本放送:2012年2月3日(金)
再放送:2014年8月1日(金)
再々放送:2025年1月24日(金)
第18週「ライバル」
花言葉の花「ロベリア」
あらすじ
昭和32年(1957年)秋。優子20歳、直子18歳、聡子14歳。東京に行ってから2年経つ優子が岸和田に帰って来ました。二言目には原口という教師の話しをする優子に糸子は迷惑顔、一方で千代は優子と教師の関係が心配でなりません。
その頃、直子はある新聞社の絵画コンクールで大賞を受賞したばかり。優子から、店は長女として自分が継ぐから本気で画家を目指せと言われて腹を立てる直子。翌日、優子は最後まで原口という教師の名を連発しながら東京に戻りました。
そんなある日、糸子は組合の事務所に久しぶりに顔を出しました。三浦から周防の近況を聞かされ、周防の店が立派になっていることを知り喜ぶ糸子。その頃、組合には女性経営者が増えつつありました。
彼女たちは皆、海外から生地を取り寄せるなど研究熱心。糸子たち女性経営者は情報交換を活発に行い女性ならではの経営を目指していました。そんな中、東京から岸和田までやって来た見知らぬ男が優子の教師・原口と名乗るのでした。
感想
口を開けば「原口先生」の話しばかりの優子。崇拝に近い感情を持っているみたいです。千代お母ちゃんは、優子と原口先生が男の女の関係になっているのではないかと心配でならない様子。
それをきっぱり否定する糸子の説明が的を得過ぎています。軍事教練で竹槍を持ち軍国少女になりきってしまった優子のこと、先生の言うことは何でも信じるそれだけの性格。なるほど、原口先生の教えと軍事教練は同列なわけですね。納得。
さて、相変わらず仲の悪い優子と直子。仲が悪いというよりライバル同士張り合っていると言うべきかも知れません。何をそんなに張り合っているのか、前回の直子の号泣と今回の優子の態度でわかったような気がしました。
二人が張り合っているのは母親の愛情。母親からどれだけ多く認めてもらえるか。プレゼントのバッグで差を付けられ、安物バッグに見向きもしなかった癖に、いざそのバッグを優子が使おうとすると逆上。きっと聡子が使っても文句言わなかったかと。
一方の優子。姉妹の誰かが背負わなきゃいけないものを私が背負ったと、店を継ぐことを重荷のように口では言うものの、本音は母の店・母の愛を独占できる長女の既得権益が自慢したかっただけでしょう。直子はそれを敏感に察知。
話しを原口先生に戻します。帰る間際まで「原口先生」で、千代お母ちゃんはおもわずよろけてしまいましたが、千代お母ちゃんの心配は取り越し苦労で終わるかも。最後に原口先生を名乗るおじさん登場。この男性なら心配ないかも。
追記:女性経営者たちの集いでディオール死去が話題に。女性経営者の一人が「泣きながら仏壇に手を合わせた」って・・・。ディオールはそこにはいないような気がします(笑)それとも仏教徒だったんでしょうか。
「あの子は昔から、ああやないか」と糸子は言ってますね。
実は優子を若い頃の糸子と対比させているのです。
「糸子はそないな健気な子やおまへん」(第2週)。
糸子は意思が強い分、周囲へ意識が向かない所がありますよね。
「勉強やで」を100回以上、言われて「分かっとる、分かっとる」
と言いながら実際に痛い目を見るまで馬耳東風でした。
対して優子は「ウチは分からへん」→「自分で考え」で
ちゃんと正答を出していて学習能力や柔軟性は高い。
反面、染まりやすいし糸子ほど芯が強くない。
母の跡を継ぐというのも「自分で本気でやりたい事」が見つからないから
取りあえずの選択肢なのに舞い上がってますね。
朝ドラは自分探し系のヒロインが割と簡単に肯定されますが
「カーネーション」はそんなに甘くないのでした…。
優子の性格は千代さん由来、本来(次回、再登場しますが)静子に近い。
(妹達の中で彼女だけマメにキャラ立てしていたのも、このため)
静子は「学業優秀」
「糸子を立てる事で次女のポジションを上手く確保していた」
(優子は糸子のように長女としてどっしり構えている事が出来ない)
「姉の手伝いで働いて後は家庭に入った」でした。
糸子の「死んでも画家になる覚悟がなければ美大を受けるな」は極論で
妹は良くて娘はダメなダブルスタンダードは親のエゴなんですが
「働いてくれた分、給料を払った」妹と
「生活費及び学費を出す」娘の差というべきでしょうか(笑。
糸子がああいった言動を取った原因は別にありますが、
これは次週を良く見ていないと分かりません。
精緻な分析コメントありがとうございます。
物語全体にちりばめられたフラグを有機的につなげ、あたかもミステリー作品を読み解くような精密さと論理的思考で登場人物の心理とキャラクター設定を分析する、このような深読みはとても自分には出来ない芸当です。また、ご教導頂ければ幸甚に存じます。
今後とも当ブログをよろしくお願い致します。