虎に翼

寅子が司法省に入省する / 虎に翼 第47回

2024/6/4(火)第10週「女の知恵は鼻の先?」

あらすじ

久藤のはからいにより、寅子が司法省で働くことになりました。司法省での勤務初日、男女平等の理念が反映された新民法の草案を読んだ寅子は、感動しながら法律を学んだ仲間たちのことを思い出していました。

しかし寅子が感動したその新民法の草案は、不十分であるとしてGHQから突き返されたものでした。久藤から「謙虚」だと指摘された寅子は、自分の男女平等への認識が甘いことを思い知らされました。

久藤から謙虚だと言われたことを思い悩む寅子は、家族に自分の気持ちを告げました。一方で花江は、敵国だったアメリカ人がいる職場で寅子が働いていることに対して複雑な気持ちを抱えていました。

その翌日、登庁した寅子は東京帝大の神保教授を紹介されました。神保は、民法改正審議会の委員をしていました。神保は新民法の草案に対して異を唱えました。敗戦で満身創痍の日本にとどめを刺すことになると。

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感想

司法省で働くことになり、法律の世界に戻ってきたトラちゃん。

しかし司法省で勤め始めてからまだ数日。

本調子が戻っていないんでしょうか。

裁判官編の2回目。

主人公が「活躍する姿」はまだ見ることができませんでした。

猪爪家の人々

今回、ツボに入ったのは何と言っても猪爪家の人々のトラちゃんの悩みへの反応です。

ライアンさんから「謙虚」と言われたことを思い悩むトラちゃん。

ライアンさんが自分のことを「謙虚」と言ったのは新しい民法の草案に対する感想が甘いと指摘したのだろう。

「甘い」という言葉の代わりに「謙虚」という言葉を使ったのだろう。

おそらくトラちゃんはそんな風に思い悩んでいたのではないか。

しかし真剣なトラちゃんの姿を見て笑い始める花江ちゃんの子供たち。

トラちゃんが謙虚だなんてと笑いが止まらない。

ここで笑えるなんて、なかなかませている子供たち。

誰に似たのかな?

それはさておき、笑いが止まらなくなった子供たちのことをはるさんは注意するものの、子供たちの笑いの理由を知ったはるさんまでが笑い始める。

幼い頃はトラちゃんに金魚のフンのようについてまわり、トラちゃんのことをよく知る直明くんも笑わずにはいられない。

そして、その笑いについにトラちゃんも巻き込まれる。

トラちゃんの悩みを子供たちが笑いに変えてしまったことで、トラちゃんの悩みもこれで少しは軽くなったかな?

直言さん、直道くん、優三くん。

猪爪家に笑いをもたらしてくれた三人の男たちが揃っていなくなってしまい、一時は猪爪家から笑いが失われるのではないかとブログ主は心配しました。

しかし直言さんと直道くんの血を受け継ぐ二人の男の子が、笑いを承継してくれました。

猪爪家はこれから先もきっと安泰です。

花江ちゃん

トラちゃんが「謙虚」と言われたことがツボったらしい猪爪家の人々。

そんな中で、沈んだ表情を浮かべたままの花江ちゃんが心配です。

進駐軍の米人、すなわち直道くんとご両親の命を奪った敵国の人々がいる職場で、トラちゃんが働いていることに対して複雑な感情を抱いているらしい。

トラちゃんが家族のために働いていることは花江ちゃんも重々承知している。

トラちゃんに対して不満を持っているわけではない。

しかし・・・

花江ちゃん、まだまだ自分の気持ちを整理しきれていないようです。

花江ちゃんの中ではまだ戦争が終わっていないようです。

花江ちゃんの中で戦争が終わる真の終戦の日を迎えるのはいつのことになるのでしょうか。

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予習レビューと史実のリアルエピソード

久道頼安の実在モデル:内藤頼博

ライアンこと久道頼安の実在モデルは内藤頼博氏です。

内藤頼博氏は旧高遠藩主であった内藤子爵家の第15代当主として東京府豊多摩郡内藤新宿町に生まれました。

ドラマの中のライアンは「殿様判事」と呼ばれていましたが、実在の内藤頼博氏もまた「殿様判事」と呼ばれていました。

実在の「殿様」の高遠藩は、現在の長野県伊那市。

長野県伊那市に今も残る高遠城を居城としていました。

内藤頼博氏は、昭和6年(1931年)東京帝国大学法学部を卒業。

その後、東京家庭裁判所長、広島高等裁判所長官、名古屋高等裁判所長官などを歴任。

昭和48年(1973年)に退官した後は弁護士になりました。

弁護士の傍ら、多摩美術大学学長、多摩美術大学理事長、学習院院長を務めています。

多摩美術大学に在籍中に、同大学の内紛を収拾。

また「お東さん騒動」と呼ばれる真宗大谷派の宗門内の対立を和解に導くなど人徳のある人物でもあったようです。

なお、ドラマの中ではライアンが米国との開戦直前に米国の裁判所を視察したというセリフがあります。

実在の内藤頼博氏も日米開戦前に米国の裁判所を視察しており、『北米合衆国家庭裁判制度調査報告書』という著書を昭和15年(1940年)12月に出版しています。

平成12年(2000年)死去、享年92歳。

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POSTED COMMENT

  1. ライアン氏相変わらず。ただ意外に鋭い。新民法の問題点。花江さんの嘆き。「無理に笑う事ないから。」寅子さんの慰め。さてはライアン氏は神保教授(金八先生何代目かの校長先生)を挑発したな。

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