本放送:2012年3月7日(水)
再放送:2014年9月3日(水)
再々放送:2025年2月26日(水)
第23週「まどわせないで」
花言葉の花「ヘラオオバコ」
あらすじ
間違えて1反だけ買い付けたつもりの生地を100反も仕入れてしまった栄之助。すべてをさばけなければ勘当すると父親から言い渡されてしまい、100反さばく知恵を拝借したいと糸子に土下座するものの、糸子はそんな栄之助を突き放します。
ある日、清川の娘が来店しました。母親の喜寿のお祝いにドレスを仕立ててあげるつもりが断られてしまったと糸子に相談に来たのです。採寸されるのが嫌なのだろうと察した糸子は採寸せずにドレスを仕立てることも出来ると清川に請け負いました。
窓の拭き掃除の作法など仕事を少しづつ糸子から教わる里香。一日も早く里香を高校に戻したい優子は岸和田で里香と直接会って話しをしたがりますが、ジャージを着ているうちは誰が何を言っても聞かないと優子が来ることを禁じる糸子。
言葉でなくジャージを着ることで意思表示している里香の気持ちを糸子は見抜いているのでした。そんなある日、商店街を歩いていた里香は、着ていたジャージに目をつけたヤンキーから喧嘩を売られてしまい怪我をして見知らぬ青年に背負われて帰って来ました。
感想
来るなと言われても阿呆ボン故に人の話しを聞かず、糸子のもとを訪ねる阿呆ボン栄之助。「100反さばくお知恵を拝借したい」と床に這いつくばって頼み込んでも、糸子は阿呆ボンを一顧だにせずきっぱりと「いやや、帰り、自分で考え」。
あっさりと断ってしまう糸子もさすがですが、糸子の推察通り阿呆ボンだからなのか、それとも諦めないことを知らない意思の強さからなのか、阿呆ボン栄之助、糸子の読み通りもう一遍性懲りも無くやって来るのでしょう。このしぶとさもさすが。
「譲のひいじいさんの金糸の話し、もう一遍よう聞き」と阿呆ボン栄之助を諭す糸子。それに対して「聞いたらもう一遍来ていいですか?」。「いやや」「帰り」「あかん」・・・「NO」を意味する言葉を阿呆ボンの耳は感知できないのでしょうか。ある意味便利。
店の雑用を手伝うようになった里香、泰蔵さんの遺影を食い入るように見入る。里香が何かに強く関心を持つところを見るのはこれが劇中では初めてかも。しかも、その関心を向けた先が泰蔵さん。なんでも先輩に似ているとか。
里香が何かに関心を持つことの珍しさもさることながら、その関心を持った対象が劇中で久しく忘れられていた存在。この後、里香の関心は何かにつながってゆくのでしょうか。とても気になります。
遺影のフレーム磨きについで窓拭き指南。あの磨き方、あれはたしかパッチ屋で厳しい先輩から教わった作法でしょうか。60年近くも前に教わったことを未だに素直に実践しているとは。懐かしい動作にパッチ屋時代の日々の記憶が蘇ります。
72歳の糸子の店がゆっくり運営されているように、72歳の糸子の物語も常に騒々しかった前週までとは打って変わってゆっくり進んでいます。そんなゆっくりの物語ですが、そろそろ波風が立ちそうな予感がしてまいりました。