2026/3/25(水)最終週/第25週「ウラメシ、ケド、スバラシ。」

あらすじ

ヘブンの訃報を知ったイライザがトキのもとに訪れました。その場に居合わせた丈が通訳する中、トキはイライザに語りました。ヘブンは東京を嫌っていたが、最後にベストセラーを書けたことで東京にもいい思い出が出来たと。

トキが口にした「ベストセラー」という言葉にイライザは反応しました。『KWAIDAN』はアメリカではまったく売れず評判も悪かったと。イライザから真実を聞かされたトキはショックを受け、『KWAIDAN』をヘブンに書かせたのは自分だと打ち明けました。

するとイライザは激怒して言いました。ヘブンがベストセラー作家として復活するための最後のチャンスをトキは台無しにしたのだと。イライザの言葉を聞き、トキは呆然と立ち尽くしてしまいました。

イライザは、トキにしか書けないヘブンの回顧録を書かせろと丈に告げると松野家を去って行きました。一方、ヘブンの作家としての人生を台無しにしてしまったことを悔やむトキは、ヘブンに謝罪することしかできませんでした。

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最終週/第25週
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感想

ヘブンさんが亡くなった後、こんなにつらいストーリーが始まるとは。

『KWAIDAN』に同梱されていた書評の切り抜きをしっかりと読んでいながら、そのことについてはトキちゃんたちに伏せていたヘブンさん。

あの場面が回収されました。

イライザさんの気持ち

前週、東京編に入った頃、ヘブンさんは帝大を解雇されました。

オワコン扱いされて。

同じころアメリカでもヘブンさんは終わった作家と認識されていました。

その頃、出版物を決める会議でイライザさんはヘブンさんに書かせることを提案。

しかしイライザさんの上司は、ヘブンさんに書かせるというイライザさんからの提案を一蹴しました。

レフカダ・ヘブンはすでに終わっていると言って。

そのことにイライザさんは誰よりも心を痛めていました。

イライザさんとしては、尊敬するヘブンさんをベストセラー作家として復活させたかったのでしょう。

これはブログ主の憶測ですが、イライザさんはその後もヘブンさんに書かせてみないかと上司に粘り強く交渉を続けたものと思われます。

何度断られても、あの手この手で説得をしながら。

そしてようやくイライザさんはヘブンさんに書かせるチャンスをつくったものと思われます。

ヘブンさんが執筆するチャンスをつくったイライザさん。

今回のイライザさんが言ったとおり、それはベストセラー作家としての評判を復活させるための最後のチャンスだったのでしょう。

上司からもそのように釘を刺されていたかと。

これがレフカダ・ヘブンに与える最後のチャンスだ。

この本が売れずに終わったら、次のチャンスはもうない、みたいな言われ方をして。

なのでイライザさんとしては、ヘブンさんが起死回生を書けて書き上げた原稿をどれほど期待していたことか。

そんなふうに想像すると、イライザさんがヘブンさんから届いた原稿を初めて読んださいの落胆ぶりの理由がわかります。

今回の激怒するイライザさんの気持ちもわかります。

作家としての名声を取り戻す最後のチャンスを台無しにして逝ってしまったヘブンさん。

亡くなったことで復活のチャンスは完全に失われたわけですから。

トキちゃん

ヘブンさんは最後にベストセラーを書けたと思い込んでいたトキちゃん。

実はヘブンさんの作家としての人生を台無しにしてしまった。

しかし謝りたくてもヘブンさんはもういない。

謝ることができれば少しは気持ちが軽くなるかもです。

しかし謝る相手がいないと後悔しか残りません。

これはつらい。

さて、本作は残り2回しかありません。

残りわずか2回で、この重すぎるテーマをどのように回収するのでしょうか。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

今週、ヘブンさんが亡くなった後にイライザさんが来日。

ヘブンさんの思い出を書いてみないかとイライザさんはトキちゃんに提案します。

このエピソードは史実をモチーフにしたものです。

史実ではどのようなことがあったのか。

以下にご紹介します。

マクドナルド、ビスランド、チェンバレン

小泉八雲の死後、残された家族を支えるために動き出した人物の中心には、アメリカ海軍のミッチェル・マクドナルドがいました。

小泉八雲は生前から彼を強く信頼しており、マクドナルド自身も「私が控えている」と言って遺族を助ける覚悟を示していました。

セツがまず取り組んだのは、小泉八雲の著作権をどう扱うかという問題でした。

遺族が生活の糧を得るためには、著作権の売却や出版契約の見直しが必要でした。

その交渉役としてセツが選んだのが、マクドナルドでした。

彼はその期待に応え、すぐに行動を開始しました。

マクドナルドは、かつて小泉八雲が恋心を抱いたこともあるエリザベス・ビスランドと協力。

ビスランドが執筆する『ラフカディオ・ハーンの生涯』の書簡の印税をすべてセツに贈ることを考えました。

その実現のために、日本と海外にいる小泉八雲の友人たちへ書簡の提供を呼びかけ、資料を集めていきました。

この活動がきっかけで、のちにセツ自身も小泉八雲との思い出を綴った『思い出の記』を執筆することになります。

この原稿は元々、ビスランドの本に収録される予定のものでした。

ビスランドは小泉八雲の死後も日本を三度訪れ、遺族と親交を深めました。

セツは彼女から受けた支援を深く感謝したといいます。

さらに、マクドナルドはもう一人の重要人物に協力を依頼します。

小泉八雲の友人であり、日本文化にも精通するチェンバレンです。

チェンバレンは快く協力を申し出ました。

日本語にも堪能な彼は、セツの意向を正確に汲み取り、交渉の場で丁寧に補佐しました。

そのおかげで、セツの考えや状況が海外にも正確に伝わるようになったのです。

支援者たちの連携はさらに大きな成果へとつながります。

明治43年(1910年)、ビスランドの編集により、小泉八雲がチェンバレンに送った書簡をまとめた書簡集が出版されました。

刊行後、長男の一雄は、チェンバレンから大切に保管していた手紙の束を手渡され、「いつかきっと役に立つだろう」と言われたことを感謝しています。

小泉八雲亡き後、ひとりでは抱えきれない困難と向き合うことになったセツと子どもたち。

しかし、小泉八雲が築いた人間関係の温かさが、遺族をさまざまな形で支えました。

マクドナルド、ビスランド、チェンバレン、この3人の奔走が、小泉八雲の遺産を未来へと受け継ぐ大きな力となったのです。

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