再婚は恋愛結婚でした。
なので夫婦仲は良好。
しかし、新しい家族は問題を抱えることになりました。
再婚時、リアルトラちゃんにも三淵乾太郎氏にも、それぞれ子供がいました。
そしてリアルトラちゃんから見ると継子に当たる三淵乾太郎氏の子供たちとの関係があまり良好とは言えなかったようです。
とりわけ三淵乾太郎氏の長女・那珂さんは、リアルトラちゃんと対立。
リアルトラちゃんが再婚したころ、那珂さんはすでに三淵家を出ていました。
しかし、那珂さんは弟や妹と継母との関係が心配でした。
那珂さんは継母と弟・妹は合わないと考えていたようです。
そこでリアルトラちゃんと那珂さんで激しく口論。
ときにリアルトラちゃんが那珂さんに対して筋の通らないことを言い出し、リアルトラちゃんの長男が制止に入る。
そんな場面もあったとか。
ちなみに長女・那珂さんはある著書の中で次のような言葉が記録されています。
「継母という感覚はない、『父の連れ合い』。父は、母が強く出ると『うん、うん』と言う。父が彼女に対してもっと強くなればいいと思っていました」
「自分の正義で憤慨する。身内としては、つきあいにくかった」
リアルトラちゃんと三淵乾太郎氏の夫婦関係は良好でした。
しかし、継母・継子の間の微妙な家族関係を複雑なものにしてしまったようです。
また、次のようなことも。
三淵乾太郎氏の次女・奈都さんの結婚式でのこと。
奈都さんの結婚式に参列したリアルトラちゃんは、神職が奏上する祝詞がツボに入ってしまったらしく、その場で大爆笑。
神職や奈都さんのご主人を怒らせてしまった。
そんな話も残されています。
そんなリアルトラちゃんを継母に迎えた三淵乾太郎氏の長男は「我が家は平穏とはとても言い難い状態になった」という言葉を残しています。
しかし不幸中の幸いだったのは、三淵乾太郎氏の子供たちはすでに大人かそれに近い年齢でした。
よって、三淵乾太郎氏の子供たちがリアルトラちゃんを受け入れることで、ようやく平穏な家庭になったようです。
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あのお三人は、みんな穂高先生の教え子だったのですね。
そしてもしかして、同期?
楽しそうな写真に、献杯。
でもやっぱり私には、トラちゃんの怒りポイントが理解できません。
良い伯母さんに引き取られた栄二くん。
最後のはにかんだ笑顔が、印象的でした。
それと反対に、冷たい視線の優未ちゃん。
いつも頑張って「ハイ!」と笑顔で返事していた、その我慢の限界が来てしまったのでしょうか。
何かがプッツリと切れてしまったように見えました。
「ちいさなヒビ」で済めばいいのですが。
抗議した後、落ち込む寅子さん。流石に言過ぎたか。とそこへ当の本人が。皆気を利かせて逃げる。「すっきりした。」和解したが、なんかこれで永遠のお別れ?栄二君への現実的解決策。いい叔母さんがいて良かった。穂高先生逝去。やはり。故人に献杯。荒れる桂場さん。あのう多岐川さんそれセクハラ。皿食べちゃった。穂高先生の遺稿、後世に残る。猪爪家波乱の兆し。
尾野N「猪爪家に小さなヒビが・・・・・・」
仕事の成功のウラでこういう問題は起きてしまうのですかね。