本放送:2012年3月17日(土)
再放送:2014年9月13日(土)
再々放送:2025年3月8日(土)
第24週「宣言」
花言葉の花「ヘメロカリス」
あらすじ
昭和61年(1986年)7月20日、糸子が新たに立ち上げたブランド「オハライトコ」の発表会は大盛況。三姉妹と並ぶ糸子の写真を撮ろうとプレスが群がって来ます。その会場で里香は東京に戻り高校に行くと里香は優子に告げ、母と娘は和解しました。
翌朝、発表会の模様が朝刊に大きく取り上げられることを期待していた糸子は眼を疑いました。歌舞伎役者・春太郎改め冬蔵は人間国宝となり紙面を大きく割いて記事を掲載。糸子の発表会の記事はその片隅に追いやられいるのでした。
里香が東京に発つ日がやって来ました。「ありがとうございましたと」と糸子に深々と頭を下げる里香。孫との別れが辛過ぎる糸子は、里香に涙を見せまいと挨拶を手短かに済まそうとします。里香はだんじり祭りに来ることを糸子に約束しました。
里香が東京に帰った夜、独りになり寂しさが身にしみる糸子・・・。そして、昭和61年(1986年)9月14日、だんじり祭りの日がやって来ました。幼い時以来のだんじりを「だんじりってこんな格好良かったっけ」とみとれる里香でした。
感想
糸子が70代になって以降、一番はじめに劇中に登場した里香。髪を染め濃い化粧をし、ジャージを来て朝帰りする里香を初めて見た時、こんな悲しい別れが用意されているとは想像できませんでした。
正直言うと、こういうヤンキーを朝ドラの中で見ていたくないなというのが正直な感想。しかし、これまでの悲しい別れに匹敵するかそれ以上の悲しい別れ。別れのつらさから眼を背けようと挨拶を手短かに済ませる糸子がなおさら涙を誘います。
里香が優子と和解する場面も実に静かでキレイな和解の描き方。優子がオレンジジュースの入ったグラスを里香に差し出す。里香はそのグラスを無言で受け取ると一口飲む。里香が優子を受け入れた瞬間、静かな静かな和解の場面でした。
そんなしっとりする場面が続いた139回の締めはだんじりの迫力ある映像。サトコ・オハラ・ロンドンの可愛らしいワンピースを着て、染めた髪も黒髪に戻した里香が愛らしい。幼い頃以来のだんじりに見とれる里香は、それまでの里香とは別人のよう。
別人というより本来の姿、本来の血を思い出したのかも。だんじりに見とれ、その直後に喧嘩から救い出してくれた青年と店の前で再会。だんじりに参加する凛々しい彼の姿を見て、エプロンを取り髪を直す里香。台詞が一つもないのに、里香の成長を雄弁に物語る忘れられない名場面でした。