2024/7/16(火)第16週「女やもめに花が咲く?」
あらすじ
東京の猪爪家から手紙が届きました。封筒の中には花江が寅子に宛てた手紙と、子供たちが優未に宛てた手紙が入っていました。花江から寅子に宛てた手紙には、寅子にしかできないことをやるようアドバイスが書かれていました。
ある日、寅子が家に帰ると夕食の支度が整っていました。夕食の支度は弁護士の杉田が手配していました。杉田は寅子に告げました。寅子は忙しい。頼れるところは誰かに頼れと。寅子は家事が楽になる一方、気持ちは複雑でした。
そんな中で寅子は、山の境界線をめぐる民事調停を担当。調停の申立人の森口は、弁護士の杉田の知り合いで地元一の名士でした。杉田は、寅子の家に届けた夕食が森口によるものであることをほのめかし、森口への計らいを求めました。
森口、杉田、そして書記官の高瀬とともに寅子は現地を訪問。現地で森口と高瀬が喧嘩を始めました。森口は高瀬を訴えると激怒。間に入った杉田は、森口の説得を試みると約束しつつつも、調停では森口に有利になるよう検討してほしいと寅子に告げました。
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感想
ヒロインの父親役を演じた経験のある男優
本作に出演している、過去の朝ドラヒロインの父親役を演じた経験のある男優さんたち。
穂高教授を演じた小林薫さん(『カーネーション』のヒロインの父親)
ライアンさんを演じた沢村一樹さん(『ひよっこ』のヒロインの父親)
多岐川さんを演じた滝藤賢一さん(『半分、青い。』のヒロインの父親)
3人ともトラちゃんの人生に大きな影響を与えた父親のような存在でした。
穂高教授にはトラちゃんがくってかかったりもしましたが、穂高教授がいなければ今のトラちゃんはいない。
一方のライアンさんと多岐川さんはクセの強いキャラとして登場しましたが、この二人がトラちゃんに与えた影響は計り知れない。
そんな、ヒロインの父親役を演じた経験のある男優たちの前例があります。
なので、
杉田弁護士を演じている高橋克実さん(『梅ちゃん先生』のヒロインの父親)
も、新潟での父親的な存在として、トラちゃんの法律家としてのキャリアに大きな影響を与えるのかな?と期待していました。
杉田弁護士の算段
前回の杉田弁護士の初登場場面では、杉田弁護士はトラちゃんを誰よりも歓迎していました。
前回はまた、家での夕食の心配までしてくれました。
公私にわたって気遣いを欠かさない杉田弁護士、優しすぎる!
そんなわけで、杉田弁護士はトラちゃんの強い味方になるのだろうと確信していました。
昨日までは。
しかし杉田弁護士の人となりが今回になってかなりはっきりと見えてきました。
杉田弁護士がトラちゃんを大歓迎したのは、早々にトラちゃんを味方につけてしまおうと算段したためでしょう。
夕食の心配をしたのもトラちゃんを味方につけるため。
トラちゃんを味方につける理由はただ一つ。
自分が手がける裁判を有利に運ぶためです。
そして自分を手がける裁判を有利に運ぶその目的は、クライアントの利益を守るためではなく、自分の利益を守るため。
杉田弁護士、地元一の名士である森口さんをはじめとして有力なクライアントを抱えているらしい。
そんな人たちの便宜をはかれば仕事は安泰。
それが杉田弁護士の狙いなのは間違いありません。
杉田弁護士の裏表
本作に出演している、過去の朝ドラヒロインの父親役を演じた経験のある男優さんたち。
穂高教授は司法の理想を追い求める高潔な紳士でした。
ライアンさんと多岐川さんは、登場した頃はクセが強くて胡散臭くて、変なおじさんにしか見えませんでしたが、実は穂高イズムを継承する愛ある法律家でした。
自分の利益のためなら何でもあり。
そんな人ではありませんでした、穂高教授も、ライアンさんも、多岐川さんも。
ところが杉田弁護士の優しい態度には裏がある。
わかりやす過ぎるくらいわかりやすい裏がある。
その裏の奥には理想が隠されているのか。
それとも裏で行き止まり、腹黒いだけのおじさんなのか。
本作始まって以来、最もクセが強くなりそうなキャラが登場しました。
予習レビューと史実のリアルエピソード
ドラマの中のトラちゃんと、史実のリアルトラちゃん。
ドラマの中のトラちゃんのキャリアには脚色が加えられているようで、両者の裁判官としての歩みには相違点があります。
そこで両者の裁判官としての歩みをまとめてみます。
ドラマの中のトラちゃんの裁判官としての歩み
ドラマの中のトラちゃんが司法省の嘱託として採用されてから、新潟地方裁判所三条支部に異動するまでの歩みは次のとおりです。
昭和22年3月 | 司法省民事局民法調査室に嘱託として採用される |
昭和23年10月 | 家庭裁判所設立準備室に異動 |
昭和24年1月 | 東京家庭裁判所判事補(兼)最高裁判所家庭局事務官 |
昭和24年4月 | 東京家庭裁判所特例判事補 |
昭和26年 | アメリカ合衆国の家庭裁判所視察のため渡米 |
昭和??年 | 新潟地方裁判所三条支部に異動 |
史実のリアルトラちゃんの裁判官としての歩み
ドラマの中のトラちゃんが新潟地方裁判所三条支部に異動する時期の、リアルトラちゃんの歩みは次の通りです。
昭和22年6月 | 司法省民事部民法調査室に嘱託として採用される |
昭和23年1月 | 最高裁判所事務総局家庭局(兼)民事局事務官 |
昭和24年8月 | 東京地方裁判所判事補 |
昭和25年5月 | アメリカ合衆国の家庭裁判所視察のため渡米 |
昭和27年12月 | 名古屋地方裁判所判事(女性初の判事) |
昭和31年5月 | 東京地方裁判所判事 |
昭和31年8月 | 三淵乾太郎と再婚 |
昭和47年6月 | 新潟家庭裁判所長(女性初の裁判所長) |
ドラマと史実の相違点
ドラマの中のトラちゃんは裁判官のキャリアを家庭裁判所でスタートしたのに対して、リアルトラちゃんは地方裁判所でスタートしています。
また、ドラマの中のトラちゃんの最初の転勤先が新潟なのに対して、リアルトラちゃんの最初の転勤先は名古屋です。
リアルトラちゃんも新潟に転勤していますが、再婚して16年も経過してからのことです。
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腹黒さが見え見えの杉田弁護士(梅ちゃんの堅物パパ!)ですが、
トラちゃんを丸め込ようとする中にも、 意外といいこと言ってます
持ちつ持たれつ、頼れるところは頼る。
子供が1番嬉しいのは、ギスギスしてない親が自分を見てくれること。
完璧主義のあまり空回りしてるトラちゃんですが、
早く心のゆとりを持てますように
取り付く島もない航一さんの態度に、軽く舌打ち。
なんか胡乱だなーと思っていた杉田さんが、やっぱり胡乱だと分かった瞬間でした。
航一さんの一連の態度は、トラちゃんへの無言の警告だったのかもしれません。
全方向から、トラちゃんを懐柔しにかかっていますね。
書記官の高瀬くんは、いろんなものを抱えているのですね。
様々なことが浮き彫りになった現地調査でした。
あの兄弟やはり怪しい。二人の前に現れる猪爪家の人達の幻影。民事訴訟。高瀬君何やら曰く有り気。夕食の謎のケータリング。なんか買収っぽい。現地調査。しんどい高瀬君、トラブルの火種に。