あんぱん

解雇を言い渡されるのぶ / あんぱん 第97回

2025/8/12(火)第20週「見上げてごらん夜の星を」

あらすじ

嵩はスケジュールを書く黒板を仕事の予定で埋め尽くし、それを見たのぶは心から喜びました。しかし実際には嵩にそれほど仕事は入っておらず、打ち合わせに行くふりをしてカフェで時間をつぶしていました。

そんな中、のぶは鉄子から解雇を言い渡されました。鉄子はのぶに言いました。ここにいても、探しているものは見つからない。その日の夜、八木は鉄子に言いました。のぶと一緒にいることが怖くなったから解雇したのだろうと。

その数日後、のぶは登美子の家を訪問。自分が解雇されたことを登美子に打ち明けたのぶは、嵩には余計な心配をかけたくないと話しました。のぶの言葉を聞かされた登美子から帰ってきた言葉は、のぶには意外なのものでした。

登美子は言いました。嵩が忙しくしているのは見栄を張ってウソをついているだけだろう。嵩は見栄っ張りなところが自分に似てしまった。解雇されたことを早く嵩に話してしまえと。その日、のぶは初めて登美子と心が通じ合うものを感じました。

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感想

薪先生

前回の後半で、のぶちゃんが探しているのは何なのかを嵩くんに尋ねた薪先生。

それは「逆転しない正義」だと嵩くんに言われた時に心に決めたのかも。

のぶちゃんをクビにすると。

薪先生がのぶちゃんを秘書としてスカウトしたころ、おそらく薪先生も「逆転しない正義」のようなものを探し求めていたのでしょう。

だから、のぶちゃんが書いた「月刊くじら」の記事を読んで、のぶちゃんに同じ匂いを感じたに違いない。

のぶちゃんが薪先生の事務所で働き始めた頃のこと。

のぶちゃんと薪先生、二人の息はピタッと合ってました。

薪先生の方がやや前のめり気味でもありましたが。

あの日も今も、のぶちゃんは変わっていません。

のぶちゃんはのぶちゃんのままです。

でも、薪先生は変わってしまいました。

薪先生が変わってしまったのは、薪先生が所属する政党が与党になってからのことでしょうか。

あの頃から薪先生は忙しくなりました。

ガード下に足を運ぶ時間的な余裕もなくなりました。

ガード下に行かなくなったガード下の女王。

かつては自分が暮らしていたガード下の家をのぶちゃんに譲ったこともガード下に足を運ぶ機会が減った理由の一つかもしれません。

一方で、のぶちゃんは結婚前はガード下で暮らしていたこともありガード下から離れることはありませんでした。

そのあたりから薪先生とのぶちゃんのギャップが生じてきました。

薪先生もそのギャップを自覚していたはずです。

ギャップを自覚していたということは、まだ理想を忘れていなかったということです。

だから、のぶちゃんのとった前のめり気味の行動を咎めることはありませんでした。

のぶちゃんの前のめりの行動にいつもストップをかけるのは世良さんでした。

そして、薪先生の口から「嫌ならやめてもいい」という言葉が飛び出したのは前回。

薪先生が完全に変わってしまったと感じた瞬間でした。

それでも薪先生は理想も忘れてはいなかったのでしょう。

前回、陳情に来た女性に同情し涙を流していた薪先生の姿が、薪先生が理想を忘れていないことを案じてしていました。

しかし理想を忘れいないからこそのぶちゃんと一緒にいるのが苦しくなる。

八木さんが指摘したことは薪先生には図星だったようです。

薪先生はまだ理想は失っていないはず。

しかし理想と現実のギャップから逃げ出してしまいました。

クライマックスまでに薪先生が理想と現実のギャップを克服して戻って来ますように。

登美子さん

登美子さんのお住まいの目白の家が初登場。

目白という地名を聞いたとき、きっと立派なお屋敷にお住まいなのだろうと予想していましたが、予想以上に立派なお屋敷でした。

さて、ドラマの中で初めて登場した登美子さんのプライベート空間。

プライベート空間が初めて登場したのに合わせて、登美子さんの孤独も初めて明かされました。

清さんが存命で二人の男の子が幼かった頃の日々は、今の登美子さんにとっても宝物のような時間らしい。

登美子さんの夢はその日に戻ること。

絶対に叶うことがない夢が登美子さんの夢でした。

登美子さんは言いました。

「あの人がいなくなってから胸に空洞が出来て風が吹き抜けていくのよ」

胸の空洞を埋めたくて、登美子さんは二度までも再婚したのかと納得です。

嵩くんにつらく当たることが多かったのも、嵩くんに依存していただけ。

清さんに依存するように嵩くんに依存していたのでしょう。

登美子さんが面倒くさいお母さんである理由もよくわかりました。

今後も嵩くんの前では面倒くさいお母さんであり続けるとは思いますが、これから先の登美子さんを見る目は変わりそうです。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

のぶちゃんが薪事務所を解雇されるフラグ

今週、のぶちゃんが薪事務所を解雇されます。

唐突な解雇のようにも見えますが、実は解雇のフラグはかなり以前から立っていました。

いつだったか、のぶちゃんが薪先生に対してガード下の人々にたまに会いに行ってほしいと要請。

そののぶちゃんの要請を世良さんがきっぱりNOと言う場面がありました。

あれが最初の解雇のフラグと思われます。

のぶちゃんは戦時中に子供たちに間違ったことを教えてしまったことの罪滅ぼしをしたいと言う気持ちが強い。

嵩くんと同様に逆転しない正義を見つけたいと考えている。

のぶちゃんと出会った頃の薪先生も、のぶちゃんと同じような理想に燃えていました。

だからこそ、自分と同じ理想を追うのぶちゃんをスカウトしたのでしょう。

しかし、政治のリアルに巻き込まれるうちに理想よりもリアルを追わざるを得ない状況に。

世良さんの言葉を借りるなら、世の中を変えるには相応の地位が必要。

相応の地位を得るには、これまでと同じことはやってられないということです。

そして現実への対応を求められる薪先生と、理想を追うのぶちゃんの間のギャップが拡大。

薪先生は次のように判断したのでしょう。

のぶちゃんが自分のところにいては理想を追うことはこれ以上は出来ないだろうと。

解雇されたのぶちゃんのその後の行動

薪事務所を解雇されたのぶちゃんは、その後、どこかの会社に就職するようです。

嵩くんがもし三星百貨店を退職していなければ、もしかするとのぶちゃんは就職する必要はなかったのかもしれません。

しかし嵩くんが三星百貨店を辞めたことで柳井家は安定収入を失いました。

独立したばかりの嵩くんの収入はまだまだ不安定です。

なのでのぶちゃんは就職しないと家計が成り立たないという事情があったのでしょう。

嵩くんが三星百貨店を退職し、同じタイミングでのぶちゃんが解雇されるという想定外のトラブルに見舞われたところでドラマは7年スキップ。

7年後も状況は変わらないようです。

嵩くんには売れる気配がない。

売れないから収入もおぼつかない。

だからのぶちゃんも嵩くんを支えるために働かざるを得ない。

そんな状況ののぶちゃんは、会社勤めの後にもう一つ仕事をするようです。

このころ、八木さんは雑貨店の店長さんをしています。

のぶちゃんは八木さんのお店で手伝いをするのだとか。

そして、のぶちゃんのダブルワークでショックを受けた嵩くん。

そのショックから名曲が生まれるようです。

『手のひらを太陽に』

しばらく前から登場し始めていた作曲家・いせたくや。

カフェで打ち合わせをしている嵩くんに声をかけてきたり、「のど自慢」の予選にチャレンジするメイコちゃんの歌のレッスンに協力したり。

何かと嵩くんとその周辺の人々に近寄ってきたいせたくやが、今週は嵩くんの仕事に深く関わることになります。

嵩くんはミュージカル『見上げてごらん夜の星を』の舞台美術を引き受けることに。

このミュージカル『見上げてごらん夜の星を』の作曲を手掛けていたのがいせたくやです。

ミュージカル『見上げてごらん夜の星を』の仕事を通して嵩くんと親しくなったいせたくやが嵩くんにお願いします。

自分が曲をつけるので作詞してもらえないかと。

ところが、自分は漫画家であり作詞家ではないと考える嵩くんはこれを拒否。

そんな中で、のぶちゃんが八木さんのお店の手伝いをするというダブルワークをしてまで嵩くんを支えている事実が発覚。

ショックを受けた嵩くんは、依頼のあった仕事はすべて引き受けようと気持ちを改めるのでしょうか。

いせたくやの依頼を引き受けようと考え始めたその時に降りてきた詩。

それが名曲『手のひらを太陽に』だったというところで今週は幕を閉じるようです。

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