2025/7/3(木)第14週「幸福よ、どこにいる」
あらすじ
高知新報が、夕刊に代わって月刊の雑誌を出すことが決定しました。進駐軍から月刊誌刊行の許可がおりたのです。夕刊の発行がなくなり時間を持て余していたのぶと岩清水は、東海林から告げられたその決定を心から喜びました。
そんな中、メイコが家出したとの連絡がのぶのもとに入りました。のぶはメイコのことが心配で、打ち合わせにも身が入らなくなりました。そんなのぶを見るに見かねた東海林は言いました。家出人の取材に行ってこいと。
その日、のぶが帰宅すると家の前でメイコがのぶの帰りを待っていました。メイコはのぶに言いました。のど自慢に出ることを家族に反対され一人で東京に行くつもりだった。しかし、不安になって高知駅で下車。のぶの家に来たのだと。
のぶとメイコが話し込んでいるところに羽多子もやって来ました。メイコはのぶと羽多子に言いました。高知で働いて東京に行くお金は自分で貯める。その間、のぶの家に置いて欲しいと。メイコの願いをのぶと羽多子は受け入れました。
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感想
事前情報によれば今回は高知新報で月刊誌の刊行が決定。
なので、月刊誌の話が一気に進んでいくものと予想していたら、メイコちゃんが今回の主人公。
今回はアバンタイトルもメイコちゃんからスタート。
文字通りメイコちゃんに始まりメイコちゃんに終わる回。
さらにクラバアのまさかの過去まで語られる。
意外すぎる回でした。
クラバアのまさかの告白
前回、メイコちゃんは勇気を振り絞って蘭子ちゃんのお金を貸して欲しいと頭を下げました。
しかし、お金が必要な理由を打ち明けたら蘭子ちゃんに一笑に付されてしまいました。
どうやら、姉妹の会話を耳にしてしまったらしいクラバア。
そのクラバアの神妙な表情で前回はおしまい。
クラバアの神妙な表情の理由は前回はわからないままでした。
そして今回、帰宅したメイコちゃんはカマジイと羽多子さんににらみつけられる。
のど自慢に出るために東京に行きたいと言ったことがバレたらしい。
しかし、蘭子ちゃんはメイコちゃんの秘密を誰にも言った覚えはない。
メイコちゃんの秘密が家族にバレたのは、どうやらクラバアが言ってしまったから。
クラバア、なんでチクったりするのと最初は思いましたが、クラバアのまさかの告白に心を揺さぶられました。
クラバアの最初の一言で、すべてがわかりました。
「あの子は昔のわて」
若い頃のクラバアにも夢がありました。
クラバアの夢は映画女優になることでした。
その夢のことを今でも思い出すらしい。
あの時、清水の舞台から飛び降りるつもりで京都に行っていたら、自分の人生はどうなっていただろうと。
クラバアのこの告白にもグッときましたが、クラバアの告白をバカにすることなく真剣に耳を傾けるカマジイもまた男前です。
クラバアの告白を聞かされた際のカマジイの言葉も素敵です。
「女子というのは大胆なことを考えるにゃあ」
頭の硬いだけのジイさんなら、こんな場面では「女子というのはバカなことを考えるな」と言うところ。
ところがカマジイは「大胆」と言って讃える。
カマジイ、時代の先端のその先まで行ってます。
さすがのぶちゃんの祖父だけのことはあります。
メイコちゃんの決意
メイコちゃんの決意が本気です。
単なる憧れでは済まないレベルの決意です。
クラバアの言葉を借りるなら、清水の舞台から飛び降りる覚悟がメイコちゃんにはあります。
メイコちゃんの決意が本気だと確信したのは次の2点から。
東京までの旅費をクラバアからもらったが、旅費は自分で貯めると決めたこと。
そして、戦争のせいにしたくない。
日本は戦争に負けたが、自分は負けたくないと言い切ったこと。
浅田家の三姉妹の中では一番フワフワしたキャラクターでしたが、心の中ではこんな燃える思いがあったとは想像もできませんでした。
メイコちゃんがこのまま歌手の道を歩むのか。
それとも、御免与では歌が上手いと評判でも、全国区ののど自慢では歯が立たずに終わるのか。
仮に後者に終わったとしてもメイコちゃんに悔いは残らないでしょう。
清水の舞台から飛び降りるつもりで挑戦したのだから。
メイコちゃんは健ちゃんと結婚して家庭に入る。
そんな展開を予想していたのですが、メイコちゃんどうやら波乱の人生を送るのかもです。
予習レビューと史実のリアルエピソード
嵩くんと健ちゃんが廃品回収始める
今週、嵩くんと健ちゃんの仲良し二人組みの一緒の姿が復活します。
終戦直後、世の中が大混乱する中で親友どうしの二人が始めるのは廃品回収と、回収した廃品の中から使えそうな雑貨を見つけて売る仕事です。
この廃品回収の仕事はその後の嵩くんの歩みにとって極めて重要な仕事となるはずです。
ただし、その詳細は今回の本欄では伏せておきます。
それにしても、嵩くんと健ちゃんが再び一緒に何かを始めるというのは本当に嬉しい。
振り返ってみると、嵩くんと健ちゃんはずっと一緒でした。
東京の美術学校の受験会場で一緒。
ドラマの中ではその場面はありませんでしたが、京都の美術学校の受験会場でも二人は一緒だったらしい。
そして、東京の美術学校時代には同じ下宿で共同生活。
卒業後、就職してもなお一緒に暮らし続け、健ちゃんが招集された際には涙の別れもありました。
その後、軍隊の中で再会。
駐屯地で倒れた嵩くんを介抱していたのは健ちゃんでした。
そんな仲良しの二人の姿が、今週から復活します。
【史実】リアル嵩くんも廃品回収をしていた
ドラマの中で嵩くんが廃品回収を手がけるエピソードは史実にモチーフがあります。
リアル嵩くんも終戦直後に廃品回収を行っていたのです。
リアル嵩くんが廃品回収を行うまでの経緯は次のとおりです。
戦争が終わり無事に帰国できたリアル嵩くんでしたが、これから先どのように生きていったらいいのか考えがまとまらずにいました。
というのも軍隊生活の5年間、リアル嵩くんは命令されたことを従順にやることを徹底。
自分の頭を使って何かを考えることを放棄してきたため、どれほど考えようとしても考えがまとまらなくなっていたようです。
そんなある日、戦友の一人がリアル嵩くんを訪問。
その戦友は叔父がやっている会社に入らないかとリアル嵩くんを誘いました。
考えることが面倒になっていたリアル嵩くんは、深く考えることもせずにいとも簡単に戦友の誘いに乗りました。
その戦友の叔父の会社が手掛けていたのが廃品回収でした。
【史実】リアル嵩くんがやっていた廃品回収の仕事
リアル嵩くんが実際にやっていた廃品回収の仕事の具体的な中身は次のとおりです。
廃品を回収する先は進駐軍です。
物資が極度に不足している当事、日本の民間人の家庭に廃品なんてなかったでしょうから。
リアル嵩くんはトラックの荷台に乗せられ進駐軍の兵舎を訪問し、そこに捨てられている廃品を回収。
古着は洗濯して繕って売り物にする。
空き瓶は水筒にする。
金属は一旦溶かして鍋や釜にする。
進駐軍の兵舎で出たゴミを集め、それを生活雑貨に再生して販売していたそうです。
そんな単純作業を繰り返すうちに、それまで物事を考えられなくなっていたリアル嵩くんの頭脳も少しづつ動くようになってきました。
そんな中でリアル嵩くんはあるものと出会います。
この「あるもの」との出会いがリアル嵩くんの人生を動かし始めます。
「あるもの」は次回の本欄に記します。
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くらばあさんの秘めてた夢。朝田家の皆さん、少しメイコさんの事を子供扱いしていたのかな。当時としては、大それた願望なので、とりあえず反対してたけど戸惑いの方が大きかったのかな。でもこれがきっかけで一人前扱いへ。