虎に翼

寅子が予審資料を調べる / 虎に翼 第22回

2024/4/30(火)第5週「朝雨は女の腕まくり?」

あらすじ

直言は家に戻ってきたものの、寝たきりで何もできない状態が続き食事をとる気力すら失っていました。そんな直言のことがはるは心配でした。一方の寅子は、直言の弁護を引き受けた穂高から調書の書き写しの協力を求められました。

調書の書き写しを進める中で寅子は、直言の無罪の証拠になるかもしれない重要なあるものが存在することに気が付きました。それは、はるが書き続けてきた日記でした。その日記には直言の行動が書き込まれていたのです。

寅子とはるは直言を問い詰めました。調書と日記の内容に14箇所の齟齬があるが、それについて説明してほしい。犯罪行為をしたのならその証拠を見せてほしいと。直言はついに白状しました。高井理事から虚偽の自白を求められたことを。

直言が口にしたことを寅子は穂高に報告。報告を受けた穂高は「共亜事件」の被告人の弁護を引き受けている弁護士たちの集まりに寅子を連れて行きました。穂高はそこで依頼人の無罪を主張すると宣言し面々を驚かせました。

<<前回21回 | 次回23回>>

第5週 | 第6週 | 第7週 | 第8週 | 第9週
第10週 | 第11週 | 第12週 | 第13週
虎に翼|感想あらすじネタバレトップページ

Sponsored Link

感想

素直に協力を申し出ることができない花岡くん

トラちゃんに対して素直に協力を申し出ることができない花岡くん。

そんな花岡くんの気持ちを涼子さまは見透かしていました。

力になりたいと言ってしまったらどうかと。

「俺たちの轟」に一喝され眠りから覚める前の花岡くんなら、爽やかな笑顔でトラちゃんへの協力を同級生たちに呼びかけていたところです。

しかし、トラちゃんの言葉を借りるなら「本当の花岡さん」に戻った今の花岡くんにはそれができない。

トラちゃんへの気持ちが強くなればなるほど固まってしまう花岡くん。

こんな時、轟くんは残念ながら繊細な恋心は理解できないかと。

だから、トラちゃんへの協力を素直に申し出ることができない花岡くんの今の気持ちはわからないかも。

そこへ涼子さまという助っ人があらわれました。

花岡くん、色々な人に助けられてますね。

ついに直言さんが白状した

悪事に手を染めたというのならその証拠を示してほしい。

トラちゃんから思いがけないツッコミに遭い、ついに直言さんが本当のことを話し始めました。

決め手となったのは、はるさんの日記です。

前週、直言さんがはるさんの日記について言及する場面がありましたが、それが回収されました。

はるさんの日記の内容と、直言さんが自白した調書の内容の間はギャップだらけ。

そして、どう考えてもはるさんの日記の方が信憑性が高い。

なぜならリアルタイムで記録されているから。

日記と調書のギャップを指摘されても直言さんは簡単には認めませんでした。

しかしギャップの説明はできなかった。

トラちゃん、するどいところを突きました。

直道くんは有事に力を発揮するキャラ?

直道くんのいつもの口グセ。

「俺にはわかる」

いつもは直道くんの「俺にはわかる」が頼りないことこの上ないですが、今回ばかりは直道くんの「俺にはわかる」が実に頼もしい。

直道くんの「俺にはわかる」に説得力があったのは、はるさんと花江ちゃんの気持ちのすれ違いが顕在化したとき以来。

ここでふと気がつきました。

直道くんの「俺にはわかる」は、基本的にまったく当てにならない。

その点はナレーションでも指摘されました。

しかし、これまで二度だけ「俺にはわかる」が説得力が持った瞬間があります。

それが前述の、はるさんと花江ちゃんのすれ違い、そして今回です。

二度とも「有事」です。

直道くんはもしかると有事になると力を発揮するキャラなのかもしれません。

いざという時に頼りになるキャラ・直道くん。

花江ちゃん、いい人を夫に選びましたね。

トラちゃんに声をかけてきた弁護士の雲野先生

穂高教授に連れられ、トラちゃんは「共亜事件」の弁護団の会合へ。

そこで一人の弁護士の先生がトラちゃんに自分の名前を名乗りました。

弁護士の雲野先生。

次週の火曜日からトラちゃんの上司になる人です。

上司になるまでの詳しいプロセスはここでは省きますが、今回の雲野先生の登場場面は新キャラ初登場の瞬間です。

雲野先生はその後も登場場面が続く主要キャラの一人です。

今週から描かれ始めるであろうトラちゃんと雲野先生のかかわり。

丁寧に観察しようと思います。

Sponsored Link



予習レビューと史実のリアルエピソード

「共亜事件」のモデル「帝人事件」とは

今週のドラマの中で描かれる「共亜事件」の実在モデルは「帝人事件」。

昭和9年(1934年)に発生した事件です。

「帝人事件」の「帝人」とは「帝国人造絹糸」という企業の略称です。

当時、同社が製造する人絹(化学繊維、レーヨン)という素材はニーズが急増。

ニーズの急増によって帝人の株価が急騰することが確実視されていました。

その帝人株を、リアル直言さんが勤務していた台湾銀行は大量に保有していました。

そんな中、財界グループが、台湾銀行が大量に保有している帝人株に目をつけました。

台湾銀行は政府系の金融機関であったため、台湾銀行が所有する帝人株を買い取るために、財界グループは政治家や大蔵省関係者に仲介を依頼。

台湾銀行との間に当時の文部大臣や大蔵省次官が入り、台湾銀行と財界グループの間で帝人株買い取りの合意に至りました。

その後、帝人が増資を行ったことが市場に好意的に受け止められ帝人の株価は上昇。

帝人株の買い取りをしていた財界グループは利益を得ることができました。

ここまで、違法行為が行われたわけではありません。

しかし「時事新報」という新聞社が一連の出来事を批判的に報道。

さらに贈収賄の疑いがあると報道を続けたことで世論が沸騰し、議会で追及された財界グループと台湾銀行の仲介役・鳩山一郎文部大臣は辞任。

帝人株の取引に関与した16名が逮捕されるにいたりました。

<<前回21回 | 次回23回>>

第5週 | 第6週 | 第7週 | 第8週 | 第9週
第10週 | 第11週 | 第12週 | 第13週
虎に翼|感想あらすじネタバレトップページ

POSTED COMMENT

  1. よるは去った より:

    力太郎「一体何を企んでらっしゃるんですか············?」
    重親「依頼人の無罪を主張しようと思って入···········。」

    見るからに力強そうな弁護人の先生方だけど、この裁判にどう打ち勝って行くかが後半の見ものですね。

  2. あさのあさみ より:

    はるさんの日記と調査書のギャップを追求する家族裁判の場面、
    トラちゃんや直道くんだけでなく、普段は「お父さま」呼びの花江ちゃんや、「旦那さま」呼びの優三さんまで「お父さん」呼びです
    興奮のあまりでしょうか?
    トラちゃんに「ただの書生でなく家族」と紹介され喜んでた優三さん、ますます家族化してます

  3. 還暦のたつお より:

    昨日の補足。本件の黒幕と思しき水沼氏、演じるはウルトラセブン=モロボシダン=森次晃司氏。久々の登場。悩むはるさん。同級生総出の援助、しかし親族を含め冷たい世間の風。はるさんの日記で直言さんの不在証明が?司法取引の犠牲?弁護団と面談。メインは磯部勉さん。あと何故か塚地さん。

コメントを残す