本放送:2011年11月3日(火)
再放送:2014年5月6日(火)
再々放送:2024年10月22日(火)
第5週「私を見て」
花言葉の花「スカシユリ」
あらすじ
百貨店の支配人・花村から、糸子のデザインは「普通」と却下されたものの、斬新なデザインが思い浮かばず懊悩する糸子。八重子は斬新さよりも、この人に案内してもらえたら嬉しいと思うようなデザインを考えるよう意見を述べます。
支配人に認めてもらうデザインでなく、自分が嬉しくなるデザイン、いいところに連れて行ってもらえそうなデザインにしようと発想を転換した糸子は徹夜して新しいスタイル画を仕上げます。
それを見た善作は、見本をつくれ、現物を見せたほうが面白いと提案。早速、神戸の祖母から送られてきた海外土産を道具屋に売ってお金をつくると、その足で必要な生地を買い集める糸子。
まる二日、一睡もせずに制服の見本が出来上がりました。自分で着用し家族に見せると大好評。善作は、自分で見本を着て行けば話しも早く面白いと言います。冴え渡る善作の言葉通り、制服の見本を着て糸子は百貨店に駆けつけるのでした。
感想
「一回断られたくらいで諦めない、何回でも行く」と言う糸子。前回25話ですでに二回断れていますが、断られたことで「挫折感」を微塵も感じていなのがすごい。普通なら徹夜して仕上げた10枚ものスタイル画を「普通」とバッサリやられたら意気消沈しそうなもの。
そんな糸子が今回のたうち回っていましたが、それは断られたことでなく再度の突撃をしようにも武器がない・・・斬新なデザインが思い浮かばない。斬新なデザインを早くつくらないと誰かに先を越されてしまう。そんな危機感がのたうち回る原因。
のたうち回る糸子に、八重子さんいいアドバイスをしますね。答えを教えるわけではないけれど、糸子が自分の頭で考えて答えを見つけるためのヒントになるような言葉で上手に上手に糸子をリード。意図してやっているわけではないから尚更すごい。
「制服は百貨店の顔・・・あんまり変わった顔では駄目・・・この人に案内してもらえたら嬉しいな・・・この人から買いたいな」
こんな一見とりとめのない言葉が糸子の百貨店で感じたことを言語化。着物を着た店員さんに「いいとこに連れてってもらえそうな気がしなかった」
突破口が見えた糸子のスピーディーな行動は見ていて実に気持ちいい。善作お父ちゃんと糸子の、ばっちり息の合ったところも、筆舌に尽くし難い楽しさ。
糸子がスタイル画を仕上げると善作お父ちゃん「さっさと見本つくれ、現物バーンと見せたほうがおもろいで」そして糸子がバーンと見せる現物を仕上げると今度は「そのまま着て行け、そのほうが話早いしおもろい」
ノリノリの善作お父ちゃん。糸子も珍しくリードされっぱなし。現物つくっても採用されなければ丸損、賭けやなと躊躇する糸子に「でも、そっちのほうがおもろいで」善作お父ちゃん、実はこんな人だったのか。
さすがの糸子も思いがけない父の「才能」に「さえてるはお父ちゃん、案外洋服屋のほうが向いている」父と娘の息がこんなにぴたっと合うのって、もしかすると第1週のリトル糸子時代以来かも知れないですね。
そして、現物を着てバーンと見せるために百貨店に向かう糸子。岸和田商店街を「胸はって!」洋裁の師の教えが早速活かされました。