2024/7/9(火)第15週「女房は山の神百石の位?」
あらすじ
寅子は、多岐川、そして山下長官とともにラジオ番組に出演。寅子は女性の社会進出についての考え方を訴え、家庭裁判所は女性の裁判官にふさわしいと考える山下長官の発言に異を唱えました。
そんな中、寅子は新たな調停を担当することになりました。その調停で寅子は、不貞行為を理由にして夫から離婚を突きつけられた女性・瞳の言動をいさめる場面がありました。すると瞳は、寅子は女の味方ではないと非難し始めました。
その直後、寅子は多岐川に長官室に連れて行かれました。長官室で多岐川は、山下長官と桂馬に猛抗議を始めました。寅子は新潟への転勤が内々で決まっていました。多岐川はその移動を山下長官による報復人事と考えたのです。
帰宅した寅子は新潟への転勤を家族に告げました。家族全員の転居を考える花江に対して、寅子は自分と優未だけで引っ越すつもりでした。すると花江は、寅子が優未に寂しい思いをさせていると指摘。寅子と花江の会話は激しい口論にまで発展しました。
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感想
情報量が多い濃厚な回でした。
竹中さんと「はて?」
前回、久しぶりに登場した記者の竹中さん。
しかし、一つ気がかりだったことが。
トラちゃんの密着取材をする竹中さんは終始退屈そうな表情。
トラちゃんの家族を取材したときも、トラちゃんを尊敬している後輩たちを取材ときも。
こんなことで密着取材の企画がうまくいくのかな?と心配していたら、今回になってついに竹中さんはノリノリの表情を浮かべました。
家庭裁判所は女性にこそ相応しいみたいな発言をした長官にトラちゃんが「はて?」砲をぶっ放す。
それに対して竹中さんはノリノリに。
しかし、この「はて?」砲がその後に騒動を巻き起こすとは。
多岐川さんの伏線とその回収
前回、帰国したトラちゃんを迎えた多岐川さん。
何年ぶりかの友との再会を果たしたぐらいの勢いでトラちゃんの帰国を喜ぶ多岐川さんに違和感を感じていました。
喜ぶ気持ちはわかるけど、いくらなんでも喜び過ぎではないかと。
多岐川さんがあれほどまでに喜んだのは今回への伏線でした。
多岐川さんが異常なレベルで喜んだのは、多岐川さんがトラちゃんという人材をどれほど頼りにしているかということのあらわれです。
そんな頼りにしている人材を異動させられてしまったらどうなるか?
それが多岐川さんの今回の騒動。
前回の多岐川さんの妙にハイテンションな喜びっぷりは、今回の騒動の伏線でした。
ところでトラちゃんが長官に異を唱えたのは史実のエピソードがモチーフになっています。
トラちゃんが地方転勤を命じられたのも史実のエピソードがモチーフ。
史実では、長官への反論と地方転勤との間には何の関係もありませんが、ドラマの中ではこれら二つをうまいこと結びつけました。
さらに、そこに多岐川さんを乗っけることでよりドラマティックに。
本作の脚本家の先生、本当に上手です。
トラちゃんと花江ちゃんの言い争い
予告にもあったトラちゃんと花江ちゃんの言い争いの場面。
予告の中で最も気になっていたのはこの場面。
どんな状況で、あの仲の良い二人が、ここまで言い争うことになるのだろうと。
優未ちゃんの孤独を察していたのは直明くんだけではなかったようです。
花江ちゃんも大人として、二人の子供の親として、優未ちゃんの孤独を深く理解していました。
花江ちゃん自身にも不満が溜まっていたのでしょう。
家庭をかえりみることがないトラちゃんに対して。
次週は新潟県に転勤し、初めて優未ちゃんと二人で暮らすことになったトラちゃんが、優未ちゃんとの心の溝を自覚する週です。
次週のフラグが今回立ったわけです。
仕事は順調のトラちゃんの、私生活の受難の日々が明日あたりから始まるのかもしれません。
また、仕事での受難も明日あたりに描かれることになるかもです。
予習レビューと史実のリアルエピソード
リアルトラちゃんの渡米で最も印象に残ったこと
リアルトラちゃんは視察してまわった米国主要都市の家庭裁判所などで、数多くの女性裁判官が活躍する現場を目にしました。
その中でもとりわけ印象に残っていると本人が語った女性裁判官。
それはニューヨーク市マンハッタンの家庭裁判所で働くクロスという名の女性裁判官の存在でした。
その家庭裁判所は、軽めの家庭紛争を解決することを目的として試験運用されている家庭裁判所でした。
クロスさんは、その裁判所を一人で任されていました。
しかも、裁判そのものをすべて任されているだけでなく、建物の管理や運営資金の調達に至るまで、一切合切を任されていたのだとか。
リアルトラちゃんは、女性弁護士にそこまでの裁量が与えられることに驚きを禁じ得なかったようです。
また、その家庭裁判所の在り方そのものもとてもユニークでした。
裁判所の中には託児施設も設置されており、子供づれの女性が裁判所にきた際には、その女性が法廷に出ている間、子供を預かってもらうこともできました。
これら裁判所のユニークな運営も、女性裁判官の意見が採用され、試験運用されることになったとの由。
女性が活躍する環境が整えられているだけでなく、女性のアイデアも積極的に取り入れるアメリカ人の考え方に、リアルトラちゃんが衝撃を受けたのは想像に難くないところです。
米国で最先端の家庭裁判所事情を視察することができたリアルトラちゃん。
帰国後すぐに、米国に関連する新しいチャレンジに取り組むことになります。
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インタビュー。長官に意見する寅子さん。あきれる竹中さん。離婚裁判。杓子定規な寅子さん。あれじゃあ当事者怒る。転勤。懲罰人事ではなさそうだが。優未ちゃんを連れて行く。冗談じゃない。花江さん遂に爆発。