2025/3/28(金)最終週/第25週「おむすび、みんなを結ぶ」
あらすじ
児童相談センターの担当者から、詩が問題行動を起こすなどのリスクを聞かされた歩は、詩の親代わりになる自信をなくしたと結に打ち明けました。しかし結に励まされた歩は、詩の未成年後見人となり、詩を家族に迎える心を固めました。
歩が詩の未成年後見人になると決めた一年後の2025年1月。結と花が糸島にやって来ました。糸島では愛子の念願だった「米田イチゴ農園」が開園。聖人、愛子、そして佳代が結と花を迎えました。
結と花が糸島に着いた日、一家は牡蠣料理の店「牡蠣小屋・恵陽丸」に食事に行きました。その店は陽太と恵美が夫婦で切り盛り。陽太と恵美の間には、すでに6歳になる息子・海がいました。海は幼い頃の陽太にそっくりでした。
その数日後の2025年1月17日。その日は阪神淡路大震災から30年となる日でした。神戸に戻った結は、ある高齢の女性におむすびを届けました。その女性は、30年前に神戸の避難所で結におむすびをくれた女性でした。
完
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感想
二人も主人公がいる贅沢な作品
半年間の物語が終了しました。
本作を鑑賞しながら、特に後半になってよく思い出しのが映画『酔いどれ天使』です。
同作品は志村喬さん演じるアル中の医師が主人公。
主人公のアル中の医師が「酔いどれ天使」という作品タイトルになっています。
にもかかわらず本作は誰が主人公か分からなくなってしまったことで知られています。
主人公と対峙する肺病病みのヤクザを三船敏郎さんが演じたのですが、このヤクザのインパクトがあまりにも強すぎた。
そのため、三船敏郎さん演じるヤクザが主人公に見えてしまい、結果として誰が主人公か分からなくなる作品となりました。
ただし誰が主人公なのか分からなくなったもののストーリーに混乱はなく、二人も主人公がいる贅沢な作品として仕上がっていました。
余談ですが朝ドラ『梅ちゃん先生』の中で世良公則さんが演じた飲んだくれの医者は、『酔いどれ天使』の主人公にオマージュを捧げたキャラクターと思われます。
話を本作に戻します。
本作を鑑賞しながら、特に後半になって映画『酔いどれ天使』を思い出したのは、同作と同様に主人公が誰か分からなくなった状態になったからです。
主人公はもちろん結ちゃんです。
しかしキャラクターの設定やキャラクターが物語の中で歩んだ道を整理してみると、どう考えても歩ちゃんの方が主人公的な要素が多い。
震災では歩ちゃんは親友を亡くしましたが結ちゃんは寝ていて当時の記憶はあまりない。
糸島に移住後、歩ちゃんは自室に引きこもり状態になったり、ギャルになって警察沙汰にまでなったり荒れに荒れました。
しかし結ちゃんは歩ちゃんに比べると圧倒的に平穏でした。
震災で愛する家族を亡くし深く傷ついたもう一人の登場人物・ナベべと、傷ついた心の再生のストーリーを一緒に紡いだのも歩ちゃん。
東日本大震災にショックを受けて具体的な行動を起こしたのも歩ちゃんでした。
実際、主人公よりも主人公の親族の方が辛酸を舐めた朝ドラは他にもあります。
例えば『花子とアン』では、関東大震災で主人公の妹が婚約者を亡くしました。
ただし主人公も我が子を亡くすなどの辛い経験をしているのでバランスは取れています。
というわけで、本作は主人公が分からなくなった映画『酔いどれ天使』のような作品。
『酔いどれ天使』のように二人も主人公がいる贅沢な作品としてブログ主の記憶に残りそうです。
歩ちゃんの主人公化を回避
最終回の舞台は糸島。
物語の冒頭の舞台に戻ってきました。
そして今週の放送に入ってすぐに糸島に移住した聖人さんと愛子さんに再び会うことができました。
もちろん佳代さんも。
さて、今回の糸島は最終回でもあり家族が顔を揃える絶好の機会でした。
にもかかわらず、「もう一人の主人公」歩ちゃんは糸島に来ませんでした。
新たに家族に加わった詩ちゃんも不在。
前回、翔也くんが言いました。
愛子さんや自分が米田家に受け入れられたように、詩ちゃんも米田家の家族として受け入れたらいいと
そんな素敵なことを言った直後なのに、歩ちゃんと詩ちゃんが不在。
これはどうしたことかと最初は違和感を感じました。
しかし、歩ちゃんと詩ちゃんが不在だったことで「本作の主人公は誰か?」という混乱は回避できたのかなと思います。
最後の二週間、クライマックスの最もエモーショナルなストーリは歩ちゃんと詩ちゃんが日に日に親密になっていくプロセスでした。
そんな二人を糸島の人々が迎えたら、最終回の主役は完全に歩ちゃんと詩ちゃんになってしまいます。
みんな新しい家族に興味津々でしょうから。
一方、最後の二週間、結ちゃんの見せ場はNST活動の復活でした。
残念ながら糸島の人々は、歩ちゃんと詩ちゃんという新しい親子関係には注目しても、NST活動の復活には関心は示さないかと。
その結果、歩ちゃんと詩ちゃんが糸島に来ていたら、二人が主役になりかねない。
さらに今回は最終回です。
最終回の主役の座に座ってしまったら、本作の主人公は歩ちゃんと詩ちゃんだったという印象を残しかねない。
そんな事態を最後に上手に回避できたと思います。
次回作

前作『虎に翼』、本作『おむすび』は、朝ドラとしては新機軸を打ち出す試みに挑んだ作品だったと思います。
次回作『あんぱん』は、久しぶりの王道を行く朝ドラのようです。
ブログ主は著名人の奥様のストーリーがとても好きなので、その点でも次回作に期待しています。
次回作『あんぱん』でも、当ブログとお付き合いいただけますと幸いです。
半年間ありがとうございました。
予習レビュー
最終回は糸島
2025年1月、結ちゃんは花ちゃんを連れて糸島へ。
花ちゃんはこのタイミングでは高校二年生、春から三年生です。
結ちゃんはそのころ何をしているのかアナウンスがないのですが、何もアナウンスがないということはその後も大阪新淀川記念病院で管理栄養士を続けているものと思われます。
そして1月ということは正月休みなのでしょうか。
なお翔也くんは後から結ちゃんたちと合流するそうです。
理容店が忙しかったのでしょうか。
今週、最もエモい役割を担った歩ちゃんは残念ながら最終回の糸島にはやってこないようです。
なんでも仕事が忙しいのだとか。
詩ちゃんはこのときすでに愛子さんが米田家の一員として迎えるつもりでいます。
なので詩ちゃんにも糸島に来て欲しかったのですが、詩ちゃんも歩ちゃんの手伝いがあるために糸島には来れません。
残念。
この結ちゃんの糸島訪問を通して、糸島の人々の近況が語られます。
聖人さんと愛子さん
聖人さんと愛子さんが糸島に移住して一年。
聖人さんは「ヘアサロンヨネダ糸島店」を開業。
ただし店舗を構えたのか、出張散髪専門なのかは定かではありません。
出店には多額のお金が必要なので、おそらくは店舗をかまえない出張専門かと思います。
一方の愛子さんは念願のイチゴ栽培を開始。
「よねだイチゴ農園」として活動をし始めています。
愛子さんはもちろんのこと、農業経験の長い佳代さんもイチゴ栽培は経験がありません。
そんな経験不足の「よねだイチゴ農園」の技術指導をするのは、聖人さんの幼馴染みの井出康平さん。
糸島編のときに糸島の農業再興に情熱を注いでいた方です。
「よねだイチゴ農園」では、地元の子供たち向けに体験農業も実施。
その体験コースに携わっているのは佳代さん。
以上が最終回の米田家の近況です。
陽太くんと恵美ちゃん
最終回で陽太くんと恵美ちゃんがようやく夫婦として登場します。
ここまで長い道のりでした。
最終回では陽太くんは牡蠣料理の店を開業しています。
IT企業を退職した陽太くんは牡蠣の養殖に取り組むと言ってましたが、養殖した牡蠣を自分の店で出しているのかは不明。
なお牡蠣料理の店名は「牡蠣小屋・陽恵丸」。
店名は陽太くんの「陽」と恵美ちゃんの「恵」の組み合わせです。
また陽太くんと恵美ちゃんの間にはすでに6歳の息子も。
名前は海くん。
おそらくチビ陽太くんを演じた子役ちゃんが海くんを演じるものと思われます。
未回収?
<陽太くんと恵美ちゃんの二人は最終回で回収されますが、ブログ主が本作が始まった頃から期待していた二つのことが回収されるのかどうかが不明。 一つはルーリーの夢である「社長」。 もう一つはリサポンの夢である「出版」。 これら二つです。 最終週の直前の週で、ルーリーはギャルモデルの事務所にナンバーツーに。 リサポンは出版社でそれなりのポジションにいることが判明しました。 これらが二人の夢実現を暗示しているのかもしれません。
おむすび|感想あらすじネタバレトップページ
朝蔵さん、今作も半年間お疲れさまでした
どの作品に対しても同じように丁寧な解説、優しい感想、頭が下がります
私は朝ドラを観ることは生活の一部になっているので、どんなに面白くてもつまらなくても毎朝見てますが、
今作は、前作トラつばの強烈なロスを抱えたまま突入し、そのまま感情移入できぬまま終了し、すっかり浅ドラになってしまいました
「あんぱん」は久々に王道朝ドラになりそうで、楽しめるのではないかと期待してます
次作もよろしくお願いします
おむすび最終回の糸島から戻った時、結がテレビを付けたらテレビで令和7年1月17日とでていたけど、今日で阪神淡路大震災から17年と言っていましたけど正しくは30年の間違いではないのか?その後六甲山の公園で被災した時のおばさんとおむすびを食べておしまいとなった。
結ちゃんだけでなく、それぞれの登場人物が「目標」を持っている姿は応援したくなりましたね。
私的に欲を言えば愛子お母さんに「ブログ」を再開して欲しかったな。
かく言う私も趣味関連の「ブログ」を始めたもので参考にしたかった。
今度は「我が家のギャルちゃん」ではなく「苺栽培」についての「ブログ」何か良いなと思いました。
「ストロベリーブログ」なんて名前とかでね。
出演者の皆様、スタッフの皆様、半年間お疲れ様でした。
群像劇ですから。これで良いかと。朝ドラで群像劇が珍しいのです。
感想ブログありがとうございました!
自分では見れない視点からの見た感想が面白かったです!
次作の感想も楽しみにしています!
これから下は自分の作品への感想です
長文で見づらいし、内容も不快に思う人もいると思うのでいやな人は目を逸らしていただければと思います
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おむすびの作品を通して、これはいいシーンだ!と光って見えるシーンは震災のときの状況や空気感の再現していたところです
多くの人が関わって産まれた作品なので、マイナスなことは本当に書きたくないのですが、こんな悲劇を繰り返してはいけないと思うので書きます
悪いところはありすぎて書き切れませんので、3つだけ書きます
世間的には脚本が悪い!みたいな空気感がありますが、
売れまくっていてスケジュールを抑えられない橋本さん だけ を主役に据えたところです
無理やり花を持たせるために違和感があるシーンが多すぎます
お姉ちゃんとダブル主人公にして、週替わりで話を展開すれば、もっと深みが出たと思います
あとは話数かけて育てたキャラクターを話に織り込まずに離脱させるところ
最後の少女を迎えるシーンは困っている姉妹が、糸島の父母に相談して、迎え入れるべきだったと思います
呪いのことをあんなに話に混ぜていたのに、オチに使わないなんてもったいなさすぎます
病院でのコロナが治ったあとでも、ずうーーとマスクをつけて会話をしているシーンです
声がこもっていて聞こえづらすぎる!、演者の表情が見えないから面白くもない!
ドラマ作品なんだからリアリティもいいけど、面白さを第一にしてよ。。。って感じでした
主人公不在の2週間で離脱を考えましたが、ブログ主さんの優しいコメントを読みたくて、結局最終回まで視聴しました。
「おかえりモネ」が東日本大震災を扱ったように、もっと阪神淡路大震災が中心のテーマになるかと思っていたのですが、「ギャル」を描くのに尺を使ってしまい、描き切れなかったのは残念でした。
また「ふたりっ子」のように主人公を結と歩のダブルキャストに当初からしていた方が、視聴者もストレスなかったのかなと(仲里依紗さんを主役にはできなかったかな・・・)。
とはいえ、朝ドラに関わることは本当に大変なことだと思うので、制作陣・俳優の方々にお礼を言いたいです。
うん、おもしろいドラマだった
一番のシーンはやっぱり65.5回紅白歌合戦のB’zサプライズだったなあ、朝のBGMにB’zが流れないのは寂しさがあるなあ
パパとママが初めて会った場所というシーンが「めぞん一刻」最終回を連想させられたり、最後の最後に震災のおむすびおばさんが出たりでエモイ展開だったなあ
まあ、結構叩かれまくったドラマだったけどワイがおもしろいと実感していればそれでええわ、おしまい