本放送:2012年2月23日(木)
再放送:2014年8月21日(木)
再々放送:2025年2月13日(木)
第21週「鮮やかな態度」
花言葉の花「ルドベキア」
あらすじ
昭和39年(1964年)11月、糸子は店の看板を見上げて父の善作から小原呉服店の看板を譲られた日のことを思い出していました。父の代と異なり従業員を何人も抱える今、看板を次の代に譲る難しさを感じる糸子。
その頃東京では、優子と直子の仲はますます険悪になっていました。そんなある日の夜、優子の部屋を北村と直子が訪ねて来ました。北村の前で大喧嘩をはじめる優子と直子。喧嘩の末、優子は直子の店をやめて岸和田に戻ることを決意。
オハラ洋装店に帰って来た優子の顔を見て糸子は看板を娘に譲ろうと心を固めます。昌子と恵を説得し二人を納得させる糸子。八重子に引退する旨を告げ、今日までの店のことを思うと寂しさを禁じ得ない糸子でした。
家に戻りオハラ洋装店の看板を改めて見上げ涙を流す糸子。家に入ると、北村が訪ねて来ていました。北村と何か相談していたらしい優子は糸子に対して意を決して口を開きました。「話しがあんねんけど」
感想
ディオールの新デザイン発表のあたりから時代に追いつけていなさそうな描写が増えつつあった糸子。そんな描写の積み重ねの末、ついに今回「潮時」を自覚。善作お父ちゃんから看板を譲られた日のことを思い出しはじめました。
まずは昌ちゃんと恵さんを説得。昌ちゃん、恵さんには経営者として従業員に納得してもらうための説得。昌ちゃん、恵さんも従業員の立場で糸子の説得に耳を貸します。経営者と従業員の関係なので多少の情は入るにせよ比較的ドライな会話。
一方、引退を告げられた八重子さん。友人として恩人として、若い時から苦楽をともにし、善作お父ちゃんの娘だった頃から糸子をよく知る八重子さんにとっては、糸子本人並みに寂しかったのでしょう。
と言うか寂しさをあまり表に出せないキャラの糸子の気持ちを八重子さんに代弁させたのかも知れません。八重子さんの涙を見て初めて、看板を譲るということがどれほど寂しいことなのか理解出来ました。
思えば善作お父ちゃんが店の看板を譲った時も、糸子目線で物語が語られていた都合上、善作お父ちゃんの寂しさよりも糸子の嬉しさ、将来への希望ばかりに関心が向いてしまいましたが、あの時の善作お父ちゃんもこんなに寂しかったに違いない。
あの時、そんな善作お父ちゃんの気持ちがわからず善作お父ちゃんに悪いことしてしまったと後悔しています。奈津の料亭で看板承継の宴を開いたのも寂しさを紛らわすための行動だったのかも知れません。