2024/7/10(水)第15週「女房は山の神百石の位?」
あらすじ
寅子と花江の会話は激しい口論に発展。花江との口論を機に、寅子は優未との間に心の溝が生じていることに初めて気がつきました。直明からは、優未がテストの点数を書き換えてまで良い子のフリをしようとしていることを聞かされました。
直明は、さらに寅子に告げました。優未がこれまで寅子に見せていた姿は、本当の優未の姿ではない。新潟へは寅子ひとりで行くべきだと。直明の言葉に対して、寅子は何も言い返すことができませんでした。
その翌日は寅子が担当している福田夫婦の離婚調停の日でした。その日、妻の瞳は家庭裁判所に姿をあらわしませんでした。調停は成立せず、福田夫婦の案件は地方裁判所に持ち込まれることになりました。
その数日後、瞳が家裁にやって来ました。瞳は裁判を余儀なくされたことを寅子に責め立てました。その直後、瞳が寅子に対して刃物を向けました。寅子に怪我はなかったものの、自分がやっていることが空回りしている現実に、寅子は深く落ち込みました。
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感想
テストの点数改竄説
優未ちゃんのテストの点数改竄説が語られていましたが、あの説は本当でした。
優未ちゃんは31点というのび太くん並みの点数を84点に書き換え。
テストの点数改竄説を唱えていた人たち、よくそこまで見抜けるなと感心するばかりです。
ブログ主は点数改竄を見抜けませんでしたが、それよりも何よりもトラちゃんが点数改竄を見抜けなかったのは大きな問題。
31点と84点では雲泥の差。
解答用紙を一目見れば、点数がおかしいことにすぐに気がつきそうなものです。
ところが、そこには目が行き届かなったらしい。
目の前にある違和感全開のはずの解答用紙は見ずに、100点を取ったお利口さんという幻想だけを見ていたトラちゃん。
別の言い方をすれば、優未ちゃんを見ているのではなく、架空のお利口さんを見ているに過ぎないのでしょう。
優未ちゃんはまだ幼いので、母親に対する違和感を言葉にはできていません。
しかし幼いからこそ、言葉にはできない強烈な違和感を母親に対して感じているはず。
点数改竄、優未ちゃんとしては叱ってもらったほうが安心できたのかも。
以下、ちょっとネタバレです。
次週は新潟に転勤したトラちゃんの姿が描かれます。
優未ちゃんもトラちゃんと一緒に新潟について行くことに。
優未ちゃんは猪爪家に置いて行けという花江ちゃんや直明くんの提案を、トラちゃんは受け入れなかったようです。
そんな状況下で始まるトラちゃんと優未ちゃんの初めての二人暮らし。
優未ちゃんはまたしてもやらかそうとします。
テストの点数改竄を。
優未ちゃんの点数改竄に対して、トラちゃんがどのような反応を示すのか。
そのときのトラちゃんの反応が、その後のトラちゃんと優未ちゃんの関係に大きな影響を与えるような気がしてなりません。
後々に禍根を残さぬ反応をトラちゃんが示しますように。
3度目のピンチ
本作が始まって以来、3度目のトラちゃんのピンチです。
1度目は妊娠が判明して弁護士をやめるとき。
2度目は優三くんが亡くなったとき。
1度目のピンチも2度目のピンチも、周囲の人々の同情を集めるようなピンチでした。
しかもそのときは、心強い存在のはるさんもいました。
しかし3度目のピンチでは、頼れるはるさんはもういない。
しかも周囲の人々の同情を集めるようなピンチどころか、周囲の人々から孤立してしまうという同情とは無縁のピンチです。
これは痛い。
でも、激しく言い争った翌朝、花江ちゃんは言い過ぎたかなと反省するような表情を浮かべていました。
トラちゃんと花江ちゃんの関係にはヒビが入っていないと確信。
これで安心材料が一つ。
また、一人だけ同情を寄せてくれそうな人が今はいます。
梅子さんです。
梅子さんはトラちゃんの苦悩を察しているらしい。
花江ちゃんの悩みを聞いてあげた梅子さん、トラちゃんの相談相手にもなってくれないかなと願わずにはいられない、重くて苦しい回でした。
予習レビューと史実のリアルエピソード
米国人女性法律家メアリー・イースタリング
リアルトラちゃんが米国視察から帰国したのが昭和25年(1950年)8月。
その翌月の昭和25年(1950年)9月、帰国早々のリアルトラちゃんにGHQからの呼び出しの連絡が入りました。
リアルトラちゃんに連絡したのはメアリー・イースタリングという名の女性。
彼女はGHQ法務部に所属する弁護士でした。
そのとき、イースタリングさんはリアルトラちゃんだけではなく、リアルトラちゃんと同期の久米愛さんなど数名の女性法律家を集めました。
呼びかけに応じて集まった女性法律家たちにイースタリングさんは提案しました。
アメリカには女性法律家の団体が存在する。
同様の団体を日本でも結成してみてはどうかと。
このイースタリングさんの提案によって「日本婦人法律家協会」が発足。
リアルトラちゃんが渡米したその年に、自身も「婦人使節団」の一人として渡米した久米愛さんが会長に就任。
リアルトラちゃんは副会長に就任しました。
当時、日本国内にいた女性法律家は、戦前に高等試験に合格した9名を含めて16名のみ。
よって「日本婦人法律家協会」発足時のメンバーはわずか9名しかいませんでした。(10名説、11名説もあり)
イースタリングさんはその後「日本婦人法律家協会」を「国際婦人法律家連盟アメリカ本部」に加盟させました。
その結果「日本婦人法律家協会」は国連NGOの資格を取得することができました。
「日本婦人法律家協会」は、その後「日本女性法律家協会」と名称を変更し現在に至るまで活動を継続。
現在の会員数は900名超です。
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天国から地獄の、トラちゃん。
昨日はあんなにノリノリだったのにね。
でもまさに、家事も育児も奥さんに丸投げして自分のしたい仕事ばかり楽しんでしている、昭和のモーレツ社員そのもの。
優未ちゃんはじめ子どもたち結託して、テストの点数改ざん。
そう言われてみれば、たしかにあの「8」は不自然でしたね。
直前まで優未ちゃんが赤鉛筆を握っていたのも。
「手のかからないいい子を…」私にも刺さる言葉でした。
直明くんの言うことにも、一理あります。
でもここで母娘を分けてしまったら、できてしまった溝を埋める機会も失われてしまうのではないでしょうか。
「発芽玄米」くん、いいとこあるじゃないですか。
あまりイマジナリーでディスらないであげてね。
美山加恋ちゃんの迫真の演技にびっくり。あのリンちゃん(20年前の草彅剛さんの娘役)が人妻しかも不倫とか、、、。
花江さんの怒りと涙、寅子さんはいかに見る。優未ちゃん答案偽装。直明君の助言。後輩からの悪口、家庭内の困難。こじれた離婚調停、遂に刃傷沙汰に。公私ともに追い詰められ。失意のまま帰宅果たしてどうする。