ブギウギ

残った同期はわずか3名 / ブギウギ 第7回

2023/10/10(火)第2週「笑う門には福来る」

あらすじ

鈴子が梅丸少女歌劇団に入って1ヶ月が経ったころ。厳しい稽古に耐えかねた新入生たちが次々と退団し、同期は鈴子を含めて3人だけになってしまいました。そしてわずかに残った3人のうち、幸子と辰美の関係はギクシャクしていました。

そんな中、辰美の実家が貧しいことを鈴子は林から聞かされました。その翌日、鈴子は弁当を二つ作ってもらいました。そして鈴子は弁当を辰美に渡そうとするものの、鈴子のお節介は辰美を怒らせてしまいました。

ある日、鈴子たち3人の新入生には、公演に出演する先輩の衣装や小道具の準備の仕事を与えられました。そして迎えた公演本番の日。幸子は、橘アオイの衣装の羽を会場に持って来るのを忘れてしまいました。

公演後、鈴子たちは橘アオイから連帯責任を問われました。しかし、ミスを犯した幸子は責任を重く受け止めていませんでした。そのことが辰美を怒らせ、幸子と辰美の関係はますます悪くなってしまいました。

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感想

やめた4人への優しさ

鈴子ちゃんを採用した際に林部長が言ったとおり、7名の新入生のうち4名が早々に劇団をやめてしまい残りは鈴子ちゃんを含めて3名に。

劇団をやめた4名のうち、最後にやめた子。

今回の冒頭で、一人の新入生が劇団を去ってゆく場面が描かれましたが、この子は前回、鈴子ちゃんと幸子ちゃんと一緒にお弁当を食べていた子かな?

お弁当を食べる場面で主人公と仲良くなったところを見せ。

そして今回は、主人公との別れの場面を描く。

劇団をやめてしまう子を一人だけピックアップして丁寧に描くことで、やめてしまった4名の一人ひとりの重みが見事に表現されていました。

新入生7名が全員揃っているところを見せた直後に、残り3名になったところを見せれば、4名がやめてしまったことを表現できたはずです。

しかしそんな描き方をしな演出。

登場人物たちに愛情を注いだ優しい演出だと思います。

本作がますます好きになった瞬間でした。

タイ子ちゃん

タイ子ちゃんが久しぶりに登場しました。

タイ子ちゃん、相変わらず安定感のあります。

今回、タイ子ちゃんは女学校の制服、鈴子ちゃんは普段着。

この衣装の対比のせいか、タイ子ちゃんが鈴子ちゃんよりもずっと大人に見えたのはブログ主だけでしょうか。

『カムカム』ではヒロインの親友で、ヒロインの良き理解者・きぬちゃんというキャラクターがいました。

『カムカム』の藤本有紀脚本作品『ちりとてちん』でも、何かと不安定なヒロインの良き理解者として、順子ちゃんというキャラクターがいました。

タイ子ちゃんは、きぬちゃん、あるいは順子ちゃん的なポジションに立つキャラとして今後も登場を続けるのかな?

主人公が安定感のないキャラの場合、安定感のある理解者が存在すると視聴者としては助かります。

安心して鑑賞していられるので。

今回のタイ子ちゃんは、そんな「安定感のある理解者」の風格を見せてくれました。

タイ子ちゃんが大人になってからのキャスティングはすでに発表されているので、今後も出番があることだけは確か。

大人になったタイ子ちゃんも主人公にとっての「安定感のある理解者」でありますように。

林部長

林部長、なかなか素敵な大人です。

鈴子ちゃんと幸子ちゃんの二人が目上の者への基本的な態度ができていないことを指摘するものの、先輩団員のような無駄な厳しさまでは求めない。

辰美ちゃんの実家の事情をしっかりと心得ている。

そして辰美ちゃんへの同情を求める。

新入生を採用した責任者として、新入生一人ひとりに真剣に向き合っていることがよくわかります。

そんな林さんのこと、新入生7名のうち4名もやめてしまったことに胸を痛めているかと。

その一方で、そのくらいの人数がやめてゆくのは林部長にとっては想定内。

半数近くがやめてしまうことを想定した上で林部長は鈴子ちゃんをオマケとして採用。

そのオマケが意外にも残っていることに林さんも嬉しそう。

そんな中で幸子ちゃんと辰美ちゃんの取っ組み合いのケンカが勃発。

二人の激しい罵り合いの声を聞きつけて廊下に出てきた林部長。

二人のケンカを止めるものとばかり考えていたら・・・

新入生たちのケンカもまた、林部長にとっては想定内のことらしい。

林部長、ケンカを経て新入生たちの結束が深まるとでも考えているのでしょうか。

ニヤリと笑っただけで部屋に戻ってしまう。

林部長、なかなかの人物らしい。

今回の林部長の二つの登場場面を経て、ブログ主は林部長のファンになってしまいました。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

松竹楽劇部養成所に頼み込んで入団させてもらった笠置シヅ子さんは、入団した当初に次のように考えました。

・自分は実力だけではだめだ
・先輩たちに可愛がられなければいけない

そんな考え方の笠置シヅ子さんが実行にうつしたこと。

それは、楽屋の雑用を他の部屋子の仕事をうばってまでやること。

そして、先輩の誰かが休んだら代役をもらえるための努力。

笠置シヅ子さんは雑用に忙殺される合間をぬって舞台の袖から先輩たちの踊りを観察し、すべての役を記憶。

すべての役の代役をこなせるほどになったのだとか。

そんな努力が功を奏し、入団一年目にしていくつかの代役に抜擢される機会を得ました。

代役として抜擢された役は

・童子の役
・小蝶の役

など。

代役が必要になると先輩たちが笠置シヅ子さんを推薦してくれたのだそうです。

これは異例中の異例のことだったため同期から妬まれもしたと、笠置シヅ子さんは自伝の中で述べています。

それでも同期から何を言われようが、同期たちの中で抜きん出たい一心から人一倍の努力を続けたのだそうです。

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POSTED COMMENT

  1. 名無し より:

    橘アオイのモデルの柏ハルエが大阪府立夕陽丘高等女学校(今の夕陽丘高校)にいたから(尚中退とのこと)と関係があるのかな?
    タイ子ちゃんの制服

  2. 名乗る程の者ではないちっち より:

    タイ子ちゃんの制服
    夕陽丘高校の制服じゃん
    当時は旧制女学校の時代
    女優の有馬稲子が通学していたのもこの頃かな、知らんけど(非常階段・シルク姉さんが通学するのはまたまだ先)
    今回は冬服だけど、公立高校でありながら夏服はかわいいランキングで私立女子校を抑えて府内では上位に入っています
    因みにワイも卒業生のひとりです

  3. ,還暦のたつお より:

    ウイスキーでしょそれ。鈴子さんのお節介始まった。辰美さん人の施しは受けたくない。親友の励まし何より。「何か忘れんで。」悪い方の伏線?やはり。えらい事に。橘さんの叱責尤も。幸子さんそれ言っちゃ駄目。雰囲気最悪。

  4. 丹善人 より:

    たった1ヶ月で4人も辞めてしまった。考えようによっては、残った3人より
    ずっと覚悟がなかったのでしょう。本来なら7人で行う作業を、たった3人で
    行わないと行けない。しかも意思疎通がなかなかはかれない。ミスはつきもの。
    だからといって甘えてはいけない。喧嘩もあるだろう。
    でも、林部長って人格者ですね。喧嘩してこそ絆が強まることをよく知っている。
    珍しく良い役当てられましたね。
    タイ子ちゃん、一生の親友ですか。おちょやんの時も親友役だったけれど。もう
    4回目の朝ドラだとか。

  5. 名乗る程の者ではないZ より:

    あほのおっちゃんモデル松下幸之助説
    ネットで見て驚嘆したわ、この発想はなかった
    確かに松下電器(現パナソニック)は福島で再起業しているし、東成で最初に起業した時にはあまりうまくいってなかったわ(その結果失踪したとか?)
    まあ実際のところ今後のドラマの展開を知らないけどかなり面白い説だとは思う

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