2024/2/27(火)第22週「あ〜しんど♪」

あらすじ

タナケンが入院した知らせを受け、スズ子と山下はタナケンの見舞いに行きました。スズ子の見舞いを受けたタナケンは言いました。右足の古傷が悪化し立つのもつらい。仕事を休んでいる間、客から忘れられてしまいそうなのが不安だと。

そんなある日、スズ子は羽鳥を訪問。スズ子が羽鳥を訪ねたとき、羽鳥はカツオのピアノのレッスンをしているところでした。羽鳥の厳しいレッスンから逃げ出すカツオを見て羽鳥は嘆きました。純粋に音楽を楽しめるのはカツオの年頃だけなのにと。

スズ子は羽鳥に新曲を作曲してほしいとリクエストをしました。スズ子は新曲もブギを歌うことが希望でした。しかし羽鳥は、ブギのリズムの曲を書くためのネタが切れてしまったとスズ子に訴えました。

スズ子が帰宅すると山下が来ていました。トミが肺結核で亡くなったことを山下はスズ子に告げました。その翌々日、スズ子は愛子を連れてトミの葬儀に参加。葬儀の会場でスズ子は記者たちに囲まれてしまいました。

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感想

さりげなく最終週に向けたフラグが立ちまくる週でした。

フラグ1:タナケンの言葉

入院したタナケンをスズ子ちゃんと山下さんがお見舞いに行きました。

病室にやってきたスズ子ちゃんにタナケンは言いました。

こうしている間に客に忘れられてしまいそうで不安だと。

タナケンを忘れる客はいないとスズ子ちゃんは励ますものの、そんな甘い世界ではないとタナケンは応えました。

そんな甘い世界ではない。

このタナケンの言葉が最終週に向けてのフラグのような気がします。

最終週とその前の週、スズ子ちゃんは自分のいる世界が「甘い世界」ではなかったことを実感します。

今のところタナケンから「そんな甘い世界ではない」と言われてしまうスズ子ちゃん。

まだスズ子ちゃんは「甘い世界」だと思っているようですが、スズ子ちゃん自身も「甘い世界」ではなかったと気が付くのが最終週とその前の週です。

フラグ2:羽鳥先生の言葉

ピアノのレッスンの厳しさに耐えかねたカツオくんが逃亡。

売れるかどうかなどそんなことを気にせずに純粋に音楽を楽しめるのは今だけなのにと羽鳥先生が嘆きました。

その羽鳥先生の嘆きの言葉にスズ子ちゃんが共感。

スズ子ちゃんもまたヒット曲を求められるうちに、歌う楽しさを忘れてかけている今の気持ちを羽鳥先生に打ち明けました。

心の底から楽しみながら歌を歌いその姿が観客を楽しませる、というのはスズ子ちゃんの歌手としてのスタイル。

そんなスズ子ちゃんのスタイルに、スズ子ちゃん自身が限界を感じてしまうのもまた最終週とその前の週です。

歌手としての真夏の季節が終わり、晩夏または初秋の頃に差し掛かっていることを暗示するようなスズ子ちゃんの焦りが今回描かれました。

しかしスズ子ちゃんはまだ季節が変わっていることに対して無自覚のようです。

フラグ3:トミさんの死への山下さん反応

トミさんが亡くなったことをスズ子ちゃんに告げる山下さん。

知らせを受けたスズ子ちゃんの反応は今のところ単なる驚きですが、知らせを告げた山下さんはすでに深く落ち込んでいる様子です。

落ち込むのは無理もありません。

山下さんが自分の人生を捧げてきた相手がトミさんです。

マネージャーとしてトミさんに育てられてきたとも言えます。

トミさんはまた長年、苦楽をともにしてきた相手でもあります。

落ち込む山下さんの気持ちは、明日と明後日の回でより深く描かれるものと思われます。

ちょっとネタバレになりますがトミさんの死を機に山下さんはマネージャーを引退。

山下さんの引退はスズ子ちゃんの歌手の引退のフラグのような役割を果たします。

本作の中でのスズ子ちゃんの最後の人生の転機のフラグとなる山下さんの引退。

その山下さんの引退のフラグが今回の落ち込む山下さんの姿。

ドラマが最終週に向けて動き出した。

そんな回でした。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

吉本せい/村山トミ/北村てん

愛助くんのお母上・トミさんが亡くなります。

ドラマの中でのトミさんの死因は肺結核。

息子の愛助くんと同じ死因です。

史実の吉本せいさんが亡くなったののも肺結核でした。

享年60歳。

史実では療養中の吉本せいさんを笠置シヅ子さんが娘を連れて見舞いに行っています。

そのあたりのことはドラマから省かれました。

吉本せいさんといえば思い出すのが朝ドラ『わろてんか』のヒロイン・北村てんです。

北村てんの実在モデルもまた吉本せいさんです。

ちなみに『わろてんか』では主人公の最期は描かれませんでした。

『わろてんか』では最終週の半ばで終戦を迎えました。

終戦の直前には北村笑店の寄席が空襲により全焼しています。

そして最終週の後半で、戦争によって壊滅的な打撃を受けた吉本興業のモデルである北村笑店の再興がスタート。

最終回では、北村笑店の道のりを物語る青空寄席『北村笑店物語』が上演。

その寄席では、主人公の亡き夫・藤吉の幻が登場。

主人公と藤吉が「再会」を果たすのが半年間のドラマのエンディングでした。

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