本放送:2012年2月21日(火)
再放送:2014年8月19日(火)
再々放送:2025年2月11日(火)
第21週「鮮やかな態度」
花言葉の花「ルドベキア」
あらすじ
昭和39年(1964年)8月、モードがわかってきた糸子は毎月優子と直子が送って来るデザイン画を聡子以上に楽しみにしていました。糸子にとってモードは時代を走り抜けるだんじりの大工方。しかし大工方は若者の役ということも承知する糸子。
その頃、聡子は洋裁学校をやめて店の手伝いをすることに。そんなある日、好みが理解しづらい客・鳥山から聡子は初の注文を受けました。糸子や優子は難色を示すものの初受注が嬉しい聡子は夢中になってデザインを考え始めます。
一方で「小原優子」の名前は東京のみならず岸和田でも有名になり、優子の服を着たいという客が三浦に案内されてオハラ洋装店にやって来ました。店での優子の働きぶりを見て上等な跡取りが出来たと三浦は心から喜びます。
デザイン画の腕が上がって来た聡子はアドバイスを糸子ではなく優子に求めるように。その変化を察した糸子は潮時を感じ始めていました。善作が自分に店を譲ったように、間髪を入れずに潔く決めようと、優子への禅譲を糸子は心に誓うのでした。
感想
「最近、モードの見方がわかってきた、おもろい」
50歳を超えてもなお成長を続ける糸子。一方、三人の娘たちがかなり以前から熱を上げていたモードが遅ればせながらやっとわかってきた。かつてのスピード感は失われてしまったとも言えます。
優子と直子のデザイン画が楽しみというのも、優子と直子が先に行ってしまったということを受け入れたということでしょう。「舞って、飛んで、見せる。モードは時代を走り抜けるだんじりの大工方や。だんじりの大工方と一緒でモードは若い人の役」
『カーネーション』第1話冒頭の映像、岸和田の商店街をものすごい勢いで走り抜けるだんじり。あの迫力ある映像で一瞬にして『カーネーション』の世界に引き込まれましたが、あの疾走するだんじりは時代を走り抜ける糸子の象徴だったのでしょう。
しかし、だんじりの大工方は若い人の役割。岸和田の街を走り抜ける大工方が次々に交代してきたように、時代を走り抜ける大工方もいつまでも同じ人にはつとまらない。だんじりはそんな老いて行く寂しさの象徴でもあったのかも知れません。
デザイン画の練習を相変わらず続けている聡子。基礎は出来たが、普通の職人を超えたいのであればここからが勝負と聡子に修行の指針を与えるのは、最早糸子ではなく優子。その優子に聡子にアドバイスを求め始める。
善作お父ちゃんが糸子に店を譲ったのが50歳。そして今の糸子の年齢は51歳。伝統芸能の世界の世襲と比べてずいぶん早いような気もしますが、短期的な時代の変化の影響が少ない伝統芸能の世界と異なり時代の最先端を常に維持する必要がある業界。
50歳くらいが限界なのでしょうか。