虎に翼

朋一とのどかとの間の溝 / 虎に翼 第107回

2024/8/27(火)第22週「女房に惚れてお家繁盛?」

あらすじ

朋一とのどかとの間にある溝の深さを知った航一が打ち明けました。自分もかつては、寅子と同じように溝を埋めることができると信じていたことがあると。航一の言葉に応えて寅子は、一緒に溝を埋めようと航一を励ましました。

その数日後、優未の入学式の日を迎えました。入学式の後、寅子と優未は猪爪家へ。寅子と花江はお互いに近況報告。直人は司法試験に不合格。直治は三年という期限付きでサックス奏者になる修行をしていました。

その日、直明が法律に関心を持つ中学生たちの勉強会を開いてほしいと寅子に頼みました。直明の頼みを快諾した寅子は、地裁の一室で勉強会を開催。勉強会は秋山、稲垣、そして小橋も協力することになりました。

その勉強会に来た男子生徒から、女性は働かなくてもいい、その方が得だという意見が出て寅子を困惑させました。寅子が返答に困っていると、それまで黙っていた小橋がその男子学生の考えに同意。寅子をさらに困惑させました。

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感想

星家の分断

航一さんと二人の子供たちの間にあった溝は、トラちゃんと優未ちゃんを迎えたことでさらに深くなってしまったのか。

それとも、航一さんと二人の子供たちが見て見ぬフリをしていた心の溝を直視することになってしまったのか。

トラちゃんと優未ちゃんを迎えたから星家の分断は日に日に深刻な事態に。

朋一くんとのどかちゃんの二人が本音を語り合う場所は自分たちの家の外、それまで本音を語り合っていただろう家の中にはトラちゃんと優未ちゃん。

この構図が痛々しい。

痛々しかったのはこの場面だけではありません。

優未ちゃんの入学式の日。

記念撮影の際に、航一さんが優未ちゃんと手をつないだことを朋一くんとのどかちゃんの二人は見逃しませんでした。

朋一くんものどかちゃんも、お父さんからそんなことされた経験がないに違いない。

自分たちの存在はお父さんにとってどのようなものなのか。

二人の頭の中はそんな疑問でいっぱいになっていたはずです。

しかも、記念撮影の現場にいた誰一人として、朋一くんとのどかちゃんの気持ちには気づいていないらしい。

家の中で自分たちの居場所を失いつつある朋一くんとのどかちゃん。

この不満がもう一回爆発するのはいつのことになるのか。

しかも、二度目の爆発はより一層大きな爆発になることも予想されます。

しかし、そんな中でも少しだけ希望もありました。

航一さんがのどかちゃんを散歩に誘ったことです。

のどかちゃんはその時、お友達と出かけることが決まっていました。

だから散歩には一緒に行けません。

でも、友達と出かけるから散歩には行けないと即答はしなかった。

ほんの数秒だけ考え込む時間がありました。

その沈黙の数秒が、のどかちゃんが喜びを噛みしめる数秒だと嬉しい。

朋一くんが兄、のどかちゃんが妹、という立場ではありますが、のどかちゃんの方が圧倒的に大人みたいです。

溝を埋めるための本丸はどうやらのどかちゃん。

しかし、その一方で二度目の爆発、それも大爆発を起こすのはのどかちゃんであることも分かっています。

溝を埋めるキーマンものどかちゃん。

大爆発を起こすのものどかちゃん。

のどかちゃんから目が離せなくなりました。

ハーシー

先週の明律大学の「同窓会」でハーシーこと小橋くんが呼ばれていなかったことがずっと気がかりでした。

しかし今回、久しぶりに登場した小橋くんを見て納得です。

相変わらずのひねくれた性格。

しかも出世もしていないらしい。

おそらく誰かが小橋くんに声をかけたものの、小橋くんの方から断ったのかもしれません。

あのときのヒャンちゃんの言葉を借りるなら「会わせる顔」がないので。

そんな小橋くんが今回の最後に、いかにも小橋くんらしい存在感を発揮しました。

次回、小橋くんは何を言い出すのかな?

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予習レビューと史実のリアルエピソード

星家の人々

今週、トラちゃんが星家で新生活を始めます。

しかし、星家の人々の初登場週で描かれたように、星家の人々には表の顔と裏の顔があります。

裏表がある人々の間でのトラちゃんと優未ちゃんの苦悩。

それが今週のテーマの一つと思われますがではリアルではどうだったのか。

情報をまとめてみました。

リアルトラちゃんとリアル航一さんの結婚

当時のリアルトラちゃんとリアル航一さんが再婚したのは昭和31年(1956年)8月。

当時のお二人の年齢は次のとおりです。

三淵嘉子(41歳)
三淵乾太郎(49歳)

リアル星家の子供たち

リアルトラちゃんが再婚した当時、リアル航一さんの家族構成とそれぞれの年齢は次の通りです。

那珂(長女、お父上の再婚直前に結婚)
奈都(次女、21歳)
麻都(三女、18歳)
力(長男、14歳)

参考までにリアルトラちゃんのお子さんは女の子ではなく男の子でした。

芳武(長男、13歳、麻布中学2年)

リアル百合さん

リアル百合さんの名前は三淵静さん。

ドラマの中の百合さんは航一さんの継母という設定ですが、この設定は史実を再現したもので、三淵静さんもリアル航一さんの継母です。

三淵静さんは明治24年(1891年)生まれ。

没年は定かではありません。

しかし昭和38年(1963年)に、リアルトラちゃん&リアル航一さんと一緒に写した記念写真が残されています。

よって、リアルトラちゃんとリアル航一さんが再婚した当時、リアル百合さんは存命。

当時の年齢は65歳です。

リアルトラちゃんとリアル星家の人々との関係

リアルトラちゃんとリアル星家の人々との関係は決して良好とは言えなかったようです。

とりわけ、長女の那珂さんはリアルトラちゃんとはウマが合わなかったようで、那珂さんの次のような言葉を残しています。

「身内としては付き合いにくかったですね」

リアルトラちゃんとリアル航一さんが再婚した当時、那珂さんはすでに結婚し実家を出ていました。

しかし、実家に残した妹と弟を案じ度々実家に電話。

そして、電話を通して那珂さんとリアルトラちゃんは言い争いをしていたという証言も残されています。

長男の力さんもまた次のような言葉を残しています。

「昨日仲睦まじかったかと思うと今日はもう言い争い」

言い争いとはっきり言葉に出している状態のようでした。

力さんは続けて次のようにも発言しています。

「我が家は平穏とはとても言い難い状態になった」

リアルトラちゃんとリアル航一さんの再婚によって、リアル星家は平穏さを失ってしまったようです。

リアル優未ちゃんとリアル航一さんとの関係

リアル優未ちゃんとリアル星家の人々との関係がどうであったかは定かではありませんが、リアル優未ちゃんとリアル航一さんの関係は良好だったようです。

リアル優未ちゃんこと芳武さんは、リアル航一さんについて次のように語っています。

「乾太郎さんとはすぐに仲良くなれました」

リアル優未ちゃんについては何ら問題はなかったようで、ドラマの中の優未ちゃんも安泰なのかなと期待しています。

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POSTED COMMENT

  1. ずんこ より:

    のどかちゃん、実はずっと航一さんに甘えたかったんじゃないかしら。
    百合さんにも。
    でも百合さんからは「『百合さん』と呼んで」と、言い換えれば「お祖母ちゃん」と呼ぶことを拒否されてしまった。
    航一さんは抱えているものが大きすぎて、心を閉ざしてしまった。
    甘えたくても甘えらない状態で、成長してきたのでしょうか。
    だからきっと、素直に航一さんや百合さんに甘える優未ちゃんが、うらやましく妬ましいのでしょう。
    航一さんから散歩に誘われたとき、ちょっとだけ嬉しそうでしたね。

    いろんな問題を抱えながら、それを無視することで問題を滓のように沈めて「ないもの」として、それなりのバランスを保って来た星家。
    トラちゃんと優未ちゃんという異物が投げ込まれたことで、沈んでいた滓が舞い上がってきたようです。
    そっとしておいて沈殿させるのではなく、キチンと掬い取って解決することはできるでしょうか。

    ハッシー、何を言い出すの?

  2. 還暦のたつお より:

    「ちちんぷいぷい~。」久々に聞いた。航一さんの苦悩。最後の笑みは何?朋一、のどかさん彼らなりに、でもこのままでは溝は埋まらない。直人さん落ちちゃった。勉強会。玄太君誰かに似ている。彼は何故来たの?散歩、多分また今度はない。時代錯誤的な優等生君の発言。小橋さんそれに乗っかって。ここはよねさんに一喝して欲しい。

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