2023/12/28(木)第13週「今がいっちゃん幸せや」

あらすじ

地方巡業から戻ったスズ子は、空襲で焼け野原と化した東京の後継を目にしました。しかし三鷹は空襲を免れ、スズ子と愛助が暮らしている家も、そして愛助自身も無事でした。一方で東京や大阪の他の知り合いたちの安否はわからないままでした。

大阪のトミも芦屋の別邸にいたことで無事であることが坂口によって知らされました。しかし村山興業の社員たちとは連絡がつかなくなり、村山興業は一からやり直しを余儀なくされたことを坂口は告げました。

季節は夏になり、山下は富山の高岡という町での慰問の仕事をスズ子に紹介しました。しかしスズ子は愛助をひとり残して、空襲が続く東京を離れることを拒みました。山下は高岡での仕事を断ることにしました。

そんな中、防空壕の中でスズ子は避難してきた人々に歌声を聞かせて勇気を与えました。その様子に感激した愛助は歌い続けてほしいとスズ子に頼みました。愛助に背中を押されたスズ子は再び地方巡業に出ると心に決めるのでした。

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感想

本日で年内の放送は終了です。

そしてドラマの中は昭和20年夏。

まもなく終戦を迎えます。

東京に戻ってきたスズ子ちゃん

旅先から東京に戻ってきたら、旅に出る前にはそこにあったはずの街がなくなっていた。

子どものころによく聞かされた話がよみがえってきました。

ブログ主の親は東京生まれ。

戦時中は早々に一家で地方に疎開していたため全員が無事でしたが、終戦後に東京に戻ってきたら、疎開する前にはそこにあったはずの街がなくなっていた。

それだけでなく、自分の家がどこなのかもわからない状態だったのだとか。

そんな生々しい話を聞かされていたので、今回の冒頭の場面はひどくリアルに感じました。

小夜ちゃんが腰を抜かしていましたが、ブログ主の家族もそんな気持ちだったと語っていたことを思い出します。

ほんの数分間の場面でしたが、ブログ主にはあまりにもエグい場面でした。

そんな場面から始まった今回。

スズ子ちゃんが地方巡業を拒む気持ちになるのはもっともです。

まして、回復に向かっているとは言ってもいつ何どき病気が悪化するかわからない愛助くんを残したまま。

前回、スズ子ちゃんは京都滞在中に東京の空襲の知らせを受けました。

交通網も大混乱しているであろう当時、京都から東京に戻るまでかなりの時間がかかったはずです。

その間の不安の大きさは察するに余りあります。

そしてようやく東京に着いたらそこにあったはずの街がない。

想像を超えた状況だったかと思います。

愛助くんのポテンシャル

地方巡業を拒むスズ子ちゃん。

一方の愛助くんは歌い続けるようスズ子ちゃんの背中を押しました。

愛助くんならスズ子ちゃんが地上巡業を拒む気持ちを痛いほどわかっているはずです。

地方巡業の最中に東京が再び空襲に見舞われることを心配するスズ子ちゃんの気持ちは承知しているはずです。

それでも愛助くんは、あえてスズ子ちゃんの背中を押しました。

防空壕の中で人々を勇気づけたスズ子ちゃんの歌声に感激したのが、愛助くんがスズ子ちゃんの背中を押した直接の理由です。

しかし、人々を勇気づける姿に感激するところ。

人々のために歌い続けてほしいとスズ子ちゃんに告げるところ。

そして何より「福来スズ子」の価値をこんな状況下でも再発見してしまうところ。

愛助くん、さすがは一流の興行師の後継ぎだけのことはあります。

普通の青年であったらスズ子ちゃんにあそこまでは言わなかったかと。

愛助くん、将来は立派な興行師になれますね。

将来が楽しみです、しかし・・・

これ以上のことはここでは伏せておきます。

今年もお世話になりました

今年もお世話になりました。

多数のコメントをちょうだいしながら返信ができない状況にあるものの、それでもコメントをくださる方々、本当にありがとうございます。

また、連日のように当ブログを訪問してくださる方々にも感謝しています。

本作は年明け早々に終戦を迎え、戦後の混乱期を経て再び明るい時代が描かれるものと思われます。

リアルでも明るく暖かい季節に向かってゆく時期となります。

年明けの『ブギウギ』も引き続き一緒に楽しみましょう。

どうぞ良い新年をお迎えください。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

羽鳥先生が上海で「妙に明るいおじさん」の姿を取り戻しているようです。

羽鳥先生は中国人作曲家・黎錦光と親交を深めている、というのが今週ちょっとだけ登場して知らされる羽鳥先生の近況です。

ドラマの中で羽鳥先生が仲良くなるという中国人作曲家・黎錦光。

この作曲家は実在する人物です。

史実では、服部良一氏は上海の地で「中国の五人組」と呼んだ5人の作曲家と親交を結んでいました。

「中国の五人組」とは黎錦光、姚敏、陳華辛、梁楽音、厳工上の5人。

この5人の中でも服部良一氏が特に気が合ったのが、ドラマの中にもその名が出てくる黎錦光と言われています。

服部良一氏は姚敏や陳華辛らを弟子として迎え音楽理論を教えました。

終戦後、服部良一氏は日本に帰国します。

しかし、服部良一氏に音楽理論を学んだ弟子たちは、1940年代後半に黄金時代を迎えた上海歌謡の中心的な存在に。

そして黎錦光、陳華辛、姚敏たちは、戦後になっても服部良一氏のもとに音楽理論を学びに来たのだとか。

そのころ、中国から日本に渡航するのは死の危険と隣り合わせでした。

そんな危険を顧みず服部良一氏のもとにやって来た中国人作曲家たちは

「音楽と友情のためなら死んでも構わない」

とまで口にしていたとか。

これらの素敵なエピソードがドラマの中でも再現されて欲しいと願うばかりです。

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