航一に気持ち告げる寅子 / 虎に翼 第95回

2024/8/9(金)第19週「悪女の賢者ぶり？」

あらすじ

優未が教えてくれた優三の形見のお守りの中に収められていた優三から寅子への手紙。寅子の未来にまで気をつかう優三の優しさあふれる手紙に寅子は涙しました。そして寅子は優三の分まで優未を愛すると改めて心に誓いました。

その数日後、新潟本庁に出向いた寅子は大雨で列車の運行が止まり、三条に戻れなくなりました。業務が終わった夕方、本庁で航一と二人きりになった寅子は、航一に告げました。優三への愛情を改めて確認したことを。

寅子の言葉に航一は応えました。妻の照子が亡くなって以降、人生をあきらめていた。心にフタをして生きてきた。しかし寅子と一緒にいるとフタが開いてしまう。寅子と出会えてよかった。それだけで十分だと。

雨があがり二人は退庁。帰りがけ、寅子は航一への気持ちを打ち明けました。寅子の告白に対して航一が応えました。永遠を誓わないだらしのない愛でもかまわない。この航一の言葉を寅子は受け入れるのでした。

感想

今週の振り返り：トラちゃんと航一さんの距離

トラちゃんと航一さんの距離が一気に縮まる週でした。

航一さんがトラちゃんの家を訪問するところから今週はスタート。

そしてトラちゃんの気持ちを察した優未ちゃんが花江ちゃんを呼び寄せることで、トラちゃんは自分の中の感情を初めて言葉にしました。

優三くんからの手紙の存在によって、トラちゃんの心のストッパーもなくなったか小さくなったかしたはずです。

それが今回のトラちゃんの言葉にあらわれています。

トラちゃんの言うなりたい自分というのは、優三くんを一生愛し続ける自分のことを指すのでしょう。

しかし心のストッパーがなくなったトラちゃんの感情は、なりたい自分の姿と正反対の方向に向かってしまう。

そんなトラちゃんに対して、いかにも航一さんらしいまわりくどい言い方で愛の告白。

縮まりつつあった二人の距離はゼロになりました。

今週の振り返り：美佐江ちゃん

今週は美佐江ちゃんのインパクトが強すぎる週でもありました。

今回、美佐江ちゃんの登場場面はないにもかかわらず、今週は美佐江ちゃんにすべて持って行かれました。

さて、今週は航一さんがトラちゃんの家を訪問。

トラちゃんと航一さんが距離を縮めるフラグのような場面から一転、美佐江ちゃんが補導されるという事態が発生しました。

売春を持ちかけて窃盗をはたらく。

そんな事件が発生した現場に事件の当事者たちと美佐江ちゃんが一緒にいたこと補導。

最終的に美佐江ちゃんへの疑いは晴れた模様ですが、視聴者視点では美佐江ちゃんへの疑いは晴れないまま事件は幕引き。

晴れないポイントは次のとおりです。

今回の事件の当事者たちも赤い筆飾りをしていたこと。

しかし、事件の当事者たちの赤い腕飾りの関連は明らかにされないまま。

また、美佐江ちゃんが善悪の定義について特殊な考え方の持ち主であることも判明。

特殊というよりはサイコパス的な考え方の持ち主と言った方がいいのかもしれません。

さらに、父親の前ではトラちゃんから犯罪者扱いされた「被害者」を演じることで、父親にトラちゃん責め立てさせる。

そして追い詰められたトラちゃんの後ろ姿を見てニヤリ。

こんなサイコパスキャラのストーリーが未回収のまま今週は終了。

終了しただけではなく、サイコパスドラマの予告編のようなフラグも立ちました。

美佐江ちゃんが東京大学に合格。

サイコパスが東京に放たれました。

常に人の目にさらされている小さな田舎町と異なり、人の目を気にしないで生きていける東京へ。

上京後の美佐江ちゃんがどうなるのか、何をするのかは今のところ不明です。

ちなみに次週はトラちゃんも東京に戻ります。

予告映像に久しぶりの東京の面々が登場していたとおり。

次週はまだ美佐江ちゃんは登場しないものと思われます。

しかし美佐江ちゃんが上京し、トラちゃんも東京へ異動して迎える放送最終月。

リアルトラちゃんの最晩年は、ドラマのクライマックスを盛り上げる要素が乏しい。

なので、クライマックスのネタとして美佐江ちゃんがドラマの真ん中に入ってくるような気がしてきました。

美佐江ちゃんの心の闇の回収が本作のクライマックになるのかもしれません。

予習レビューと史実のリアルエピソード

航一さんのプロポーズとトラちゃんの気持ち

おそらく今回あたりで航一さんはトラちゃんにプロポーズするものと思われます。

ただし航一さんのことなので、かなりまわりくどい言い方をして。

どんな言葉でプロポーズするのかはここでは伏せておきます。

観てのお楽しみにしましょう。

一方、航一さんのプロポーズに対してトラちゃんがどう答えるのか。

ここまできて「ノー」の答えを出すはずがありません。

最終的に「イエス」の答えを出すことになるわけですが、それが今回なのか、次週に持ち越されるのかは今のところ不明です。

しかし今回、トラちゃんも自分の気持ちを航一さんに対して打ち明けることはします。

トラちゃんの航一さんに対する気持ちは次のようなものです。

自分として亡き夫を一生涯愛し続けたいと考えている。

しかし航一さんに対して胸のときめきを抑えられない、みたいなことを言います。

これがトラちゃんの航一さんに対して抱いている気持ちです。

リアルトラちゃんの気持ち

ドラマの中のトラちゃんの航一さんに対する気持ちは上に記した通りですが、実在のリアルトラちゃんの三淵乾太郎氏に対する気持ちはどうだったのか？

言葉が残されていました。

ただし、残された言葉は恋心をあらわした言葉ではありません。

リアルトラちゃんは三淵乾太郎氏について、次のような言葉を述べています。

『処理が早いし、よく勉強する。仕事が好きなのね』

リアルトラちゃんの息子さんによると、リアルトラちゃんは勉強好きではなかったようです。

仕事も義務感または使命感からやっていて好きではなかったとまでおっしゃっています。

一番好きなのは勉強でもなく仕事でもなく遊びだったのだとか。

なので、三淵乾太郎氏が勉強も好きで仕事も好きであることに感心していたのだそうです。